めんどくせぇことばかり 『古文を楽しく読むために』 福田孝

『古文を楽しく読むために』 福田孝

《むかし をとこ ありけり》の《をとこ》は、『伊勢物語』が書かれた頃は、《wotoko》と発音してたんだって。

《ふくからに秋の草木のしをるれば むべ山風をあらしといふらむ》の《ふくからに》の“ふ”と《いふらむ》の“ふ”は同じ発音がされていたはずだって。

なぜ今、「ふく」の“ふ”は「フク」で、「いふ」の“ふ”は「イウ」と読むかといえば、「平安時代の発音を完全に再現することはできない」って言うことが大本にあるんだってさ。「仕方がないから、現在の日本語の発音で読みましょう」ってことなんだって。だったらねぇ。最初からそう言ってくれればいいのに。そうすれば、もうちょっと、気軽に古文に接することができたかも知んないのに。

どうせ、その時代と同じように発音できないんだったら、ちょっとくらい人と読み方が違ったって、別にどうでもいいことじゃない。・・・もう、早く言ってよ。

それにしても、いいこと聞いちゃったな。じつはこの本にも、《①語頭以外の「はひふへほ」は、「わいうえお」と読む。②わ行の「ゐゑを」は「いえお」と読む。④助動詞「む」や助詞「なむ」などの「む」は「ん」と読む》とかって書いてある。だいたい分かるけど、間違ったって、もう気にしないも~ん。どうせ昔の発音は、再現できないんだも~ん。
ひつじ書房  ¥ 1,728
本書を通して少しでも古文を身近に感じ取れるようになって欲しい
第一章  ふみよみは「こゑ」にだそう -歴史的仮名づかいと音読の仕方
第二章  ワブンは「やまとことば」でできている -古文の文章は和語で書かれるのが基本
第三章  とにかくながーい -当時の話し言葉が基本ゆえに、一文が長いことが多い
第四章  ひとにものをたずねる、ものをめいずる -平叙文、疑問文、命令文、打消分、係り結び
第五章  うしろにどのようにつながるか -活用ってなに?
第六章  ぶらさがるにもきまりがある -助動詞の承接について
第七章  まずはだれが話しているのかからはじまる -敬語を理解しよう
第八章  名詞にかかっていくかたちが名詞となること -準体用法が大事
第九章  みそひともじはことえりのもと -平安時代の和歌の読み方と、和歌の散文への影響について
第十章  みそひともじはおもいをつたえることにも -和歌の技法と贈答について
第十一章  ふみよみはふみのなかで -文章読解の基本は文脈
第十二章  しゃれたものいい -言葉の使いこなしが平安和文の基本
うううっ、ひどーい❢ 声に出して読めればいいって言ったじゃん。なんだい、結局、ずいぶんと文法の勉強を読まされた。“読まされた”けど、そういう意識のせいか、いやいや進んで読んだところで、文法がすんなり頭に入るんだったら、端っからこの本に手が伸びたりしない。

それだからと言って、やはりこの本を読む前と後では違う。まず、古文は外国語じゃない。これまで、挑んでは跳ね返され、挑んでは跳ね返されしているうちに、そのたびに、それなりに、なにかが身に付いた。とりあえず、ゆっくりながら、我流ながら読める。まずは、それでいい。もしそれで意味がとれて、楽しめるなら、自分に“諾”を出していい。そういう気分にしてもらえた。

それに、「みそひともじ」が何のことか、分かった。なんだろう、ときどき聞く「みそひともじ」ってものは?そう思ってたんだけど、《三十一文字》と書いて「みそひともじ」って読むんだって。和歌のことなんだって。五七五七七なんだって。

この「みそひともじ」が平仮名を生みだすもとになり、平仮名で文章をつづる基盤となったんだって。九〇〇年前後に作られた『竹取物語』や『伊勢物語』の時期には、みんな試行錯誤で仮名で文章をつづったんだってさ。『源氏物語』や『枕草子』は、そういった、みんなが苦労して一生懸命仮名をつづった努力の果てに成立したんだな。
それにしても、たった「みそひともじ」にこれだけの意味と思いを詰め込む技術、細やかな感性、感覚がすごい。昨年、英語教育の行きすぎに異議を唱える本を読んだ。その主張するところはいろいろとあったが、少なくとも、英語じゃあ、この技術や感性、感覚は育つことはないだろうな。

さてさて、とりあえず、声に出して読もう。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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