めんどくせぇことばかり テヘラン脱出(覚書)『日本、遥かなり エルトゥールル号の「奇跡」と邦人救出の「迷走」』 門田隆将

テヘラン脱出(覚書)『日本、遥かなり エルトゥールル号の「奇跡」と邦人救出の「迷走」』 門田隆将

この間、映画の《海難1890》のことを書いたけど、実はずいぶん前なんだけど、トルコに関しては、こんな記事も書いてた。二〇一二年三月のものだな。とりあえず、読んでみてください。
1980年から88年にかけて、イランイラク戦争が戦われた。あまりにも長い戦争となり、日本では「イライラ戦争」と呼ばれた。

事の起こりは1979年のイラン革命。イラクのフセイン大統領は、革命の波及を恐れていた。『両国の国境を、シャトル・アラブ川の中心とする』と定めたアルジェ協定(1975)の決定をイランが長年侵し続けたとして、イラクが攻撃を仕掛けるかたちで戦いは始まった。フセインにしてみれば、革命で国力の衰えたイランを一気に叩いて、国境問題を有利に解決し、ペルシャ湾における覇権を握る絶好機と言うところだろう。

結末は両国にとって悲惨なものとなった。両国の犠牲者は100万を超えると言われ、特に国家を支える青壮年層が多く失われた。後に長く続く困難な歴史の種がまかれた。イラクは戦費調達のため、隣国クェートから多額の借金をした。それが後のクェート侵攻につながる。

1985年3月17日、イライラ戦争の真っ最中である。空の戦いを制したのはイラクだった。それを背景に、イラクのサダム・フセインが「今から40時間後、イラン上空を航行するすべての航空機はイラク空軍の攻撃対象となる」ということを世界に向かって発信した。各国の航空会社はギリギリの運行便で自国民を乗せ飛び立っていく。やっとの思いで航空券を手に入れた日本人もいたが、自国民を優先して搭乗させる航空会社の取り扱いに航空券はただの紙切れと化した。政府はおよそ250名の邦人救出のために日本航空にチャーター機が要請されたが、日本航空は、18日夜までに「帰る便の安全が保障されない」として、乗り入れは断念する方針を固めた。労働組合の強い反対があったということだ。その後のJALの末路は、すでにこの時約束されていたのだろう。あと数時間でイラクの無差別攻撃が始まる。日本航空は飛んでこないとの一報にイランにいる日本人は絶望の淵に沈んでいた。

その時、信じられない情報が飛び込んできた。「トルコ航空が飛んでくる」

日本人215名が、このトルコ機でイランを脱出した。ほかにも、エールフランス、ルフトハンザ、オーストリア航空などで出国した日本人もあったらしい。この時にトルコ大使が「エルトゥールル号事件のお礼です」と語ったとされるが、事実関係も含め、発言の真意は確認できない。しかし、トルコが途方に暮れた日本人のために特別機を飛ばしてくれたことは確かなことだし、トルコが日本との友好親善の精神を発揮してくれたことも確かだ。その言葉があったかどうかはともかく、エルトゥールル号以来の友好親善の精神がそこに働いていないと考える方が不自然だ。
『日本、遥かなり エルトゥールル号の「奇跡」と邦人救出の「迷走」』 門田隆将

PHP研究所  ¥1,863
「自国民の命を救う」・・・それって拉致問題そのものでもあるよね
りょ


この本で、あの時のテヘランにおける日本人の苦境を、ようやく理解できたような気がする。精神的にも、肉体的にも、かなりのところまで追い込まれていたんだね。

『ウェルカム・トゥ・ターキー』
《トルコが日本人のために旅客機で来てくれる》ってことが、ここまで大きなことだと言う認識が、私にはこれまでなかったな。その緊張感がよくわかる部分が旅客機が離陸するところね。日本人たちが「走って乗ってくる」ところが、トルコ人機長のスヨルジュさんには見えたそうだ。いつイラクの戦闘機が飛んでくるかわからない状況だからね。

それだけの緊張感の中にいた日本人乗客がビックリするほど、飛行機は早く飛び立ったんだそうだ。みんな乗り込んで扉を閉めて、スチュワーデスが席につくかつかないかで飛び立ったって。

日本人も危機感を感じていたけど、当然、トルコ人の機長さんは同じか、あるいはそれ以上の危機感を持っていたはず。早く、少しでも早く国境まで・・・❢

しかも、トルコはこの救援の旅客機に、護衛の戦闘機をつけていたって話は初めて聞いた。わざわざ領空侵犯までしてね。実際に窓の外を飛ぶ戦闘機を、日本人の乗客が見てる。そのときはトルコ機と識別できたわけじゃないから、「もしもイラク機だったら・・・」って緊張感もあったろうけど・・・。それこそトルコは、場合によってはイラク機が絡んでくる最悪の事態も想定して・・・。想定したうえで、トルコは日本人の救出を引き受けてくれたってことなんだよね。だからこれはすごい。

そのとき、クルーの一員となったスチュワーデスさんは、なんと妊娠していたんだと。「日本人を助けるためにテヘランに言ってくれるか」と上司に聞かれて、彼女は妊娠していることも打ち明けずに引き受けたそうだ。もしも、妊娠することを告げれば、このミッションからはずされてしまうから・・・。「大昔の恩を返したかった」って、「日本人を助けるチャンス」って、そう思ったんだってさ。・・・まいったね。

離陸後も緊張した時間がつづいたんだそうだ。シーンとした静かな中を、旅客機は戦闘機に守られながら、ずーっと飛んでいた。しばらくそんな時間が続いて、そして突然、『ウェルカム・トゥ・ターキー』という機長のアナウンスが入って、人々は国境の越えたことを悟ったんだって。当然、機内は大歓声に包まれたそうです。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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