めんどくせぇことばかり 本音で語る沖縄史 仲村清司
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本音で語る沖縄史 仲村清司

「大阪生まれの沖縄人2世」の書いた、理性的で興味深い内容の本だった。                                                   筆者は前書きでこういう。                                                   「確かに、王朝時代は華やいだ時代もあった。あるいは、薩摩の侵略、琉球処分、沖縄戦といった出来事を見れば、甚大な被害を被った島でもあった。本書はその点をけっして否定するものではない。しかし、沖縄の歴史の実相はそのようなものだけで語れるものではない。王府や支配層は激しい権力闘争や内戦、権謀術数に明け暮れ、さまざまな王統が登場しては滅亡をくり返してきた。その意味で琉球王朝は巷間語られるような平和な島ではなかった。そして外圧が高まれば高まるほど権力者は保身を優先させ、国家存亡にかかわる国難に対しても、ついにひとつにまとまろうとはしなかった。結果、砂上の楼閣のように滅んだ。沖縄は自滅していく要因を内部に抱え込みながら、その歴史を歩み続けたと言える。悲劇をいうなら、真の悲劇性はまさにその点にあったのではあるまいか。」                                                    ・                                                 沖縄について熱心に勉強したわけではない私だが、いくつか読んだ本の中では、このように真摯に沖縄の本質に迫ろうとした言葉に接したことはない。                                                   理想郷幻想や圧倒的被害者意識は、この本とは無関係である。                                                   今でも、「ヤマト」の人間が沖縄の人々の心を推し量るのは、きわめて難しいことであるのは当然である。                                                   歴史が違うのだから。                                                   支那がその存在感を日増しに大きくする状況において、きな臭い発言が東シナ海を脅かしている。                                                   「沖縄は日本だ。」と主張するのは結構だ。                                                   私もそう思っている。                                                   理屈よりも先に、情念として。                                                   しかし、沖縄人がかつて「祖国復帰運動」を戦ったことを根拠に、それを語っていいだろうか。                                                   戦後の米軍統治下から、沖縄は1972年5月15日に日本復帰を果たした。                                                   しかしそれは、米軍の植民地支配から抜け出す唯一の方法であったに過ぎない。                                                   だから、「沖縄は日本だ。」といってしまうことには、傲慢を感じる。                                                   「ヤマト」は、沖縄を助けることはできなかったのだから。                                                   戦艦大和を沈めても、特攻隊の若者に犠牲を強いても。                                                   戦争に負けたのだから。                                                   戦争には、負けてはいけなかった。                                                    ・                                                 そんな、勉強不足の一「ヤマト」の思いとは、この本は完全に無縁である。                                                   筆者はただ、一沖縄人として沖縄の歴史と行く末を憂慮しているに過ぎない。                                                   おそらく筆者は、ちがう視点もあることを百も承知で、沖縄人として沖縄を憂慮している。                                                   おもしろい本だと思った。                                                                             
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ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































































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