めんどくせぇことばかり 天皇の役割(覚書)『古代史 50の秘密』 関裕二

天皇の役割(覚書)『古代史 50の秘密』 関裕二

この本の中に《天皇の役割》について言及した部分があるんだけど、関裕二さんの本でいろいろと呼んできたけど、まだまだわからないことが多いよね。この本の中で著者は、《明治維新後の天皇は、長い天皇家の歴史の中で、異質な存在であった》と、本来専門外のはずの“明治維新後の天皇”の存在について触れている。

大事なことだよね。こういった形でのアプローチが古代史のなぞの一端を考える鍵になる場合もあるし、古代における天皇の存在の解明が現代における皇室を考える材料にもなる。
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 帝国主義の大義名分は、キリスト教の正義であった。世界の未開な地域にキリスト教を広め、野蛮な人々をキリスト教の高みに引き上げる必要があると考えたのだ。
 自分勝手で都合のいい考えで、平和な時代を過ごしていたアジアの国々は、次々と蹂躙され、支配され、植民地となっていった。
 かろうじて植民地化の危機を乗り越えた日本は、立憲君主国を打ち立て、富国強兵策をとり、キリスト教と天皇をすり替えて大義名分を掲げ、帝国主義のまねごとを始めたわけである。
本書p46

列強と呼ばれる国々の植民地化をまぬがれ、それらの国と肩を並べていこうとした時に、明治政府が弱り果てたのは事実だ。明治四年の岩倉使節団の訪米、訪欧では、日本の進取の気性が褒めそやされるけど、本来の目的は不平等条約の改正交渉ですよね。その交渉を持ちだして、日本はなぜ、不平等条約を押しつけられたか、本当の理由がわかったはずだ。

欧米人、いや、彼ら白人社会は、アジア人やアフリカ人といった有色人種を、自分たちとおんなじ人間とは思ってなかったからだ。

・・・最初から本質的な部分を持ちだしちゃ、話が進みませんね。欧米列強は、市民革命期の社会変動の洗礼を受け、基本的人権をはじめ近代民主主義への志向を持つ国民国家をこそ国家と呼ぶのであって、そういった西欧近代化の流れから取り残されてきたアジアの国々を“国家”として認めていなかった。じゃあ、ロシアあたりはどうなんだよってことになるけど、あとは“力”だよね。

まあ、最初からまともな国家扱いされてないってことに気がついたわけだよね。そこで欧米並みの国家体制を整えようとしたわけだけど、アメリカの独立やフランス革命で確立されていった人権だとか平等の背景には“神”、・・・っていったって天照大神じゃないよ。・・・“God”ね。日本はそんな奴いないもんね。だから天皇を以て、Godに置き換えたんだね

だから、関さんの言うように、まず“海外進出ありき”で、“Godの正義”に代えて、日本版マニフェスト・デスティニーを打ち立てるために天皇を“God”同様に扱ったわけじゃない。

関さんは、《明治政府は、西欧の帝国主義を真似て、海外に軍勢を派遣することを画策し、天皇を派遣したのだ》とか、《キリスト教世界から見れば、「天皇の正義」は「邪教の論理」だったろうし、それ以上にアジアの人々にとって、西欧列強に追従した日本の行為は、許し難い行為だったろう》とかって言うけど、そういう見方じゃあ、明治以降の世界の流れを読み切れないと思う。

でも、次の関さんの一文は肝に銘じておくべきだな。
天皇に手をかければ、恐ろしい祟りに遭うと、漠然とした共通の認識を日本人は抱き続けてきたが、天皇に最も近い立場にいた公卿たちは、「天皇はいくらでもすげ替えが可能」と考えていた節がある。すなわち宮中の取り巻きたちは、外の人間に対し、「天皇は神聖な存在」と演出して見せたが、本人たちは、「天皇を支えているのはわれわれ」であり、「天皇は道具」としか思っていなかった。
本書p46

まさしく幕末、長州と手を組んだ公卿たちがそうだった。そして、その長州と手を組んだ連中が明治政府をつくったわけだよね。だから天皇っていう存在を、自分に都合のいいように作り変えていくことも、お手のままだったわけだよね。 





 


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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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