めんどくせぇことばかり 『隠された歴史』 副島隆彦

『隠された歴史』 副島隆彦

おかしな話から始まるけど、数年前の事になるが娘は教会で結婚式を挙げた。大事に育てた娘は、なんだかよくわからない男と、なんだかよくわからない神の前で愛を誓った。
文金高島田姿を楽しみにしてた私の希望は踏みにじられたが、もちろんその場には同席した。娘には絶対的に弱い。その一同を他所の国の人が見れば、揃って熱心なキリスト教徒に見えたことだろう。私たちは、キリスト教も作り変えてしまった。私たちの背丈に合わせて・・・。
すでにその成立から千年を経過し、様々な試練にさらされて思想的体系を整えた仏教でさえ、この国の人々は受け入れた。しかも、それまでの神々を失うことなく・・・だ。

でも、それよりもずっと前の段階で、仏教は釈迦の時代のものとは大きく変質していた。

だいぶ前に読んで感動した 『隠された歴史』。仏教の謎に、真正面から体当たり。その本質と、時間の流れの中での根本的変質、姿形を変えて伝播していき、観音・弥勒の姿でマリアを日本に伝えた。そんなら聖徳太子の名前が厩戸皇子だったこともうなずけますね。この本は面白かった。同時に、視界が開けた。まるで目から鱗が落ちたパウロのように。
過去記事で~す

隠された歴史 そもそも仏教とは何ものか?隠された歴史 そもそも仏教とは何ものか?
(2012/07/27)
副島 隆彦

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観音・弥勒=マリア
第一章  お釈迦様の教えはどこへ行ったのか
第二章  二世紀頃、仏教にキリスト教が流れこんだ
第三章  ブッダの言葉こそ本当の仏教
第四章  宗教の中心は「救済を求める思想」
第五章  救済思想の否定として生まれた禅宗
第六章  般若心経になぜブッダの名前はないのか
第七章  「悪人正機説」を解体すると見えてくること
第八章  法華経を通じて見えてくる大乗仏教の正体
第九章  現代の阿弥陀如来の姿
第十章  道鏡とキリスト教
第十一章  現代と救済


どう?目次見ただけでも、ずいぶん魅力的な本だってことが分かってもらえると思うんだけど。
釈迦の教え
人間は死んだら全て終わりであり、消滅し、無に帰る。これが釈迦の教の本質である。この真理を知ることが悟りである。これを知り、一人できちんと死んで終われるようにするのが、仏教の修行である。

仏教は基本的に個人救済の宗教である。釈迦は生老病死などの苦しみを解明し、自ら悟りを開くために出家した。悟りを開いた彼は、その境地のまま入滅しようとした。しかし、梵天(ブラフマン)の願いにより、衆生の救済に後半生を用いた。これが慈悲である。
法相宗
人間は死んだら全て終わりであり、消滅し、無に帰る。すなわち、輪廻転生などはない。
大乗仏教
龍樹こと、ナーガールジュナ(150頃~250頃)に始まる。
大乗仏教は強い救済思想であり、衆生救済の思想である。救済思想はキリスト教の一大特徴であり、それが龍樹により、仏教という衣をまとって広められた。大乗仏教の衆生救済しそうは、本質的にキリスト教である。

この時代に花を開かせるガンダーラ美術。ギリシャの技術とともに、その思想やキリスト教が、ごく自然に取り入れられていった。マグダラのマリアは阿弥陀如来、あるいは観音菩薩や弥勒菩薩として、釈迦如来の周囲にひかえた。
禅宗の教え
神も仏も信じない。この世に救済はない。だから己一人、自分自身だけのために修行せよ。他者を助けることなどできない。だから禅宗にはお経がない。
キリスト教
キリスト教=マリア信仰がキリストの死後東へ東へと進んで、2世紀に中央アジア、北インドで仏教に変化した。そして阿弥陀・観音菩薩・弥勒菩薩信仰となって生まれた。この時仏典(大乗仏教)がたくさん書かれた。そして、それらは漢訳仏典(お経)となって中国に入った。
世尊布施論
比叡山で読まれていた漢訳教典。キリスト教聖書そのもので、イエスを人と考えるアリウス派の教え。内容は新約の「マタイの福音書」5~7章の「山上の垂訓」を中心に、「創世記」中のアダムの創造と堕落。イエスの降誕とその生涯、教え、さらに救いに関わるキリスト教の教義が記されているらしい。

この中で世尊と呼ばれるのはもちろんイエス・キリストであって、ブッダではない。法然や親鸞ら、比叡山で学んだ学僧たちの多くが、この「世尊布施論」を読み、影響を受けたことが考えられる。
  

仏教への疑問は尽きない。その本質を解き明かす画期的な本だ。少なくとも、私は待ち望んでいた。まずは大乗仏教の登場によって、仏陀の教えは分裂した。このあたりの経緯に関して、かつて“ひろさちやさんの『仏陀』”を読んだ。
この中では、「出家者を中心とする教団の特権化に伴い、在家信者たちの間には不満が高まっていた。アショーカ王の寄進と仏塔建設により、その管理者としての在家信者が一大勢力となり、仏陀の“救済”の思想を教えの基本とした大乗仏教が生まれた」といった趣旨が語られていた。ひろさんの主張も十分納得のいくものであった。

この『隠された歴史』では、その辺に主張の違いが見られる。しかし、「救済の教えを求める在家信者に、龍樹が“キリスト教の救済思想”で応えた」という考え方が成り立つ。もちろんひろさんと著者の副島さんは、発言の立ち位置がまったく違うわけであるが、副島さんの考えを主とし、ひろさんの考えを従とすることで、私にとっては一本筋の通った理解が得られたと思う。

ただし、副島さんは小乗にこそ仏陀の本来の思想が語られていると言うが、すでに教えの独占による利益を得ていた教団が仏陀の真意を伝えてきたというのも、なかなかしっくりはいかない。この点、副島さんご本人が書かれているが、宗教界も政治の世界とかわりはない。ともかく、在家信者が求める形に仏教は装いを新たにしたということだろう。

これで、今まで抱えてきた仏教の関する疑問の多くが解決にされていくように思える。それに加えて、本書の中では支那王朝変遷史の中で重きをなす“民衆の反乱”に、“救済思想としてのキリスト教”の影響を強調している。これは支那史、さらには古代史における人の流れ、思想の流れに新風を吹き込むことにつながるのではないだろうか。
「変わらない教え」とか、「変えてはならない教え」とかってのが、如何に人を不自由にするか。このところのできごとは、つくづくそう感じさせられる。イスラム教はユダヤ教、キリスト教に遅れてきて、完成をめざした分だけ窮屈になった。本来一神教は窮屈にならざるをえないんだろうけどね。

日本人は、あんまり窮屈な理屈を由としないんだろう。窮屈なことは、ほかに一杯あるしね。手を合わせる対象くらい、人になんとかかんとか言われたかないな。





 


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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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