めんどくせぇことばかり 中華秩序と朝鮮(覚書)『なぜ中国は覇権の妄想をやめられないのか』 石平

中華秩序と朝鮮(覚書)『なぜ中国は覇権の妄想をやめられないのか』 石平

もとより秦にとって斉・楚・燕・韓・魏・趙って連中は異民族、異言語、異文化国家だったわけで、秦王朝ってのは、やっぱり帝国だったわけだよね。始皇帝っていうくらいだしね。だけど後世のモデルになるには秦の治世はあんまりにも短すぎた。
だからモデルになるのは、その後を引き継いだ漢王朝。当初は匈奴にへつらうものの、武帝にいたっていよいよ打って出る。匈奴を追い散らし、いったんは冊封国として中華秩序に組み込んだ朝鮮やベトナムを、さらに軍を送って直轄地とした。

【北方謙三の『史記〈武帝記〉』はかなりおもしろかった。武帝というのはもちろん個性的な人物なんだけど、〈天子〉という意味では、単なる機能にすぎないんじゃないかって感じた】

漢王朝の時代ののち、三七〇年にわたる分裂・内乱が続いた後、隋王朝が久々に生まれた統一王朝として中華帝国の主となった。中華思想の伝統からすれば、この隋王朝の皇帝こそ久々に誕生した〈天子〉となるべき人物だった。しかし、皇帝が自分を〈天ほ子〉であることを証明するためには、支那本土を統一しただけでは不十分であり、周辺の「化外の民」や野蛮国を服属させ手見せることが必要だった。
だからこそ、煬帝は高句麗にこだわって王朝の命を縮めた。それを肝に銘じた唐王朝も、太宗は東突厥を討伐した。高宗の代に力をつけると西突厥を討ち、さらには高句麗も滅ぼした。毛沢東が朝鮮戦争に、鄧小平が中越戦争に臨んだわけもそこにある。

【塚本 青史の『煬帝』も面白かったな。彼らは鮮卑で本質的に「化外の民」、野蛮人だから、余計に〈天子〉の証明は念入りじゃなきゃならないわけだよね】
『なぜ中国は覇権の妄想をやめられないのか』  石平

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中華秩序の本質を知れば、「歴史の法則」がわかる
宮崎市定さんは朝鮮に関して、自力で統一を成し遂げる前に漢の武帝に征服され、漢の郡県とされたことが大きいと言っているそうだ。ここで深く支那の文明を植えつけられたため、民族の統一を成し遂げた後も、常、に支那に対して受け身にならざるを得なかったって・・・。たしかにそのへんは大きいかもしれないですね。

最初に統一を成し遂げたのは新羅か。その新羅自体が唐に恭順の意を表し、中華文明を受け入れて小中華であることを誇りとした。その結果、古くからの文化は次第に委縮し独自性を失っていったわけだ。・・・きわめて分かりやすい流れだな。

かたやベトナムはと言えば、独立心旺盛で、中華帝国に従順ではなくしばしば反乱をおこした。ようやく唐王朝の時に独立したのちも、時に藩臣の礼をとることもあるが、内面の自尊心は極めて高かった。モンゴルと戦い続け、最後は白藤江の戦いでモンゴル軍を敗走せしめた。

二七六年間続いた清王朝時代、この間に朝鮮王朝が送った朝貢使は四九五回に及ぶという。一年に二回も送ってたんだ。その中華思想の崩壊の始まりはアヘン戦争。その後の清王朝を揺さぶった太平天国の乱は、キリスト教的理想を掲げて中華思想を否定した。そして中華思想にとどめを刺したのは一八九五年に敗れた日清戦争か。そこまで清王朝について言った朝鮮王朝を完全に日本が切り離した。清王朝の皇帝が〈天子〉であることを証明する根拠が消滅した。

その朝鮮を失った清王朝が消滅するのが、わずか十七年後の一九一二年だからね。結局、朝鮮と言う国家は、支那の王朝が〈天子〉の治める国家であることを証明するために存在してきた国家のようだな。







 


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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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