めんどくせぇことばかり 『異端の人間学』 五木寛之 佐藤優

『異端の人間学』 五木寛之 佐藤優

野蛮で残酷、時に繊細で芸術に過剰なまでの情熱を傾けるロシア人。日本に近く、欧米に憧れて近代化してきたという似通った歴史を持つ。だが私たちは、隣国の本性を知っていると言えるのか。欧米中心のヘゲモニーが崩れつつある今、世界はロシアが鍵の一つを再び握った。ロシアを知り理解し得なければ、今後日本は生き残れない。
・・・この前提には無理があると思う。

キリスト教文化圏の果てにあること。遊牧民族の影響を受け続けること。日本と同じように強引な西欧化を遂げたこと。蔑まれ続けながら、蔑むものをおそれさせるまでの力をつけたこと。・・・とにかく、北の果てにあること。いずれも興味深い。この前提には無理があると思うけど、ロシアは興味深い。
今ね、読んでる途中なんだけど、この本、深いんですよ。まさに今読んだばかりのところでね。とりあえず書いておきたいことがあったの。佐藤優さんは、なにしろ勉強量が半端じゃないからね。おも本っ当にいろんなことをよく知ってらっしゃる。

佐藤優さんの書いたものは、これまでにも読んだ。いろいろとたくさん書いてるんで、正直言って読んでるうちに、なんだか少し飽きてきちゃって、最近は新刊が出ても食指が動かなかった。だからこの本は、対談相手の五木寛之さんに食いついた。

たった二〇〇ページにも足りない小冊子です。でもね、五木寛之さんが、佐藤優さんの博覧強記に、見事に深みを与えた。きっと私は、折にふれてこの本をぺらぺらめくる。たまたま開いたそのページを何気なく読む。そんなことを繰り返すうち、知らず知らず、私は何かを得ているだろう。
『異端の人間学』 五木寛之 佐藤優

幻冬舎  ¥ 842

まったく違う角度からであるが、この二人はその人生のかなり大きな割合をロシアにかかわって生きてきた

ああ、穏やかに生きて、穏やかに死にたいもんだ。これまでの五五年間、人からなんと言われるか知らないけど、自分としては穏やかに生きてきた。これもひとえに私の才能と、この国の、この時代に、あの両親の子として生まれ、連れ合いと子に恵まれて、生きてこれたからだろう。・・・そう考えると、自分の才能ってあんまり関係ないな。

それに、この国がこれからどうなっていくか。けっこう心配なところがある。子や孫に五木さんや、うちの両親たちの世代のような思いをさせるわけにはいかないからな。・・・穏やかさに甘えてらんないかな。

五木さんは引揚げだよね。平壌で敗戦を迎えたと書いてある。それだけで大変だった。敗戦民族が大挙してこの島国に引き上げてくる。大変なことがなかったはずがない。多くの方がなにも語らずに亡くなった。声の大きな人がいろんな主張をするが、一番大変だった人たちは、なにも語らずに亡くなりつつある。

九州へ引き揚げたのち、五木さんが「ロシア文学科へ行きたい」と言ったら、お父上は「ロシア人は母さんの敵だぞ」とぽつりと言ったんだという。・・・こう書きながら、胸が高鳴るのを抑えきれない。・・・今、ようやく抑えた。
なんだか、この二人の対談を読んでると、異様に心が波立つ。先へ行けば行くほど、分け入って分け入って、ついて行けないところまで分け入っていくので、二人が分岐点まで引っ返してくるのを待つことも何度かあった。それでも最後の方まで読んだのは、やっぱり、心が波立つからかな。

私は穏やかに生きてこれた。でも、それが歴史の中に埋もれた、数々の“影”に支えられてることくらい、私だってわかる。わかってるから、この“影”の方から語りかけてくる二人の話に、心が波立つのかな。その影を沢山引きずっていた頃の話がたくさん出てくるんだもの。

誰かが言ってたな。とりあえず、“満洲”の葬式くらい出しておかないとね。





 


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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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