『山の本 歳時記』 大森久雄
わけあって、ディズニーランドに行ったわけです。若い連中を引率しなけりゃいけなくてね。いままでも同様のことがあって、何度も何度も逃げまわっていたんだけど、ついに逃げきれなくなりました。つくづく嫌な場所ですね。・・・ごめんなさい。好きな方も多くいらっしゃいますよね。
まずはみんなにチケット渡して、中に入れて、とにかく写真を撮りまくって一回り。これでアリバイ作り完了。なんかあったら携帯に連絡するように言いつけて、私は退場。新木場まで逃げて、ビール飲んで、ラーメン食って、ああいい気分。ディズニーランドに帰ったけど、中には入らず、日陰の涼しいところで、本を読んでました。指呼の間とは言うものの、中と外では大違い。
まもなく、『神社に秘められた日本死の謎』を読み終えて、楽しみにしていた『山の本 歳時記』の番。ちょうど影だったベンチに日が当たってきたので、ちょっと周りを見回して、より良い環境を探す。少し歩いた場所、ミニィちゃんの隣、中の音も気にならない。表紙ををめくる。『花綵列島という言葉がある』という文章で始まる。“花綵列島”という言葉を知らなかった。

いつの間にか時間がたった。集合場所に向かうため、ディズニーランドに再入場、手の甲に押した判子は消えてなかった。実は少し、ドキドキしてた。三々五々、若い連中が集まってくる。何の事はない。こいつら、帰んないんだそうだ。最後まで見てくってさ。最後って、10時って言ってるぞ。・・・もう知ったこっちゃねぇや。
というわけで私は、任された業務終了。帰ります。でも、どうしても、本の先を読みたい。新木場から有楽町線、東上線なわけだけど、乗り換えで邪魔されたくないので、時間はかかるけど北朝霞まで1時間以上座ってられる武蔵野線で時間をかけて帰ることにしました。
《五月の山旅・奥秩父》・・・、読んでいて涙が出た。そんなに混んでるわけでもない車内、気にすることもない。『ゆかしい苔の匂と木の香とに満ちた奥深い森林を、山肌を飾る万年雪の輝きや草原を彩る美しいお花畑が日本アルプスの特色であるように、唯一の秩父の特色であると信ずる』・・・木暮理太郎の言葉だそうだ。
《[六月]山の雨・雨の山》・・・、『帽子のひさしも役に立たなくなるほどに降られ、雨水が襟から流れ込むなんてのは、けっして愉快でないに決まっている』・・・辻まことさんの言葉だそうだが、それはその通り。だけど、それも含めて、それでも「雨が好き」って言っておかないとね。もちろん本心。差し引きすれば、“雨も好き”。
《[十月]ひとりで登る山》、《[十一月]静かなる山》・・・、「ディズニーランド帰りであるだけに」っていう訳じゃあないんだけど、[十月][十一月]は、『どうして山にのぼるんだ』って問いかけてくる。身につまされる。もう20年も山から離れている。足を直して、もう一度登りたい。『どうして登るんだ』・・・どうしてだろう。
・・・やむにやまれず・・・

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
まずはみんなにチケット渡して、中に入れて、とにかく写真を撮りまくって一回り。これでアリバイ作り完了。なんかあったら携帯に連絡するように言いつけて、私は退場。新木場まで逃げて、ビール飲んで、ラーメン食って、ああいい気分。ディズニーランドに帰ったけど、中には入らず、日陰の涼しいところで、本を読んでました。指呼の間とは言うものの、中と外では大違い。
まもなく、『神社に秘められた日本死の謎』を読み終えて、楽しみにしていた『山の本 歳時記』の番。ちょうど影だったベンチに日が当たってきたので、ちょっと周りを見回して、より良い環境を探す。少し歩いた場所、ミニィちゃんの隣、中の音も気にならない。表紙ををめくる。『花綵列島という言葉がある』という文章で始まる。“花綵列島”という言葉を知らなかった。
『山の本 歳時記』 大森久雄 ナカニシヤ出版 ¥ 2,160彩り豊かな山々がひしめく国土 そして四季の味わい |
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いつの間にか時間がたった。集合場所に向かうため、ディズニーランドに再入場、手の甲に押した判子は消えてなかった。実は少し、ドキドキしてた。三々五々、若い連中が集まってくる。何の事はない。こいつら、帰んないんだそうだ。最後まで見てくってさ。最後って、10時って言ってるぞ。・・・もう知ったこっちゃねぇや。
というわけで私は、任された業務終了。帰ります。でも、どうしても、本の先を読みたい。新木場から有楽町線、東上線なわけだけど、乗り換えで邪魔されたくないので、時間はかかるけど北朝霞まで1時間以上座ってられる武蔵野線で時間をかけて帰ることにしました。
《五月の山旅・奥秩父》・・・、読んでいて涙が出た。そんなに混んでるわけでもない車内、気にすることもない。『ゆかしい苔の匂と木の香とに満ちた奥深い森林を、山肌を飾る万年雪の輝きや草原を彩る美しいお花畑が日本アルプスの特色であるように、唯一の秩父の特色であると信ずる』・・・木暮理太郎の言葉だそうだ。
《[六月]山の雨・雨の山》・・・、『帽子のひさしも役に立たなくなるほどに降られ、雨水が襟から流れ込むなんてのは、けっして愉快でないに決まっている』・・・辻まことさんの言葉だそうだが、それはその通り。だけど、それも含めて、それでも「雨が好き」って言っておかないとね。もちろん本心。差し引きすれば、“雨も好き”。
《[十月]ひとりで登る山》、《[十一月]静かなる山》・・・、「ディズニーランド帰りであるだけに」っていう訳じゃあないんだけど、[十月][十一月]は、『どうして山にのぼるんだ』って問いかけてくる。身につまされる。もう20年も山から離れている。足を直して、もう一度登りたい。『どうして登るんだ』・・・どうしてだろう。
・・・やむにやまれず・・・


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