めんどくせぇことばかり トルコと難民(覚書)『膨張するドイツの衝撃』 西尾幹二 川口マーン恵美

トルコと難民(覚書)『膨張するドイツの衝撃』 西尾幹二 川口マーン恵美

けっこう衝撃的だな。・・・川口マーン惠美さんの言ってることなんだけど、《そのトルコが今、「EUは魅力がないから、もう入りたくない」と言い出した》ってこと。

世界は動いているんだし、特に今は流れが早くなっている時期だから、ほんの数年前の常識が百八十度方向転換していたとしても不思議はない。でも人の頭ってのは、・・・とくに私の頭は、一旦入れた情報を、もったいながって後生大事に仕舞いこんじゃうんだよね。困ったもんだ。

今、勢いのあるのはトルコの方だ。EUじゃない。「トルコはヨーロッパじゃない」と言って拒絶していたEUに、明るい将来は感じられない。次に紹介してあるのは二〇一一年の《東洋経済ONLINE》の記事なんだけど、短い間にずいぶんとニュアンスが変わっているのがわかる。
東洋経済ONLINE 2011/8/12
トルコのEU加盟が欧州にもたらす利益--イアン・ブルマ 米バード大学教授
http://toyokeizai.net/articles/-/7480?page=3
(抜粋)
国際機関で働いているトルコ人の知人は、「私たちは欧州のサッカー協会に属し、欧州とビジネスをし、人権問題を改善し、政策の民主化も進めてきた。彼らが要求することはすべてやってきた。それでもなお彼らは私たちを受け入れたくないようだ」と語っていた。そばで話を聞いていたトルコ人女性は「私は欧州が嫌いだ。私は欧州人ではない」と言っていた。女性は、それでもトルコのEU加盟を望んでいた。彼女の欧州に対する敵意は、人が失恋した相手に抱く敵意なのである。
《追加》の中に全文

EUにとって、もはや貧しいトルコ人の大量流入を危惧する状況にはない。逆に、イスラムで最も民主化、世俗化したトルコを介さずにイスラムに関与しようとすれば、・・・

『膨張するドイツの衝撃』   西尾幹二 川口マーン恵美
ビジネス社  ¥ 1,512

えっ?日本は「ドイツ帝国」と中国で対決するって・・・
                       戦後を克服したドイツ 戦後に呪縛される日本
第一章  ドイツ人はなぜ「日本嫌い」なのか
第二章  戦後は日米が隣国であって日中は隣国ではない
第三章  地球上に広がる「文明の衝突」
第四章  戦争が異なれば戦後も違う
第五章  難民・移民問題で苦悩するヨーロッパ
第六章  東へ拡大する「ドイツ帝国」の狙い
第七章  原発再稼働か脱原発か


実際に、ヨーロッパはイスラムで最も民主化、世俗化の進んだトルコを介さずにイスラムに関与し、ヨーロッパ的価値観を押し付けてそこから利益を吸い上げようとした。リビアである。私はあの時、ヨーロッパのやり方に心底恐怖した。あいつら、ここまでやる。
2011/10/21の記事
カダフィ大佐が死んだ。40年独裁者として君臨したカダフィ大佐が、名もないリビア人たちに引きずり回されて殺された。 負けるはずがなかったカダフィ大佐が負けた。カダフィ大佐は、自国民の反乱に敗れるはずがなかった。カダフィ大佐は、今回も自国民の反乱に敗れてはいない。フランスだ。
かつて、インドシナを支配したフランス。 エマニエル夫人はインドシナ人の男を性的慰み者にしていた。 インドシナに君臨したフランス。日本の敗北後も、アジアへの君臨にこだわったフランス。白人の支配する社会。いったい世界の何が変わったというのか。フランスの国賓
 
P2011102004382_qadhafi-ns300[1]カダフィ大佐の登場には歴史的な意味があった。変質を彼自身の責任だというなら、現代は卑怯にすぎないか。汪兆銘政権を、日本は切らなかった。馬鹿だったとは思うが、それでいいとも思う。NATOは、ヨーロッパは、いや、白人は恐ろしい。少なくとも日本人には、こんなことはできない。絶対できない。
ヨーロッパは、その意志によってリビアをぶっ潰した。それまでのリビアは確かに民主主義国家とは言いがたい。しかし、川口さんの言うとおり、アフリカ最大の石油埋蔵量を誇る温で安定した国家だった。チュニジアからのちょっとした飛び火に、これ幸いとNATOを介入させカダフィを血祭りにあげて安定にとどめをさした。


かつての安定したリビアは消滅し、殺人事件の発生率はカダフィ時代の五万倍、・・・五万倍?・・・なんだそれ。・・・ということです。民主主義バンザイですね。・・・今、リビアは、ヨーロッパに向けての密航の基地になっているそうです。



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トルコのEU加盟が欧州にもたらす利益  イアン・ブルマ 米バード大学教授

