『世界史の教科書』 洋泉社MOOK
この本紹介したのいつだっけな。なんだかちゃんと紹介した記憶が無いんだけど・・・。なんか後味悪いので、目次の内容だけあげとくね。自己満足のためだけになっちゃうな。ごめんね。
そんな中で、ちょっと書いておきたいのがヨーロッパなんだけどね。んんん・・・、EU・・・、ドイツとギリシャ、三時間目の授業だね。
戦争に負けた西ドイツは軍事的にはアメリカに従属する一方、政治的にはフランスと和解して西側の重要な一員に収まる。敗戦で失ったものは大きかった。第一次大戦前から考えれば大きな領土を失った上、国土は二分されて、二分された東西の境界が冷戦の最前線となった。でも、だからこそ西側陣営は西ドイツを、ベルサイユ体制当時のようには扱えなかった。
ところが一九八九年、軍事費の増大に耐え切れなくなったソ連が、冷戦の敗北を宣言した。ソ連軍が東欧諸国から撤退し、各国で共産党政権が崩壊していった。東ドイツもベルリンの壁が崩れた。東ドイツは西ドイツに吸収され、統一ドイツが誕生した。ヨーロッパにしてみれば二度の世界大戦の脅威が目の前に出現した。欧州統合が加速されたのは、ドイツの力を統合ヨーロッパのなかで管理していくためだったろう。
もちろんそれはおまけみたいなもんで、第一次大戦以来、ヨーロッパはぐんぐん沈み込んでいったからね。第二次大戦後は、日本とアメリカのせいでドル箱の植民地に独立されて、もっともっとぐんぐん沈み込み。米ソ冷戦で、ヨーロッパはすでに刺身のツマみたいに、皿の端っこに寄せられてしまった。これまで真ん中にいただけに、端っこに寄せられたヨーロッパの自尊心ははげしく傷ついた。ヨーロッパが世界に影響力を及ぼすには、統合しか選択肢はなかったわけだ。その統合の外でドイツに影響力を発揮されちゃ、面白くない。・・・そんな感じ?
一九九二年のマーストリヒト条約により、一九九三年にヨーロッパ連合、EUが生まれた。EUの中でドイツは、フランスとの協調を演出しながら経済大国としての実力を背景にヨーロッパ中央銀行を通じて加盟各国に影響力を及ぼしていった。
それで持ってお騒がせのギリシャなんだけど、もうさすが「バルカンはヨーロッパの火薬庫」だよね。この本は三月に出た本だから、六月、七月の大騒ぎの前なんだけどね。
ここに来て結局お金を返せなくなって、・・・もとから返す気がなくて、それをドイツが許してくれなくて、・・・デフォルト気配。この本にもある通り、最悪のシナリオとしては、ギリシャはEUから離脱、・・・と言うか追放。資金が不足して、ギリシャでは銀行が昨日を停止。各種政府機関も閉鎖。国民の五人に一人と言われる公務員は給料の支払がとどこおり、プラカードを持って街へ繰り出す。その代わり、ギリシャの収入源である海外からの旅行客は姿を消す。クレジットカードも使えない、収集も行われずゴミであふれた観光地なんか誰が行くか。
でも、EUにも、と言うか優等生のドイツにもギリシャを簡単には切り捨てられない理由があって、こんな落ちこぼれをいつまでも救済するのは不満ではあるけれども、都合が悪くなったら切り捨てるでは統合の本意が問われることになる。まったく今のギリシャ人には関係ないこととは言いながら、ヨーロッパ文明の根底に古代ギリシャ文明があるのは確かなこと。ヨーロッパ人の心情にはギリシャ抜きのヨーロッパに違和感を感じる向きも少なくないという。それはドイツ人も同様であるという。・・・ええい、めんどくせぇ。
ちょっとギリシャの体たらくについてはまた違う機会に・・・。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
