めんどくせぇことばかり 一神教とエジプト(覚書)『逆説の世界史 2』 井沢元彦

一神教とエジプト(覚書)『逆説の世界史 2』 井沢元彦

人間の言動の背景には宗教にある。キリスト教徒はキリスト教徒らしく発言し、行動する。イスラム教徒はイスラム教徒らしく発言し、行動する。ユダヤ教徒はユダヤ教徒らしく発言し、行動する。だから、キリスト教を知らなければ、キリスト教徒の言動のパターンはわからない。イスラム教も、ユダヤ教も、ヒンドゥー教も、仏教も、儒教も、道教も、朱子学も、そんな色々な宗教を知らなければ、その宗教を信仰する人々の言動のパターンは予測できない。

《国際理解が大切で、相互理解が欠かせない》と日本人が思うなら、それぞれの宗教とその歴史への理解が欠かせない。・・・、だけどその前に、日本人はどうなの。日本人の言動のパターンの背景にある信仰はいったいどんなもの?自分のことが理解できないのに人のことを理解しても、何の意味もないよね。

日本人は戦争に負けて、歴史を奪われて、自分が何者であるかを見失ってしまった。いわゆる、アイデンティティの拡散って状態だな。精神障害の大半は、アイデンティティの拡散を原因として発生する。日本人、危な~い。

まずは、日本人が日本人を理解しとかないとどうにもならない。だけどそれがけっこう難しい。けっこう難しい上に、敗戦でとんでもない濡れ衣を世界から引っ被せられてるからね。とりあえず、そのへんのところ、しっかりしておかないとね。


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一神教のタブーと民族差別


そうそう、一神教のモデルも、実はエジプトなんだよね。イクナートン、もとはアクエンアテンは「アテンにとって有益なもの」という意味だそうだ。その前はアメンホテプ(アモン神は満足しておられる)4世と名のった人物。彼は政治を専横する神官団に対抗するべく宗教改革を始めた。それも、一神教。神は、アテン。首都も、メンフィスを捨て、ナイル中流のアケトアテン(アテンの地平線)に移した。現在はテル・エル・アマルナと呼ばれている。

アテン神のアテンの意味は円盤。転じて日輪。太陽神なら本質はラーに重なるのかな。でも、アテン神は最上ではなく、唯一なんだよね。そして、創造神でもあるんだよね。《人間は平等》という考えは、唯一神の絶対性を前提に生まれるわけだから、平等思想のもとはイクナートンにあるのか。

でも、彼の始めた一神教は、彼の死後、まもなく潰される。イクナートンのあと、在位期間の短いスメンカクラー王の時代があって、そのあとが、ツタンカーメン。トゥト・アンク・アモン(アモン神の偶像)ですね。でも、彼の即位した時の名は、トゥト・アンク・アテン(アテン神の偶像)だったんだそうです。つまり、彼が王位についてから、反動が起こったということですね。そしてアマルナは放棄され、都はメンフィスに戻された。

よく言われるように、ユダヤ人の出エジプトがラムセス2世の時代なら、このエジプトにおける一神教へのチャレンジを、ユダヤ人が知ることは容易であった。なにしろラムセス2世の即位は前1279年で、ツタンカーメンの死が前1327年なのだから。
そう言えば、エジプト神話のオシリスは、弟のセトに殺される。体をバラバラにされて捨てられて・・・。でも妹で、妻でもあるイシスが男根を除く各部を合わせてぐるぐる巻きにして復活させる。以後、オシリスは冥界の王となり、エジプトの支配はセトに奪われる。この後、イシスが単独で産んだ子ホルスが、成長してセトからエジプトの支配を奪い取る。イシス信仰はオリエントに広がり、やがてマリアの処女懐胎の伝説が生み出されたって風にも考えられる。

よく、ローマの歴史の中に、文明史の起承転結を見つけて驚いてしまいますよね。だけど、それ以前にまずは、エジプト史の奥深さに驚くべきなんだろうな。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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