欧州市民の大半(たとえば独仏では60%以上の国民)が、「トルコはEUに加盟すべきではない」と信じている。

その理由はさまざまだ。トルコは大きすぎるとか、トルコの移民労働者は他国の労働者を圧倒するかもしれないとか、トルコは人権問題に真剣に取り組んでいないとか、クルド族を抑圧しているとか、キプロスをめぐるギリシャとの問題が解決されていないなどである。

中でも最大の理由は、「国民の大半がイスラム教徒で、イスラム政党に支配されているトルコは、欧州から遠い存在に見られている」ということだ。EU憲法の起草者の一人ジスカール・デスタン元フランス大統領は「トルコは欧州ではない」と述べている。

世俗的で欧州化したトルコのエリートは、トルコが正真正銘の欧州の国であることを証明するために何十年もの時間を費やしてきた。国際機関で働いているトルコ人の知人は、「私たちは欧州のサッカー協会に属し、欧州とビジネスをし、人権問題を改善し、政策の民主化も進めてきた。彼らが要求することはすべてやってきた。それでもなお彼らは私たちを受け入れたくないようだ」と語っていた。

そばで話を聞いていたトルコ人女性は「私は欧州が嫌いだ。私は欧州人ではない」と言っていた。彼女は、ロンドンに長年住み、人権運動のNGOで働いていたこともあり、1980年代にトルコの軍事体制に反対して投獄された人物である。

欧州ではますます多くの人々が、EUに幻滅を抱くようになっている。現在のEUは“民主主義の理想型”には程遠く、高圧的な姿勢で一般の市民を無視した法律や政令を発する、傲慢で現実離れした官僚の影響力が強まっている。

欧州人ですらEUを信じていないのに、どうしてトルコはEU加盟を願うのだろうか。欧州が嫌いだと言っていたくだんの女性は、それでもトルコのEU加盟を望んでいた。彼女の欧州に対する敵意は、人が失恋した相手に抱く敵意なのである。

欧州とイスラムの橋渡し役として

1923年にケマル・アタチュルクが共和国を建国して以来、一貫してトルコを統治してきたのは、非宗教的で親欧州派のエリートたちだ。

今、彼らは二つの問題に直面している。一つはEUへの加盟問題である。もう一つは、彼らの特権的な地位が、地方に支持基盤を持ち、より宗教的で、あまりリベラルではない新エリート集団によって脅かされていることだ。新エリートは極めて高い人気を誇る、レジェップ・タイイップ・エルドアン首相が率いている集団なのである。

親欧州派のエリートにとって、EU加盟はエルドアン首相に代表されるイスラムポピュリズムの潮流に対抗する生命線となる。

ただし、EU加盟によって恩恵を得るグループは、古い特権的エリートだけではない。少数民族もEU加盟で恩恵を得る。スペインのカタロニア人や英国のスコットランド人のような少数民族と同じように、トルコのクルド族もEU加盟を支持している。なぜならEU加盟は、自国の多数派からの避難所を提供してくれるからだ。

欧州の人々の間には、人口約7800万を有するトルコのEU加盟をおそれる声は強い。ただ、その危惧は誇張されすぎている。トルコの経済は活況を呈しており、貧しいトルコ人が他国へ移住しようとする理由は乏しくなってきている。

西欧を志向するトルコ人にとって、EUの加盟国になることで得られる誇りは、加盟を拒否されることによる痛みほど重要ではない。同じことが欧州人にもいえる。イスラム世界で最も西欧化され、最も近代的で、最も民主的な共和国が反欧州の感情を抱くことは、西欧だけでなく世界にとっても好ましくはない。

トルコはほかのイスラム国家をよりリベラルで民主的な方向に導くよい立場にある。EUに加わる見通しが現実となれば、トルコは欧州とイスラム諸国の間の緊張を和らげる役目を担えるはずだ。一方トルコ抜きでEUが中東に関与すれば、西欧帝国主義と見られかねない。

トルコがEUに加盟すれば、欧州はキリスト教世界であるという古くさいイメージを払拭することもできる。確かにキリスト教は欧州文明を作ってきたが、すべての欧州人がキリスト教徒であるわけではない。

人口の大半がイスラム教徒である民主国家トルコがEUに加盟すれば、欧州各国にいるイスラム教徒を欧州人として受け入れることが容易になるはずだ。共通の利益、共通の制度がEUの枠組みを作っていると信じている人は、トルコを受け入れることで勢いを得るだろう。だが、文化や宗教に基づいた欧州のアイデンティティを求める人は、加盟に反対するだろう。

経済危機とナショナリズムの台頭、内向きのポピュリズムが勢いを得ている今日、イスラム諸国がEUに加盟するチャンスは小さい。

だが、多数派がつねに正しいわけではないし、時代はつねに変化する。そのとき、私たちは「時代がもっと早く変わればよかったのに」と後悔することになるかもしれない。

Ian Buruma
1951年オランダ生まれ。70~75年にライデン大学で中国文学を、75~77年に日本大学芸術学部で日本映画を学ぶ。2003年より米バード大学教授。著書は『反西洋思想』(新潮新書)、『近代日本の誕生』(クロノス選書)など多数。

(週刊東洋経済2011年7月30日号)


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