めんどくせぇことばかり 『クルアーンを読む カリフとキリスト』 中田考 橋爪大三郎
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『クルアーンを読む カリフとキリスト』 中田考 橋爪大三郎

中田考さんの話を聞いていると、やはりイスラム教が一番理屈が通っている。一番ってのは、ユダヤ教、キリスト教に比べてみればってことね。包容力の面でもやはりそうで、ユダヤ教やキリスト教に比べて遥かに懐が深い。

アラビア語で“宗教”は《ディーン》と言うんだそうだ。クルアーンの第109章「不信仰者たち」の章の最後に「おまえたちにはおまえたちの宗教があり、私には私の宗教がある」という言葉があるそうです。しかも、“私たちの宗教”はイスラーム教を示しているので、“おまえたちの宗教”はそうではない宗教ね。しかもこれはメッカ最初期の啓示ということなので、対象となる“おまえたちの宗教”とはイスラーム以前の偶像崇拝。イスラームからすれば邪教ということになる。邪教に対してもイスラームを指すのと同じ《ディーン》という言葉を使ってるんだそうです。中田さんは『イスラームと偶像崇拝を「宗教」という同じカテゴリーのものとして認めている点が画期的』と言っている。

それから橋本大三郎さんが、「日本人は救われるのか」って聞いているんだ。中田さんはどう答えたと思います?

ほら、キリスト教なんかだと、イエス以前のご先祖様が救われなくなっちゃって、便宜的に煉獄なんてのが考えられたりしてるけど、イスラーム教にはそういったいい加減なことがない。イスラーム教ではムハンマドの登場でシャリーアが変わるので、そこでイスラームの宣教を受けたかどうかが決め手になる。イスラームの宣教を受ける前の人々は全て救われる。宣教を受けてなお、アッラーに帰依しないものは救われない。すっきりしてるね。

しかも、イスラームの宣教ってのは、「これがこうで、あれがああで・・・」って、手取り足取り行われるものではなくて、その社会内部でシャリーアとともに生活することによってはじめてイスラームの宣教がなされたと考えられるということで、・・・バンザーイ❢ 
どうやら日本人はみんな救われるらしい。

・・・ここまですっきりしていると、なんか入信しちゃいそう。

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橋爪大三郎さんなら、中田考さんからイスラームを引き出せる
第一章  クルアーンとは何か
第二章  書物としてのクルアーン
第三章  クルアーンで分かる世界史
第四章  イスラームの歴史・神・法
第五章  カリフ制


だけど、やはり今のイスラーム勢力を見るとき、その混乱を考えれば入信はないか。まあ、それ以前にイスラームへの最大の疑問は後出しじゃんけんでつじつまを合わせたこと。そのあたりがやっぱり禍根につながってることは、中田さんの話からも結構感じられる。
イスラーム教時代が主権国家体制にはなじまないって中田さんは言うけど、それはキリスト教も同じなんじゃないかな。ある意味、イスラーム教以上にがんじがらめだったからこそ、権威との関係を弱める方向へ全体が流れていった。そうして主権国家体移行し、中央集権国家体制を固めたヨーロッパ諸国に、イスラームは対抗できなかった。

にもかかわらず、彼らは主権国家体制を拒否し続けている。カリフ制を持ちだしたイスラム国に限らず、多くのイスラーム国家は、やはり主権国家に見えてもそうではない。えせ主権国家。主権国家にさえなれない状態。《イスラーム普遍主義でもないし、ナショナリズムでもない》と、橋爪さんは言っている。

ビックリするね。アラブ首長国連邦の人の平均年収は軽く日本を上回って二〇〇〇万円ほど。週に三日四日、午前中だけ働いて有給三カ月、夏休み二か月、結局日本人の感覚で言えば、満足に働いてない。会社からも、官庁からもお金がもらえて、公共料金はただで、家ももらえる。実務は優秀なインド人。ムスリムはアラビア語がわかって、反抗的で、かえって危険。建設労働者も昔は韓国人、今は北朝鮮からだって、アフリカからだって、いくらでも集まる。先進国はそこから石油を買って経済を支える。

もともと人口の希薄な砂漠地帯で居住人口の八割が外国人。軍人も警察もみんな外国人。ただし市民権は与えない。一握りの国民が経済力と物理的実力を手にすれば、“国”らしいものが出来上がる。それが持続するのは石油が安定して売れるから。

「だから日本も無関係ではいられない」って言う論なら、みんな聞き飽きてるだろうな。だから戦いを挑む奴らがいるわけか。挑まれれば戦うのか。徹底的にぶっ潰せばことは済むのか。・・・だから、イスラームなのか?  ・・・考え続けるしかないんだろうな。



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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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