めんどくせぇことばかり 『鎮魂の旅 - 大東亜戦争秘録』 早坂隆

『鎮魂の旅 - 大東亜戦争秘録』 早坂隆

あの時代を生きた者なら、だれもが一つや二つは今の人が驚くような物語を抱えている。だれでもそうだ。だからあえて語らない。語らないけどみんなそうだと知っている。だからあえて聞きもしない。

そんな中でもここに収録されたお話は、著者が丁寧に集めたもの。いずれも、こころの慄えるものばかり。“今の人”に属する私だが、それでも、わりと“この時代の人”に近い。この本の話は、父や母の時代の話になる。その分だけ切なく伝わる。

もとは二〇一三年の八月三〇日、ちょうど二年前にご紹介したもの。でも、九月二日は、日本がミズーリ号上で降伏文書に調印した日。こんな本の紹介でも、・・・ね。
『鎮魂の旅 - 大東亜戦争秘録』 早坂隆

中央公論社  ¥ 2,052

暗いほど青い紺碧の空に一機、生も死も超越して飛ぶ。まさに“鎮魂の旅”
第一章  玉音放送後に刻まれた哀傷-樺太看護婦集団自決事件
生き残ったのは十七名、生き残った者はその罪悪感に終生苦しんだ。
第二章  B29搭乗員を介錯した武士道の顛末-千葉県日吉村・俘虜斬首事件
東京市民を無差別に焼き払ったB29。撃墜された一機には、生き残った者もいた。
第三章  Uボート内に散った日本人技術者-庄司元三海軍技術中佐の最後
ドイツ降伏とともに武装解除を受けるためアメリカに向かうUボートのなかで、その日本人は自決した。彼を待ちわびる妻と子を、日本に残して。
第四章  特攻隊発祥の地を歩く-敷島隊員・谷暢夫の生涯を負って
「精一杯生き抜いたのではないでしょうか。生への執着を拭う事は難しかったでしょうが」・・・母が息子が沈んだ海を訪れ、用意した花束を投げた。
第五章  函館俘虜収容所第一分所でなにが起きたか-陸軍大尉・平手嘉一の事例
下された判決は死刑だった。彼の友人は法定で叫んだ。「そんな馬鹿なことがあるか❢」
第六章  知られざる特攻兵器「震洋」が描いた航跡-とある元搭乗員の追懐
震洋は終戦間際に海軍が戦場に導入した特殊兵器。ベニヤ製の小型モーターボートの先端部に炸薬を搭載した究極の一手。
第七章  特攻にまつわる然る夫婦の相聞歌-日本人の死生観に関する一つの記録
「中隊長もかならず行く」と約束した。そんな夫の思いを遂げさせるため、妻の福子は、二人の娘を道連れに入水した。
第八章  埋もれた史実「モンゴル抑留」の実態-ウランバートルに隠された悲話
一五〇〇から三〇〇〇が帰国を果たすことなく、モンゴルの土となった。ウランバートルの中心部スフバートル広場に面した市役所、証券取引所、オペラ劇場は日本人捕虜が作った。
第九章 敗戦の責任は何処にありや-肥田武中尉が示した魂魄の行方
「私も武士の子、敵に解除せらるるほどの腰抜け刀は持ちません」と、苦悶の跡すら留めることなく、腹を切った。
第十章  台湾で神になった日本人兵士-台南市・飛虎将軍廟を守る人々
機体は大きな集落に向けて落下していった。彼はなんとか機を立て直した後に脱出。しかし時すでに遅く、彼のからだは大地にたたきつけられた。地元の人々は、村を救ったと、彼を神として祭り上げた。

この本の表紙、零式だろうか。青すぎて暗いほどの空を、たった一機、どこまでも飛ぶ。一瞬のようで永遠。果てしない未来のようで遠い過去。追いかけられそうで決して届かない。そんな終戦の一こまを蘇らせてくれた本でした。
MSN産経ニュース(2013-08-27)
【主張】硫黄島の遺骨 国は「帰還」に総力あげよ
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130827/plc13082703180004-n1.htm
(抜粋)
硫黄島だけじゃなく、東南アジアでも、南太平洋でも、支那でも、朝鮮でも、満洲でも、シベリアでも、モンゴルでも・・・、多くの日本人が、ありえないまでの絶望に、血の涙を流して死んでいった

「自分らしさ」なんてことが大事な世の中らしいんだ。でも何かな、「自分らしさ」って。死んだ人たちを前提にした時にだけ、自分は存在する。そういうものと切り離された「自分」っていうものを探し求めている人たちは、まるでゾンビの集団みたい。うごめていても、そこには命が入っていない。

“一つがすべてであり、すべてが一つである”・・・どのような死も、すべてを昇華して、自分のこととして受け入れる。『いま、私がこうしてあるのは、あなたが生きてくれたお陰です』





 


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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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