特別授業 世界の明日はどうなりますか? 第一時限 アジア 日中韓の「明日」はどうなりますか? 香港のデモ、中国膨張政策、尖閣・竹島、ウイグル・チベット、中韓の反日 第二時限 中東 中東の「明日」はどうなりますか? イスラム国、イスラム原理主義、中東問題の発端、パレスチナ問題、アラブの春 第三時限 ヨーロッパ ヨーロッパの「明日」はどうなりますか? ウクライナ危機、バルカン半島、ギリシャ危機、スコットランド独立問題、ナショナリズムの起源 第四時限 アメリカ アメリカの「明日」はどうなりますか? 黒人青年射殺事件、銃問題、世界の警察官、TPP、南北戦争と共和党 |
戦争に負けた西ドイツは軍事的にはアメリカに従属する一方、政治的にはフランスと和解して西側の重要な一員に収まる。敗戦で失ったものは大きかった。第一次大戦前から考えれば大きな領土を失った上、国土は二分されて、二分された東西の境界が冷戦の最前線となった。でも、だからこそ西側陣営は西ドイツを、ベルサイユ体制当時のようには扱えなかった。
ところが一九八九年、軍事費の増大に耐え切れなくなったソ連が、冷戦の敗北を宣言した。ソ連軍が東欧諸国から撤退し、各国で共産党政権が崩壊していった。東ドイツもベルリンの壁が崩れた。東ドイツは西ドイツに吸収され、統一ドイツが誕生した。ヨーロッパにしてみれば二度の世界大戦の脅威が目の前に出現した。欧州統合が加速されたのは、ドイツの力を統合ヨーロッパのなかで管理していくためだったろう。
もちろんそれはおまけみたいなもんで、第一次大戦以来、ヨーロッパはぐんぐん沈み込んでいったからね。第二次大戦後は、日本とアメリカのせいでドル箱の植民地に独立されて、もっともっとぐんぐん沈み込み。米ソ冷戦で、ヨーロッパはすでに刺身のツマみたいに、皿の端っこに寄せられてしまった。これまで真ん中にいただけに、端っこに寄せられたヨーロッパの自尊心ははげしく傷ついた。ヨーロッパが世界に影響力を及ぼすには、統合しか選択肢はなかったわけだ。その統合の外でドイツに影響力を発揮されちゃ、面白くない。・・・そんな感じ?
一九九二年のマーストリヒト条約により、一九九三年にヨーロッパ連合、EUが生まれた。EUの中でドイツは、フランスとの協調を演出しながら経済大国としての実力を背景にヨーロッパ中央銀行を通じて加盟各国に影響力を及ぼしていった。
『世界位の教科書』 洋泉社MOOK ¥ 1,296 世界史の知れば、ニュースの背景や国際問題の深層が見えてくる。・・・なぜ、あの事件、紛争は起きているのか。 |
ここに来て結局お金を返せなくなって、・・・もとから返す気がなくて、それをドイツが許してくれなくて、・・・デフォルト気配。この本にもある通り、最悪のシナリオとしては、ギリシャはEUから離脱、・・・と言うか追放。資金が不足して、ギリシャでは銀行が昨日を停止。各種政府機関も閉鎖。国民の五人に一人と言われる公務員は給料の支払がとどこおり、プラカードを持って街へ繰り出す。その代わり、ギリシャの収入源である海外からの旅行客は姿を消す。クレジットカードも使えない、収集も行われずゴミであふれた観光地なんか誰が行くか。
でも、EUにも、と言うか優等生のドイツにもギリシャを簡単には切り捨てられない理由があって、こんな落ちこぼれをいつまでも救済するのは不満ではあるけれども、都合が悪くなったら切り捨てるでは統合の本意が問われることになる。まったく今のギリシャ人には関係ないこととは言いながら、ヨーロッパ文明の根底に古代ギリシャ文明があるのは確かなこと。ヨーロッパ人の心情にはギリシャ抜きのヨーロッパに違和感を感じる向きも少なくないという。それはドイツ人も同様であるという。・・・ええい、めんどくせぇ。
ちょっとギリシャの体たらくについてはまた違う機会に・・・。


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