めんどくせぇことばかり 『君のいた日々』 藤野千夜
FC2ブログ

『君のいた日々』 藤野千夜

左も右も同じ本。でも、私が手に入れたのは右の本。ずい分前に手に入れたソフトカバーの単行本。読まずにいるうちに文庫版が出てました。帯の解説から、内容はパートナーを失った夫婦の話ということは誰でも分かる。この本を購入したとき、どんなつもりだったか、よく覚えてないけど、買った後で読む気にならなかったのか、たまたま他に読みたい本が重なっていたのか。どちらにしろ、積極的に読もうとは思ってなかった。

そのまま読まずに埋もれている本も、実は少なくない。もし、なんかのきっかけでダンボール詰めにして押し入れに入れちゃえばそれまでなんだけど、たまたま目の届くところにあって、・・・実は、それ以上に自分を包む環境が変わっていた。

この本を買った頃、私は新しい職場に移って二年目で、先は長くないものの、なんとか仕事にも慣れた。すでに娘は嫁に行っていたが、息子は大学二年で、自宅から都内に通学していた。認知症の義父は次第に症状が進み、妻の眉間にはしわのよることが多くなっていた。

たった二年しか経っていないんだけど、私は足の痛みから職場でも足を引きずるようになり、気が付くと無意識にぼやいている。息子は就職が決まり、春には家をでることになった。義父は昨年の夏から施設に入っている。いよいよ、妻と二人になる。

『君のいた日々』    藤野千夜
ハルキ文庫  ¥ 691
大切なひとを亡くした人へ そして今、大切なひとがいる人へ
表紙 


夫は春生、五十歳。妻は久里子、四十九歳。久里子に先立たれた春生と、春生に先立たれた久里子。二人のその後が、久里子と春生の面影とともに交互に語られるって言う構成のお話。それ以上のことは何もない。夫婦ともにプラス五歳の私たち夫婦からしても、用意に共感できる平凡な夫婦の話。

でもね、それだけに、・・・いい言葉が見つからないんだけど、残酷っていうのかなぁ。この二人には、パートナーの死は唐突に訪れるんだけど、私たちはすでに予感している。それは私なのか、妻なのか、どちらかは分からないが、いずれ一人になる。予感があるから、以前よりも頻繁に存在を確認しあう。同じ時間を過ごそうとする。

覚悟はあるが、私は弱い。妻は強いが、私はとことん弱い。・・・どうしよう。

こう、正直な感想を書いてしまっては身もふたもないのは分かってるんだけど・・・。作者さん、ゴメンね。おそらく作者さんの意図とは、私は異なる感情を抱いているんだと思う。こんな気持になるなら、・・・読まなきゃ良かった。


にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
関連記事

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください


現代とはなぜこんなにも棲みにくいのか。
前近代から近現代へと変貌し続ける世相の本質をつかみ生き方の支柱を示す。
カウンター
カテゴリ
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
最新記事