『国際情勢判断 半世紀』 岡崎久彦
今日は、ちょうど一年ほど前の記事です。
巻頭にあるのは、最後に《平成二十七年三月一日 記す》とした内閣総理大臣・安倍晋三氏からの追悼の辞。
岡崎氏最後の大仕事が、二十六年七月一日に集団的自衛権だったんですね。閣議決定のあと、岡崎氏は次のような漢詩を首相に送り、安保法制懇有識者構成員の立場を辞したそうです。
曠古の敗戦 久しく志を奪う だれにか託せん 民族安危の事 父子三代 憂国の情 遂に顕かにす 集団自衛の義 |
ご逝去は二十六年十月二十六日とのこと。「成し遂げられて逝かれた」・・・そういうことなんでしょう。なんとも羨ましい。
『国際情勢判断半世紀』 岡崎久彦 育鵬社 ¥1,836 ー鷲鳥は群れずー |
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《主要な論説》のなかでも、『②歪められた戦後の「歴史問題」』は秀逸。最近はリビジョニズム・・・、歴史修正主義か?・・・なんだかんだとうるさくて仕方ない。いくら日本が、「おいおい、それは違うだろ」といっても、端から“歴史”という認識が違う。いかに汚い手を使おうが、“歴史”は勝ったものが書く。“勝ったものの自己正当化の理屈”。それが支那にとっての“歴史”。“将来に活かすべき過去の記憶”なんて考えを日本がぶつけようもんなら、「修正主義だ❢」となる。
でもさあ、こと、あの戦争に関しては、もう一度戦争をやり直すくらいの気構えがないとね。こと、あの戦争に関しては、日本に“侵略者”の汚名をひっかぶせたすべての連中が支那同様の歴史観。「それはそれ、これはこれ」っていう理屈すら通らない。それこそ“味噌も糞も一緒”って状況で、習近平もプーチンも、クソごとムシャムシャだもんね。
ドイツが日本に忠告しようってのも困りもの。お前らとは違うよ。
さてさて、巧妙な占領政策もあったけど、《一九七〇年代に「戦後」は終わっていた》と岡崎さんはいう。そう、そのとおりですね。七〇年安保で反対世左翼は完全に逼塞した。もともとがアメリカの占領政策を原点にした左翼理論だから、歴史の歪曲が根っこにある。だから必ず矛盾する。だからどこかに罪悪感を抱えるのだろう。やたらと声がでかいのはそのせいか。
国内で行き場を失った左巻きが、海外に賛同を求める。お笑いのような展開だが、それに呼応するものがいた。支那と韓国だった。八二年の教科書問題と八五年の靖国問題は、日本のマスコミが先導して支那、韓国の干渉を招いた。
ヤッタ-❢❢❢生き延びる場があった❢❢❢
支那・韓国の側にも支那・韓国らしく彼らの事情があって、支那は天安門事件で地に落ちた中共への信頼は、“反日”を持ち出す以外に取り戻し用もなかった。韓国も、大統領の支持率が落ちると“反日”に頼った。朴槿恵なんか、最初っから“反日”に頼りっぱなし。
支那と韓国と、・・・それからヤサグレ左翼の利害が一致した。そうそう、最近は沖縄もヤサグレ左翼と仲がいい。
こちらとしても、彼らに対して“味噌の糞の一緒”ってことになっちゃいけないと思うけど、かれら、・・・左翼さんよ。その人達の目的は、ソ連共産党、あるいは中共に日本を進呈することだったってことは、忘れちゃいけないよね。


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