『科学者が読み解く日本建国史』 中田力
基本的に過去記事です。ちょっと手を加えました。
すごいね。こんな側面から歴史が解き明かされていくなんてね。Y染色体やミトコンドリアDNAのタイプを解析することで、人類の移動の軌跡が辿れるなんてね。《遺伝子人類学》という分野らしい。
![]() | 『科学者が読み解く日本建国史』 中田力 (2014/08/18) 中田 力 商品詳細を見る ー古事記・日本書紀の真意に迫るー |
遺伝子人類学 最先端医学 遺伝子の揺らぎ 複雑系科学 | 文明の担い手 『史記』 新石器時代の文化 父系社会への移行 | 中国古代王朝 夏王朝 商王朝 殷周革命 | 弥生の民 縄文と弥生 線形思考の弊害 弥生前夜考 |
出雲と邪馬台国 遼河文明 出雲神道 姫姓王家 | 聖文神武 神武東征 八神殿 中臣神道 | 鯉と龍 女神の民 徳治の国 登龍門 龍と鯉 |
この本は、その《遺伝子人類学》という方法で司馬遷の『史記』や、『日本書紀』、『古事記』を読み解いていこうとするもの。ユーラシア大陸の東側で展開された古代文明や王朝の興亡がこんなにも見事に・・・。
五帝本記に書かれた世界は夏・商・周と続く支那の古代王朝が黄河中流域をめぐっての興亡の様子であったとしている。長江下流域から移動した夏族に土地を提供したのが山東龍山文化を率いた舜。これが舜から禹への禅定の記載になると・・・。いったんは夏族に従属した商族だけど、もともと文化的には高かった。それが軍事的体制を整えて夏族に反旗を翻す。商族は黄河中・下流域を治め、夏族の遺民はこうが上流域に逃れた。それが姫姓の王家を掲げる周族の起源となる。・・・ワクワク。たまらねぇなあ。
んでね。日本なんだけどね。長江下流域にあとから入ってきて呉。呉越同舟の呉ね。山東地方に展開していた種族だろうと言うんだけど・・・。ええい❢しゃべりたいけど・・・、今日はこんなところで勘弁してやろう。
『科学者が読み解く日本建国史』って題名だけど、変な言い方だけど、“ただの科学者”にこんな本は書けない。
こういう話にも、ワクワク。
ワクワクしてたんだけど、結局、私はこの本を消化しきれずに終わっちゃったんだ。この本のせいというより、おそらく私の力不足。自分の言葉でまとめることができずに、覚書を生のままで書き出して終わってる。いまだに印象に残ってる、けっこう印象の濃い本だったんだけどね。ここでも、覚書を、そのまま紹介しときますね。んでね。日本なんだけどね。長江下流域にあとから入ってきて呉。呉越同舟の呉ね。山東地方に展開していた種族だろうと言うんだけど・・・。ええい❢しゃべりたいけど・・・、今日はこんなところで勘弁してやろう。
『科学者が読み解く日本建国史』って題名だけど、変な言い方だけど、“ただの科学者”にこんな本は書けない。
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商王朝を建てた湯王は姓を子、名を天乙(太乙)という。天乙=太乙=太一=北極星 山東龍山文化を築いた02bの人たち 夏王朝の遺族は姫姓。周族の姫昌(文王)、姫発(武王)親子が商を倒す。 周(O1:O3)・・・文王、武王に仕えた軍師が太公望呂尚。呂尚は姜姓で、羌族の首長。 弥生時代は、呉の滅亡により、水田稲作技術とともに長江下流域から渡来した人々によってもたらされた。 呉は姫姓で、周の太伯が建てた。太伯は周王の長子ながら、三男季歴の子、昌の才覚を尊び次男の虞仲を連れて周を出奔し、呉を建てた。王族はO1、民はO2b1の国家。 前四七三年滅亡。姫姓の王とO2b1の民は海に逃れ、博多の奴国を建てる。 越(O1:O2a)・・・呉を滅亡させた勾践の父允常が、夏王朝の始祖、禹の二〇代目の末裔と自称 勾践の六世の孫、無疆の代に楚に滅ぼされる(前三三四) 呉の故地にとどまって越に支配されたO2b1の人々は、やはり海を越えて出雲・高志の国に至る。 |
こんな紹介の仕方じゃ本当に申し訳ないんだけど、読み終わった今も、まだ消化しきれずにいるだな。メモしてたこのあたりまではワクワクしながら読んだんだけど、ここからがダメ。日本について言及するあたりから、どうにもついていけない。どうも、精密な歴史の検証にまで、遺伝子人類学という方法に期待するのは無理がありそう。
それでも前半部分が面白かったのは、支那大陸が遺伝子人類学という方法を活かすに十分な領域を持っていたからじゃないかな。その領域は日本にはないから・・・。
・・・そういうことなんじゃないかなって思ってるんだけどな。「科学的方法で・・・」という著者が、かえって魑魅魍魎の世界に足を踏み入れていってしまったんじゃないかな。そこに踏み込まなければ、とても面白いと思うんだけどな。


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