めんどくせぇことばかり 『老人の壁』 養老孟司 南伸坊

『老人の壁』 養老孟司 南伸坊

面白いね。医者が末期癌などの患者に告げる余命が、以前よりも短くなってるんだそうだ。ちょっと前まで、持って1年だったものが10ヶ月だったり、半年だったりになってるらしい。自分の宣告よりも早く死んだら、その早かった分だけ医者の責任みたいにとらえられちゃったりしてね。だから半年だったものは3ヶ月。放射線の医師が養老先生に言ったって。「今に、明日って言うようになります」って。

そうなるともう、「お前はもう死んでいる」の世界ですね。それどころじゃなく、念には念を入れて、疑いがあるだけで“癌”と宣告されるとか。もう、そのストレスで死んだりしたら、殺人ですね。

癌じゃなかったけど、精密検査を受けろって言われただけでも、けっこう嫌なもんだもんね。それが私、ほぼ毎年なんだ。胃にしろ、肺にしろ、癌と疑われてもしかたがないような形をしてるんだそうだ。精密検査の結果を聞いたとき、「また来年も引っかかりますか」って聞いたら、「これを見た医者がいい加減な人じゃなければ、濃厚な疑いを持つだろう」だってさ。


『老人の壁』    養老孟司 南伸坊
毎日新聞出版  ¥ 1,296

しょうがねぇな。とにかくゴキゲンな年寄りになるしかねぇか
第一章  人はいつから老人か
第二章  忘却の壁
第三章  自然と老人
第四章  長生きだけが人生か
第五章  明るい老人

目次の〈第一章~第五章〉が、〈第一第~第五第〉になってるんだ。ただの校正の上のミスだよね。でも、なんかそれを養老山と結びつけてしまって、なにか意味があるのかと考えてしまった。

昔、私が子供の頃のことだけど、家がボヤを出したことがあった。雪の重さで煙突が屋根裏で折れ、煙が部屋に充満した。その日、瀬戸のうちの大婆ちゃんのお通夜だった。母が雪の中を裸足で瀬戸のうちまで走り、通夜に集まっていた男衆を読んできた。大婆ちゃんのおかげで家を失わずに済んだ。大婆ちゃんは90歳手前だったって記憶している。周辺では、望むべくもない長生きと言い合っていた。

瀬戸の内に何度か上がり込んでみた大婆ちゃんは、ほとんど人間離れした様相で、けっして長い気が羨ましいこととは思わなかった。通常、男衆は60定年で仕事を引退して、しばらくしたら死ぬもんだと思っていた。ずっとそう思っていて、70歳を越えることがあれば、一日一日が儲けもんみたいな感覚があった。母が65歳、父が75歳で死んだから、平均すると、けっこう苦労したわりには“儲けもん”なく死んだ。

本書の中の対談にもあったけど、父は死ぬ間際に人工呼吸器をつけられた。医者とはいろいろと相談してたんだけど、その中に万が一の場合でも人工呼吸器はつけないという話し合いができていた。ところが、まったく想定外の成り行きで〈万が一〉が訪れてしまったことで医者が動揺した。呼ばれた時には、父は人工呼吸器で生かされていた。

申し訳なく思ったのか、医者の方から人工呼吸器を外すかどうかの話が持ちかけられた。担当医は長兄の高校の同級生で、そのへんの気軽さもあってのことだと思う。次兄を含め、三人兄弟で話し合った。この場合、長兄が決断を下すわけには、もちろん行かない。次兄の遠慮も仕方がない。末っ子の私が言い出すより他はない。・・・「外してもらいましょう」・・・私の子供たちも、私が同じような状況になれば、外してくれると信じている。

『置かれた場所で咲きなさい』という本がある。読んでない。それじゃだめじゃん。・・・でも、題名だけでいい本だということはわかる。と言うか、“自分探し”とか、“あきらめなければ夢は叶う”とか、とても無理な、不自然な生き方をもてはやす風潮が蔓延する中で、当たり前のことが書かれていそうな気がする。そこで、もう一声して・・・。《置かれた場所で死にましょう》ってところでどうだ。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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