めんどくせぇことばかり 『ブロッケンの悪魔 南アルプス山岳救助隊k-9』 樋口明雄

『ブロッケンの悪魔 南アルプス山岳救助隊k-9』 樋口明雄

“K-9”っていうのは、何だと思います?山の名称なのかなって思ったんだけど、全然違いました。“K-9”っていうのは、警察犬のことなんだそうです。なんでも、犬を意味する「canine」を、その音から“K-9”と表したものとか。

南アルプスの山岳救助隊を絡めた話なんだけど、犬といえば山岳救助犬と考えたんだけど、まあ、それが警察犬というと、少しニュアンスが変わってくる。んんん、このストーリーだと余計に“警察犬”がクローズアップされている。

そんなことはともかく、ブロッケン現象っていうのは、実はなんどかある。私はそれを“悪魔”とは思わなかったし、“神”も感じなかった。感じるべき“なにか”なら、山の中にいくらでも感じた。それは、西行の〈・・・かたじけなさに涙こぼるる〉同様のもので、けっして特別なものではなく、それこそ包み込まれる感覚のものだった。それに比べるとブロッケンは、私は最初から“現象”として受け入れた。

理不尽な息子の死から半年後、かつて息子と訪れた北岳を、父親は目指した。そこで見たブロッケン現象に、父親は怒りに身を任せることを決断する。

涙がこぼれるような〈かたじけなさ〉のなか、何かに包み込まれる感覚とともに山を歩くことに比べれば、どうもブロッケン現象は今ひとつ軽々しい。

この本は山岳サスペンス。そんな分類があるかどうか知らないけど、読むにつれ、ハラハラ・ドキドキは、・・・した。次は次は・・・、ってページをめくった。面白くは、あった。それは間違いない。

ただ、ちょっとパターン化されていて、型どおりな感じはした。
角川春樹事務所  ¥ 1,944

全篇クライマックス 人質は1300万の東京都民

何よりいちばん危機意識がないのは、総理。あなたです。これだけ海外で日本人を巻き込むようなテロが横行し、しかも巧妙化しているときに、あなたはアメリカとの連携を欲し、国会で安保法案を強行採決させてしまった。それまで蚊帳の外だった日本という国は、いまやテロ組織や支援国家のいい標的です。しかもそれだけではなく、あなたは全国にある原発の再稼働を目論んでいる。これではみすみす敵に対して、どうぞ撃ってくださいとばかりに、火薬庫の扉をひらいてみせているようなものだ。
本書p135

・・・こんな流れも、ありふれている。陳腐とは言わないが、・・・工夫が足りないのは否めない。

面白くこの本を読んだ人がいたら、ごめんなさい。文句ばっかり書いてますね。文句ばっかり書いている割には、私がハラハラ・ドキドキしながら読んだことはウソじゃありませんよ。面白かったです。それが正直なところ。

でも、北岳を中心とするあの山域でを材料にしたなら、もっと面白くして欲しかった。もっと突き詰めてもらいたかった。『氷壁』に匹敵するようなものを目指して欲しかった。・・・サスペンスのハラハラ・ドキドキに走ってほしくなかった。

話は変わりますが、仲間内のバカ話なら、山でこその完全犯罪をネタにしたこともある。もしも人を殺すなら、山で殺るに如くはない。《「おっと・・・」でドン❢》でおしまい。

・・・でもね、山が好きな人間なら、やっぱりやらない。よんどころなく、最後の死体隠しに使うぐらいはあるかもしれないけどね。・・・おっとっと。そんなことしたら、大好きな山に行きたくなくなっちゃうもんね。なにより、・・・自分の好きなあの山を、そんな人垢まみれにはしたくない。・・・なんかそう考えちゃうんだよね。

それに、わざわざ犯罪行為を持ち出すまでもなく、山には面白い話がいくらでもある。ただの昔、年がら年中山に登ってた親父に過ぎない私でも、そういう経験が結構ある。文才がないから書かないけどね。

なにかと、回りくどすぎますね。要は、この本は面白い山岳小説ではないということだな。面白いサスペンス小説であるということ。それを読んだ私は、《南アルプス》という言葉に惹かれて、本当は山岳小説を期待していた者であったということ。期待を裏切られたにしては面白く読んでしまって、そのギャップに、少々混乱したということ。それだけのこと。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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