めんどくせぇことばかり ゴルバチョフの改革に酷似(覚書)『中国大減速の末路』 長谷川慶太郎

ゴルバチョフの改革に酷似(覚書)『中国大減速の末路』 長谷川慶太郎

一九八五年に書記長に就任したゴルバチョフだが、その段階でソ連はすでに崩壊への道筋が引き戻すことのできない段階に入っていた。具体的には社会主義的計画経済は完全に行き詰まり、そのような中でレーガン政権の仕掛けた軍拡競争への対応を取らねばならなかった。

ゴルバチョフにできることは、緊張緩和により軍拡競争への対応を棚上げし、その間に社会改革をすすめることだった。その社会改革の方策としてゴルバチョフが実行しようとしたのがグラスノスチ、情報の公開によるソ連社会の立て直し、ペレストロイカであった。ゴルバチョフは少しずつ民主化の動きを進め、ソ連の人々を自由主義的経済に順応させていくというソフトランディングをめざした。
しかし、グラスノスチによりソ連の人々が得た西側の情報は、彼らを愕然とさせた。西側の人々の生活は、ソ連の人々の生活よりも遥かに豊かで、自分たちの生活の貧しさを知ったソ連の人々は、もはや自分たちをそのような境遇に押しやった国家に対する不満を抑えることができなかった。


ソ連崩壊時、ソ連の経済は完全に国際競争力を失っていた。競争力のある商品は原油と天然ガスしかなかった。じつはその状況は、あれから二五年たってもあまり変わらない。現在のロシアでも国際的な競争力を持った商品といえば、原油と天然ガスくらいしか思い当たらない。長い間の計画経済の硬直性になれたソ連社会では、生き馬の目を抜くような市場経済における自由競争への理解が進まず、技術や知識があってもなかなかシステムとして機能させられない状況が続いているのだ。


『中国大減速の末路』 長谷川慶太郎

東洋経済新報社    ¥ 1,620

日本はアジアの盟主となる  日本は高度な技術力を背景に、世界経済を牽引していくことになる


支那の場合、この点に違いはある。鄧小平以降の改革開放により、たとえ偏ったものであれ自由経済が進展し、史上稀にみる経済成長を遂げた。ただ、その偏りが、ここに来てこれ以上は放置できないほどの問題になって露出したというのが現状だ。そのような現場に臨み、習近平が掲げたスローガンが「新常態」。彼は経済成長の実態を、量から質へと転換させようと考えている。
習近平の現在の動きは、ソ連崩壊を結果として導いたゴルバチョフの一連の行動とよく似ている。それどころか、経済的な行き詰まりからデタント(緊張緩和)、ペレストロイカ(改革)、グラスノスチ(情報公開)、共産党消滅、ソ連崩壊への軌跡を同じようにたどっているように感じられるのである。
本書P102

経済成長の実態を量から質へと転換させる改革は、とてつもなく大きないた意味をともなう。習近平政権は「トラもハエも叩く」汚職撲滅政策で支那の大衆の喝采を受けている。しかし、いよいよ経済成長の実態を量から質に転換させていこうとした時、大量の倒産とそれにともなう失業が発生する。その時習近平への喝采は、怨嗟の声に変わる。
この時、もしも汚職撲滅作に沈黙を保っている江沢民、胡錦濤といった勢力が力を温存していれば、あるいは軍部が習近平に不満を抱きつつも沈黙を守っていたなら、それらの力は民衆の《怨嗟の声》を背景に一気に攻勢に出るはず。そこまでは読める。でも、そこから先は・・・。

それ以前に、六月、すでに上海株式市場の暴落という形で支那の経済は変調を露呈している。中共は共産党一党独裁制権ならではの、掟破りな市場介入で事態の沈静化を図るが、どうにも問題先延ばしにしか見えない。「量から質」への転換と言っても、このパターンではコントロール出来ないということか。コントロールできる形での「量から質」への転換というのがありえるのか。
いろいろな本と平行して読んでるもんだから、まだ、この本、半分しか読んでない。これから先に、《そこから先》の、長谷川さんの予測が書かれているのかも・・・。

さて、ゴルバチョフの書記長就任が一九八五年。八九年の冷戦終結で東ヨーロッパにおける覇権を失い、一九九一年にはソ連崩壊。習近平が最高指導者となったのが二〇一二年。ゴルバチョフで言えば、来年が冷戦終結、つまりアメリカへの敗北宣言に当たる年。さてさて何が起こることやら。





 


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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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