『山登りABC もっと登れる山の食糧計画』 芳須勲
料理を作ったり献立を考えてると、時間のたつのを忘れる。山のことを考えてる時もそうだ。・・・登れないくせにね。だったら、食当としての山の計画を立てていれば、こんなにおいしい時間はないな。・・・登れないけどね。

私の料理好きの始まりは山の食当、それも高一以来の万年食当が始まり。そんな話は以前に書いたな。意地悪な先輩がいてね。どうも子供のころから、いくつか上の先輩からは可愛がられるんだけど、一個上の先輩からいじめられる。おそらく私に問題があるんだろう。

炊けたメシをコッフェルごとザックの上にくくりつけて、およそ三十分遅れで追いかけた。二時間以上かけ通しで追いついた時、パーティは休憩中で、その先輩はビスケットを食ってた。その晩のメニューはカレー。私は先輩たちのスペシャルカレーと同級生のカレーのなべを分けて作った。
先輩たちは私の・・・
以来、私は、食当を人にやらせることができなくなりました。
まあ、下界にいるとき同様、「バランス良く、食べ過ぎない程度に、三食しっかり食べる」ってことなんだな。下界にいるときと違うのは、山を歩くっていうのはエネルギーを消耗するからね。行動食も吟味してね。
興味深く読ませてもらったのは、《2 山の食糧計画》と《3 山の食品学》。
この本読んでいてよくわかった。私が高校生や大学生だった頃、行動中の水は厳しく制限されていた。あの頃の“バテ”って、脱水症状がかなり含まれてるな。

朝めしは終わってたけど、ベーコンをよーく炙って小さいコッフェルに入れておき、小休止の時に出して食べた。すげーうまかった。だけどこれに当たってしまった。
今なら、山で人からもらったベーコンなんか絶対食わないのに・・・。よーく管理されたものと、きれいな女子大生にもらった食品は、絶対食あたりなんかしないと思いこんでしまった私がバカだった。
その日は結局、聖平小屋に戻りトイレを一つ独占させてもらいました。翌日も、停滞。その次の日は動けるようになりましたが、私はここから下山しました。ベーコン・・・、あの時のベーコン。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
そういうことでこの本を読んでみた。単純な料理のレシピ本ではありません。なんせ、山ん中でのメシ計画ですから、それこそ命にかかわる。あったな~、昔も。へばって夕めし食えないっていう新入生にスペシャル雑炊作ってやったら、泣きながら食ってた。朝めしが残ったら焼きおにぎりにして、あとから走ってパーティを追いかけた。下級生の好き嫌いはぶん殴って矯正した。 |
私の料理好きの始まりは山の食当、それも高一以来の万年食当が始まり。そんな話は以前に書いたな。意地悪な先輩がいてね。どうも子供のころから、いくつか上の先輩からは可愛がられるんだけど、一個上の先輩からいじめられる。おそらく私に問題があるんだろう。
先輩たちから誘われた奥秩父の縦走だったんだけどね。「朝は食えない」っていう先輩がいて、行動途中で「メシ炊いて」って言うんだ。もちろん私への嫌がらせ。十分の休憩でメシなんか炊けるわけないから私はパーティから置いていかれて、山道の途中で泣きながらメシを炊いてた。通りかかった人は何だと思ったろうな。 |
炊けたメシをコッフェルごとザックの上にくくりつけて、およそ三十分遅れで追いかけた。二時間以上かけ通しで追いついた時、パーティは休憩中で、その先輩はビスケットを食ってた。その晩のメニューはカレー。私は先輩たちのスペシャルカレーと同級生のカレーのなべを分けて作った。
先輩たちは私の・・・
以来、私は、食当を人にやらせることができなくなりました。
『山登りABC もっと登れる山の食糧計画』 芳須勲 山と渓谷社 ¥ 1,080 体の仕組みや栄養のことを知り、もっと登れる体を応援してあげましょう |
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興味深く読ませてもらったのは、《2 山の食糧計画》と《3 山の食品学》。
この本読んでいてよくわかった。私が高校生や大学生だった頃、行動中の水は厳しく制限されていた。あの頃の“バテ”って、脱水症状がかなり含まれてるな。
私の仲間にもいた。もうとにかく先へ先へと距離を稼ぎたくて、行動食だけで昼飯用の大休止どころか、小休止さえなかなかとりたがらない奴。そいつと一緒の時は、行動食の回数が増えるから、その分変化をつけるのに苦労した。今みたいにいろいろなもの売ってないしね。 |
あと、食中毒には苦い経験がある。日本海から太平洋までの縦走を企てた大学二年の夏。私にしては大冒険。その大冒険も聖岳まで来ると、逆に終わってしまうのがもったいないような気持ちになっていた。その日は聖平小屋にテントを張って泊まり。翌朝これから帰るっていう大妻女子大のきれいなお姉さんがベーコンのブロックをくれた。私はベーコンて言うもの自体食った経験がなかった。 |
今なら、山で人からもらったベーコンなんか絶対食わないのに・・・。よーく管理されたものと、きれいな女子大生にもらった食品は、絶対食あたりなんかしないと思いこんでしまった私がバカだった。
その日は結局、聖平小屋に戻りトイレを一つ独占させてもらいました。翌日も、停滞。その次の日は動けるようになりましたが、私はここから下山しました。ベーコン・・・、あの時のベーコン。


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