めんどくせぇことばかり 中央アジア躍動(覚書)『石油・武器・麻薬 中東紛争の正体』 宮田律
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中央アジア躍動(覚書)『石油・武器・麻薬 中東紛争の正体』 宮田律

中央アジアと言われても、私はアフガニスタン戦争と、その後のパキスタンを巻き込んだ混乱くらいしか思い浮かばなかった。

この本を読んでびっくりした。中央アジアがここまで躍動しているとはね。本当にびっくり。そしてその中心にいて、まさしく台風の目となって巨大な積乱雲の渦を引きつけているのは支那、北京政府だった。

北京政府は今、中央アジアを経由してヨーロッパに至る鉄道、道路、エネルギー・パイプラインを整備する「新シルクロード構想」を掲げ、世界に強い影響力を及ぼそうとする覇権構想を思い描いている。無謀な構想と切って捨ててしまうのは容易いが、北京政府が動き始めている。事実、四兆八〇〇〇億円のシルクロード資金を設立し、アジアインフラ投資銀行も動き出している状況にある。そんな現状で、これを放置することは極めて危険。無謀なら無謀で、それが破たんした場合の対策くらいは考えておかなければならない。

二〇一四年一二月、カザフスタンとガス輸入に関する一兆六八〇〇万円の契約を結ぶ。ガスはトルクメニスタンからも輸入している。ロシアが、その経済的後退で、トルクメニスタンからのガス輸入量を減らしており、その穴埋めをしてくれる北京政府はトルクメニスタンにとってありがたいお客だったという。

二〇一四年の時点で北京政府はカザフスタンと三兆六〇〇〇億円の経済契約を結んでいる。同時点で、ウズベキスタンには一兆八〇〇〇億円、トルクメニスタンには九六〇〇億円の借款を行っている。中国はウズベキスタンを除く中央アジア諸国の最大の貿易パートナーとなっている。

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中東における「石油争奪戦」 軍産複合体の暗躍 麻薬ネットワークの闇経済


パキスタン
アフガニスタンからの人口流入で人口激増中。インダス川流域に国民の八〇%が居住し、一日二ドル以下で暮らす貧民層は国民の半数以上。主要産業は農業と繊維業。中国にとってのパキスタンは、経済パートナーとしての存在よりも、新疆ウイグル自治区からインド洋に面した港湾都市カラチに抜ける地理的重要性が大きい。
 経済中心に外交を考える北京政府は、人権問題の改善を外交に絡めて要求してくる米国よりも、パキスタンにとっては遥かに都合がいい。

アフガニスタン
アメリカは二〇〇一年から始まったタリバンとの戦争で、一二〇兆円の軍事費を費やし、二一五〇人の兵士を失った。アメリカ以外にもNATO加盟諸国がアフガニスタンの治安維持に取り組む中、そこに一兵も出していない北京政府が、もっとも大きな経済的利益を獲。

カザフスタン
 二〇一四年B.P統計によれば、石油埋蔵量は三〇〇億バレル。天然ガス埋蔵量一.五兆立方メートル。レアメタルを含め非鉄金属も多種豊富に抱え、クロム埋蔵量世界一、ウラン埋蔵量世界二位、亜鉛世界六位。現職ナザルバエフ大統領は大統領三選禁止の憲法を越えた終身大統領。政治的安定は大統領の権威主義的手法で保たれてきた。
 税制上の優遇措置で諸外国に投資を呼び掛け、欧米諸国との経済関係促進も進む。時に、カザフスタンへの政治的野心をちらつかせるロシアと違い、北京政府はカザフスタンにとっても経済関係を充実させていきたい相手となっている。

本書は、この地域の抱える三つのリスクを上げている。ISの浸透、石油化価格の低迷、麻薬ネットワークの闇経済の三つ。支那経済の不安定性には触れていない。日々、危険の度合いを高めているように思うんだけどな。まっ、それは言いや。ここに上げられてるのも、いずれも大問題だけど、麻薬ネットワークにかかわる《うわさ話》には背筋にゾクッっと震えが走った。

かつてのタリバン政権は、けし畑の根絶に熱心だったんだそうだ。二〇〇一年、タリバン政権時代のアヘン製造は一八五トン。それが二〇〇二年、アメリカが作ったカルザイ政権下には三四〇〇トンに増加してるんだそうだ。米軍駐留下で、アヘンの流通は一層はびこるようになったんだそうだ。

そういえば、アフガニスタンの農業指導で殺された日本の方がいましたよね。・・・伊藤和也さん、二〇〇八年か。ケシの栽培に手を出さなくてもいいように農業指導してたんだろうね。

《うわさ話》ではね。CIAが麻薬ネットワークに関係しているってこと。CIAはいろいろあるからね。著者も「証拠はない」って書いてるけどね。・・・この本の中に証拠を書いちゃったら、殺されちゃうもんね。

でも、米軍が駐留して、無人偵察機番番飛ばしてる中で、ケシの栽培がどんどん伸びていくなんてね。アフガニスタンでの戦費を賄うためにCIAがネットワークを運営し、米軍に麻薬から入る収入は年間五〇〇億ドルだって。・・・もちろん、《うわさ話》だよ。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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