めんどくせぇことばかり 『ドキュメント 道迷い遭難』 羽根田治

『ドキュメント 道迷い遭難』 羽根田治

ずいぶん前の本なんだよね。二〇〇六年。・・・あれ、新しく文庫で出てるんだ。新しいのはヤマケイ文庫で、なんと今年の九月に出てるんだ。古い方で読んじゃったけど、偶然にもタイムリー。
おんなじような仕事しているやつで、私より少し十歳くらい若いのが学生つれて山に行くって言うんで、聞かれるままに谷川のルートだの、筑波や赤城だのの様子を教えてやった。なんだか百名山ばっかり聞いてくるなって思ったら、最初からそのつもりだったらしい。その方が山を知らない学生たちの受けがいいらしんだな。
それがね、すごいんだってさ。まあ、紅葉シーズの週末ってこともあるけど、谷川に行くって言うから、連れて行くそいつも初めてだって言うから、天神尾根コースすすめたの。ロープウェイ使って・・・。

そしたらね。「混んでた~」っていうからロープウェイのことだと思って、「紅葉の時期だかんね」って言ったら、それもそうだけど、登山道そのものが混んでるんだって。行列だって・・・。「富士山じゃあるまいし」って言ったら、そうなんだって。・・・本当かな。嫌気がさして、山小屋まで行く前に名誉ある撤退をしたって言ってるんだけど。ちなみに、そのあとで行った筑波はもっとひどかったって・・・。まいったな。山の一番の良さは、人がいないってことなのに。

たまんねぇな、団塊の世代。・・・根拠はないけど、勢いはすごいからな。・・・団塊の方々、・・・これは褒め言葉ですからね。ただ、山に行く前に、是非、この本読んどいてね。
山と渓谷社  ¥ 1,728
「おかしいなと思ったら引き返せ」「道に迷ったら、沢を降りるな」
南アルプス 荒川三山  一九九九年八月
北アルプス 常念岳  二〇〇一年一月
南アルプス 北岳    二〇〇一年九月
群馬 上州武尊岳  二〇〇二年五月
北信 高沢山  二〇〇三年五月
房総 麻綿原高原  二〇〇三年十一月
奥秩父 和名倉山  二〇〇五年五月 
へそが曲がってるからね。こっちって言われりゃあっち、あっちって言われりゃこっち。それじゃあ命がいくつあっても足りないけど、“道は間違えるもの”くらいの認識は必要だよね。私はよく間違えたからね。

山が好きよ。でも、それに近いくらい、地図でルートを想像するのが好き。ルートを外しそうな場所ってのは、地図でもけっこう分かる。そこで間違えて、やばい沢に下っていく自分を想像すると、・・・ワクワクする。どっちかって言うと、道を外れたほうが面白い。・・・質が悪い。

最近はずいぶんと表示が整備されたっていろいろな本に書いてあるけど、やっぱり山だからね。道って言ったってけもの道だってあるし、山仕事の道だってあるしね。本来のルートのほうが疑わしく思える場合なんていくらだってある。「おかしいなって思ったら引き返せ」って言うけど、引き返したって、まだ疑わしい。

だったら片っ端から入っては引き返し、入っては引き返しして本来の道を探す。めったにあることじゃないけど、そういう場合もある。

この本には七つの遭難が紹介されている。紹介されるくらいに詳細がわかってるわけだから、いずれも生還した。やっぱり、失敗からのほうが、遥かに勉強になる。取材に応じてくれた方々に感謝する。お陰でどれだけの悲劇を未然に防げたか。これからも防げるか。

高校の時、それも一年の時、のべつ幕なし山に登ってたんだけど、とある秋口の金曜日に、山岳部の奴らと「どこいく?」って。なかなか思いつかなかったので、顧問の先生に聞いた。・・・(言ってなかったけど、私は秩父、秩父高校山岳部)・・・その時先生が紹介したのが《和名倉》でした。
和名倉は、影森にある私の実家からも見える。まあ、先生も言ってるし、気軽に出掛けた。土曜日、当時の土曜日は学校やってたから午後から出かけて、二瀬ダムの吊橋を渡ったのはどっちかって言うと夕方。
この本の遭難記事にもある通り、和名倉はもともと山仕事の人が入るところだから、登山道とは関係なく、けっこうはっきりした、あるいははっきりしない踏み跡が縦横無尽についている。しかも展望があまりないので、自分の位置を確認するのがけっこうめんどくさい。「**先生、こんな山紹介しやがって」とか、いくら言っても来たのは自分だからね。ひたすら方位を確認して、山の東側斜面をできるかぎり上へ上へ。

途中、中腹の秩父が見渡せる場所で幕営。おそらくここは、実家から見えるところだな。代わりばんこに好きな女の子の名前を叫んで、思い残すところなく・・・、いやいや、まったく悲壮感なく。・・・翌日は山頂を踏んで将監峠まで足を伸ばし、吊橋まで走り下りた。ちなみに私は下山家と呼ばれていた。月曜日に顧問の先生に報告に行ったら、「よく帰ってこれたね」って言ってた。

私の知り合いに二人、帰ってこなかった奴がいる。一人は正月の聖岳。一人は妙高。前者は風邪を抱えての疲労死。後者は雪崩。前者は和名倉の仲間。後者は後輩。・・・それが自分であっても、何の疑問もない。


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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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