めんどくせぇことばかり 『富良野風話 日本人として』 倉本聰
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『富良野風話 日本人として』 倉本聰

財界出版社?・・・ああ、そう言えば、『財界』っていう雑誌があったね。その中に、著者の倉本さんが「富良野風話』という題名のコラムを書いているらしい。それが一冊にまとめられたのがこの本。なんか不思議な感じがするんだ。だって、財界の人たち、どんな顔をしてこの本を読むんだ?
最近、歩いてるんだけどね。・・・「そりゃ、歩くだろう」って言われそうだけど、股関節がいかれてるからね。必死なんだ。だけど、ここ何年間か、用心しすぎた。「痛いから歩かない」は、もう駄目だ。歩かなくなってから痛みが進んだ。だから、痛みをごまかしながらでも歩く。これが“手術”以外の最後の手段。ごまかしごまかし歩いて筋肉をつける。それでだめなら、どうせ手術を速めるだけのこと。連れ合いに内緒だけど、ほんの少しだけど、走っちゃったりしてるんだもんね。

そんでね。山ん中に踏み込むんだ。道を外れてさ。時には藪をこぐようにしながら。・・・うちは関東平野の行き止まり。奥武蔵の前衛みたいなところで、自転車のおっさんもおばさんも、あんちゃんもねえちゃんも、ひぃこらひぃこらやってくるような終着点みたいなところ。そんなところにも関わらず、道を外れて、ちょっと奥に踏み込もうとするとやがて鉄条網に行き当たる。「なんだよこれ」って思ってると、その向こうからゴルファーの声。
富良野風話 日本人として』  倉本聰

財界研究所   ¥ 1,620

日本人は一体どうなってしまったのだろう。絆という言葉はどこへ行ったのだろう。


もくじには淡々と題名が並ぶだけなんだけど、それを年ごとに分けてみた。以下のようになる。
2011年
覚悟  馴れる  ゴミに非ず  一億総懺悔  70センチ四方  断捨離  夜泣きゼミ  マグロ  
卑怯の原点  不都合な真実  活動時間  手紙  そもそも  無関心  日本人として  

2012年
無主物  パブリック・アイ・アワード  正月の憂鬱  復興庁  ひどすぎる  偉い人  甘えるな!  
見えない  理屈と行動  いつしか  需要仕分け  不利益の分配  水クラゲ  近いうちに  
因果関係  愛国無罪  島  復興予算  監視  万歳

2013年
御神木  100円ショップ  記憶  一億総認知症  スピード  教師  砂の山  1票の格差  修理人  
待機児童  憲法第9条考  殺人ロボット兵器  「左翼のクソ」  抗日ドラマ  8月の憂鬱  職人消滅  
オリンピック雑感  ささやかな抵抗  スピード狂時代  聞く耳 神の目、法の目

2014年
足元  特定秘密保護法  性善の誓い  小野田寛郎氏  信なくば  作品  死について  ヘイト菌  
赤電話  風化  シルバーエイジ  ノーベル平和賞  カネコ君  国境  恥  第四の矢  
69年目の夏  気象  テレビの品格  日和見菌  悲劇の風化  片仮名  馬の話  

2015年
灰色コマーシャル  空しさの春  重量  まどろむ  
最初の『覚悟』が掲載されたのは2011年4月19日号。それ考えただけでも分かるよね。そして、それ以来のコラムに付けられた題名。そのへんを見ても、倉本さんは、福島第一原発爆発事故を含む東日本大震災の悲劇から一歩も離れようとしない。
『日本人はどうなってしまったのだろう』『絆という言葉はどこに行ったのだろう』

倉本さん声には悲壮感さえ漂う。でも、それってもともとありました?倉本さんの言う“日本人”ってどんなものですか。もしかして、倉本さんの心に中にだけあったんじゃないですか。

日本人はつながってきましたよ、以前はね。自然が隣にあったからね。というよりも、私たち自身が自然の一部だったからね。恐れもしたし、ありがたくもあった。でもね、山の中にね。入れないんですよ。その向こうっ側ではゴルフやってるわけですよ。あ~んな芝生に、神さま降りてこないですよ。

家族がいて、地域があって、みんなが自然と関わり合って生きてた。そこには神様がいて、みんながつながってた。神が降りてくる大自然がそこにあってこそ“日本人”だったし、“日本人”としてのつながりもあった。そんなことお構いなしにぶっ壊しちゃってさ。絆を断ち切ってきたのは私たちだったんじゃなかった?

東北には、それが濃厚に残ってましたね。自然と人が結びついて生きている度合いが強かったんですね。東北の人には日本人の“なごり”、絆の“なごり”を見せていただいた。見事なもんだった。日本人って、こうやって生きてきたんだってことをまざまざと見せつけられた。心の底から取り戻したいって思った。
倉本さんも分かっていて言っておられるのだろう。失われつつあるからこそ輝かしい、取り戻せないからこそなんとしても手に入れたい。分かっておられるからこそ、書いて来られたのだろうから。


私はどうかと言えば、・・・何だか考えようとすると小難しい。ただ、働いている。「しょうがねぇ、とりあえず定年まで、文句言わずにしっかり働こう」って、そう思ったんだ。

2011年のあの当時、若い連中に意見する立場にあって、震災後、久々に集まった連中を前にしてこう言った。「日本は未曽有の災害に見舞われた。皆さんの生涯は、この災害を克服することに費やされる。物資の援助とか、寄付だとか、ボランティアだとか、苦手だったら考えなくてもいい。ただ、一生懸命働いて、税金を納めろ」・・・働ける連中がしっかり働いて、働けない状況の人たちを支える。

邪魔する集団があればそんなものには目もくれず、邪魔する政治家がいれば次の選挙で必ず落選させる。単純な話として考えないと、心が疲れてしまう。






 


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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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