『奥武蔵・秩父 峠歩きガイド』 大久根茂
二七日から一週間ばかり旅に出ます。行きたくって行く旅じゃ無いんだけどやむを得ません。足がどうなることやら、心配ではありますが、行ってみないとわかりません。せっかく行く旅ですから、見るべきものは見てこようと思います。いずれ報告でも・・・。・・・では・・・ |
昔、・・・昔って、高校の時分だけど、いつか秩父の峠を時間をかけて回って、詳細を調べあげたいって思ってたことがあった。結局、さまざまな事情から、故郷の秩父に帰りづらくなって、そんなことを考えていたことも忘れてた。でも、・・・いまなら、どうかな。 |
当時、好きだったのは雁坂峠と将監峠。そう言えば、この本の表紙に使われている写真は、雁坂峠だね。雁坂は、峠周辺の笹原の開放感がなんとも言えなく好きだったな。将監は春山登山のラッセルの思い出。和名倉の雪また雪から解放された将監峠小屋付近の春めきが忘れられない。この本では、将監は紹介されてないけど、近くの雁峠が紹介されている。ここもいいんだよね。
秩父から十文字峠に登って、甲武信岳を通って雁坂から下りてくるってコースは、おそらく高校のころに四・五回やってる。その割に、十文字峠の印象が薄い。意識が、先の甲武信や雁坂に向かっていたんだろう。それに甲武信や雁坂は、山小屋で働かせてもらってたしね。あらためて、十文字も登っとかなきゃね。 |
『奥武蔵・秩父 峠歩きガイド』 大久根茂 さきたま出版会 ¥ 2,052 峠歩きの面白さは、その歴史や暮らしとの関わりを知ること 峠にまつわる”話題”あれこれ |
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故郷の秩父は盆地だから、出るにも入るにも、必ず峠を越えた。峠ぬきには秩父は語れないし、峠という限定された通路だからこそ、山の中でも往来が盛んだったんだな。外の人にはともかく、中の人間にとっては、峠っていうのは外に対して開かれた窓みたいなもんでね。 右の写真のような状態ですからね。私の家は、この盆地の南の端に立ちはだかる武甲山のふもとにある。見事に周りを山に囲まれてるでしょ。 | ![]() |
だから小さいころ、外から帰ってきた大人にいろいろなことを聞いた。それで、夢を描いて、いつか自分も峠を越えるんだ。本当なら自分も帰って、子供たちに夢を語らなきゃならなかったんだけど・・・。まあ、私じゃなくても、いくらでもいるからね、ふさわしい人が・・・。 |
とても魅力的な本だった。逆に、私が夢を見てしまう。いつかこれらの峠を歩こうって。あと一年半経ったら、股関節を手術する。リハビリして、運動して山を歩く。私がまず歩くのは、奥武蔵。白谷沢をつめ、て権次入峠を越えてみよう。大丈夫。夢いつもかなうとは限らないことは、この歳になれば、よくわかってる。


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