めんどくせぇことばかり 『山の不可思議事件簿』 上村信太郎

『山の不可思議事件簿』 上村信太郎

キリマンジャロは雪をいただく峰にして標高一九七一〇フィート、アフリカ随一の高山と称せらる。西方にあたる頂を、マサイ語にて「ガイェ・ガイ」、すなわち「神の館」と名づく。この西方の頂に近く、一頭の豹の凍結せる死体横たわる。かかる高所に豹の何をもとめて至りしや。解き明かしたる者いまだなし。
『キリマンジャロの雪』冒頭
『キリマンジャロの雪』を読んだのは、おそらく高校生の頃。『老人と海』、『武器よさらば』あたりから入って、イングリッド・バーグマンつながりで『誰がために鐘は鳴る』読んでって感じで読んで・・・。でも、『キリマンジャロの雪』を読んだのは、たしか“山”関係だな。そのせいか、他の作品はけっこう覚えているのに、『キリマンジャロの雪』は、ほとんどジャングル大帝に吸収されてしまっている状態だ。

当然、本書に紹介されているこの冒頭部分も記憶にない。似たような話がジャングル大帝に取り入れられていたような気がするが・・・。この部分は、ヘミングウェイの捜索ではなく、本当のことなんだそうだ。1997年にはケニア山の氷河からも豹の遺骸が発見されたという。

豹は、別に山に登ろうという強い意志があったわけでもないだろう。じゃあ何かな。いつも生活している密林やサバンナにあきたらず、あるいはやっていけない何らかの心の動きがあったのなら、それは人間とまったく同じだね。

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身近に点在する、ともすれば忘れてしまいがちな素朴なロマン

みんな寝静まっているテントの外で、ガサゴソガサゴソ音がする。中を見渡せば、いるべき奴はみんなテントの中にいる。外にいるのは、・・・たぬきだ。しまった。酔っ払って、食料の処理を忘れてテントに入ってしまったようだ。

その後、みんなを蹴飛ばしながら、テント内からたぬきを追い払い、残りの食料を少しでも確保した。被害は最小限に食い止めたものの、朝食用のパンとハムは、完全にやられた。

「実は、よく考えてみると、あれは・・・」ってことが多い。街での生活のままの感覚で山に入れば理解不明なことも、起こりうるさまざまな自然現象に神経を研ぎ澄ましてみれば、けっこう“理解の内”だったりする。

それでもわからないことを、何度か経験した。高校3年の冬。山岳部の友人と夜中に武甲山に登り、ご来光を待つことにした。浦山川からのコースで登った。凍結もあったがアイゼンも使わず、用心深く登った。正月でもないのに御来光を見に来る物好きもいないだろうと思っていたが、・・・それがいた。頂上に到着したのはまだ4時過ぎで、日の出にはだいぶ時間があった。友人とポケットボトルを引っ掛けながら待っていた。

今はおそらくルートが変わってしまったろうが、当時の武甲山山頂では、浦山川から登ってくるルートは最後が直登で、ちょっと顔を出せばだいぶ下の方までみえた。もちろんまだ真っ暗だってけど、ふとした拍子に下を除くと、懐中電灯の明かりがゆらゆら揺れているのが見えた。しばらく見ていると、確実に登ってきている。しかも、光は二つ。

思ってもなかったので、私たちはちょっと慌てた。・・・いっぱい飲みながら、寒さよけに踊っていたからな。光はゆらゆら揺れながら、いよいよ近づいてくる。なにを言っているのかわからないが、二つの光の主が会話を交している声が聴こえるところまで近づいた。女の人だ。アイゼンをつけているらしい登山靴の音まで聞こえる。このままでは待ち伏せているような格好になってしまうので、到着口から十分後ろに下がって待つことにした。

1分、5分、10分、・・・おかしい。光はそこまで来ていた。いくらなんでも遅すぎる。到着口に戻ると、光も声も消えていた。あそこまで来ては、ルートは山頂までの数十メートル、横にそれる道はない。山頂の先客を警戒したのから、私たちもヘッドランプを使っていたので、だいぶ前からその存在はわかっていたはず。登り口にバイクをおいてきたので、その段階で先客には気づいていたはず。でも、下りたとしか考えられない。

・・・しばらくしてから、30代くらいのご夫婦が登ってきた。少し東の空が明るくなり始めることだ。話をしたけど、さっきの光の人とは違うらしい。そして、下山する人とはすれ違っていないという。

その日、下山してから、大学受験のため、井の頭公園に下宿していた兄のところへ向かいました。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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