めんどくせぇことばかり 一神教の正義(覚書)『逆説の世界史 2』 井沢元彦

一神教の正義(覚書)『逆説の世界史 2』 井沢元彦

ただでは済まない一神教の怖さが、上手に表現されている。

《世界史》の認識においては、我々日本人は、多くのヨーロッパに依存している。なにしろ、15世紀に世界をグローバル化したのはヨーロッパ人であったのだから、悔しいけどやむを得ない。彼らは圧倒的な力を持っていたから、私たちはまず、それを受け入れるところから始める以外になかった。拒否してしまっては、その存在自体を危うくされた。そんな例は無数にある。

キリスト教徒が書いた《世界史》、・・・ここでは一神教徒の書いた《世界史》と置き換えて、井沢さんがこの本書いた、《「一神教徒であるから、“常識中の常識”であるから、知らず知らずのうちに省略してしまったもの」の中にこそ、一神教の特徴が隠されている》という部分をまとめておく。

そう、難しいことじゃない。というのは、大半の人は、その理解の寸前まで行っている。《一神教徒でないものは、一神教の反対語は多神教だと思っている。一神教徒でない者にはこの理屈で良いんだけど、一神教徒にはこの理屈は通らない》って井沢さんは言う。日本人の大半の人は、自分たちの多神教社会に対して一神教を理解しようとするからね。だけど、一神教を信仰する人たちにしてみれば、多神教という言葉自体がありえないということになるんだな。

一神教徒にしてみれば、自分が信仰する神が唯一の神であるのだから、自分の信仰する神以外に神を称するものがあれば、それはすべて偽物である。多神教徒の信仰する多数の神とは、いずれも神などではない。多神教徒とは、本当は、神でもないものを神だと信じている愚か者であり、本当の神を信じていないということにおいて、神を冒涜する者でもある。

つまり、自分の信仰する一神教に改宗させるか、そうでないなら、退治しちゃった方がいい連中ということになる。

小学館  ¥ 1,782

一神教のタブーと民族差別
過去記事ね

カリブ海大アンティル諸島の中にあり、西側3分の1をハイチ共和国、東側3分の2をドミニカ共和国が統治している。

1493年、コロンブス2度めの航海でスペイン植民地が建設された。
ispanyo-ra.gif
koronbusu.jpgスペイン人はこの島を、聖人、聖ドミニコにちなんでサント・ドミンゴ島と呼んだ。インディアスにわたったキリスト教徒が最初に足を踏み入れ、住民に甚大な害と破滅をもたらした所であり、インディアスで真っ先に破壊し、破滅させた所。

この絵はサン・サルバドル島だけどね
『インディアスの破壊についての簡潔な報告』  ラス・カサス

¥ 907

ラス・カサスの抱いたインディオに対する憐憫は、キリスト教が本質的に内包する傲慢を前提にしていた

エスパニョーラ島について
キリスト教徒はさらにそれ(食料)以外にも頻繁に脅迫したり、暴力や迫害を加えたりしたので、とうとうインディオは、そのような連中が天から舞い降りてきたはずがないと気づき始めた。その結果、インディオの中には、食物を隠したり、妻子を匿ったりする者や、残虐で恐ろしい所業にふける連中との接触を避けて山中に逃げ込む者も現れた。

キリスト教はインディオに平手打ちや拳骨を食らわしたり、時には棒で殴りつけたりし、ついには村を治める人たちにも暴力を振るうようになった。そして、そうれが高じて、キリスト教徒の隊長の一人はエスパニョーラ島で最大の権勢誇った王に対して、その妻を強姦するという、極めて無謀かつ厚顔無恥な振る舞いに及んだ。そのとき以来、インディオはキリスト教徒を彼らの土地から追放しようといろいろと策を練り始めた。彼らは武器を手に立ち上がったが、まったく粗末なもので、攻撃するにも迎え撃つにもほとんど役に立たず、といって、身を守るのに役立つかといえば、それすらも叶わないといった代物であった。

これがきっかけだった。ここまで、原住民たちはどんなに悔しいことがあっても我慢に我慢を重ねてきたはずだ。首長の妃が強姦されるという事態に、ついに原住民たちは我慢が無駄であることを知り、武器を手に立ち上がった。しかし、それはさらなる悲劇の原因となっていった。
キリスト教徒は馬にまたがり、剣と槍を構え、インディオを相手に前代未聞の殺戮や残虐な振る舞いにひたり始めた。彼らは村々に闖入し、子供や老人だけでなく、身重な女性や産後間もない女性までも、見つけ次第、その腹を切り裂き、体をズタズタに切り刻んだ。それはまるで囲い場に閉じ込められた小羊の群れに襲いかかるのと変わらなかった。

キリスト教徒はインディオの身体を一刀両断にしたり、一太刀で首を斬り落としたり、内蔵を破裂させたりしてその腕を競い合い、それを賭け事にして楽しんだ。母親から乳飲み子を奪い取り、その子の足をつかんで岩に頭を叩きつけたキリスト教徒たちもいた。また、大笑いしながらふざけて、乳飲み子を仰向けに川へ投げ落とし、乳飲み子が川に落ちると、「畜生、まだばたばたしてやがる」と叫んだ者達もいれば、嬰児を母親もろとも剣で突き刺したキリスト教徒たちもいた。彼らは目の前にいたインディオ全員に、そのようなひどい仕打ちを加えたのである。
hokutonoken.jpg歴史の中に現れる数々の悲劇は、それぞれが違うパターンを持ち、教訓とするには学ぼうとする側が学ぶべき内容を選択しなければならない。そんな時思うのだが、数々の悲劇のほとんどにはなにかしら、“救いよう”が残されている。『名』だけは守られたとか、『名誉』だけは守られたとか、『血筋』だけは残されたとか、今はダメでも将来には『希望』が持てるとか、なにかしらある場合が多い。“北斗の拳”ですら、英雄が現れた。

足がようやく地面につくくらいの高さの大きな絞首台を組み立て、こともあろうに、我らが救世主と12名の使徒を讃えて、インディオを13人ずつ一組にして絞首台に吊り下げ、足元に薪を置き、それに火をつけて、彼らを焼き殺したキリスト教徒もいた。

インディオの体を乾いたわらで縛り、そのわらに火をつけ、彼らを焼き殺したキリスト教徒もいれば、生け捕りにしようとした者達もいた。

kousyukei.jpg

尊敬を集めた領主や貴人を殺す時には、キリスト教徒は、さらに念を入れた。領主や貴人の断末魔により、インディオたちのあらゆる希望を打ち砕くためにである。
彼らは木の又に枝を編んで作った鉄網のようなものをのせ、それに彼らを縛り付け、網の下からとろ火で炙った。すると領主たちは苦痛に耐えかねて悲鳴を上げ、絶望のうちに息絶えた。

悪魔のような“キリスト教徒” の手から逃げおおせたものも、少なからずいた。彼らは一人のこらず山中に立てこもった。しかし、ここでも悪魔のような“キリスト教徒”のほうが、彼らよりも狡猾だった。
キリスト教徒は彼らを狩り出すため、獰猛極まりない猟犬を仕掛けた。猟犬はインディオを一人でも見つけると、瞬く間にずたずたにした。まるで豚を餌食にする時よりもずっと嬉しそうにインディオに襲いかかり、食い殺した。大勢のインディオが、これらの猟犬に食い殺された。

たまらないよね。インカ帝国を滅ぼしたフランシスコ・ピサロが、皇帝を誘拐して多額の身代金を国民から取り上げた挙句、むごたらしく処刑したよね。マンコ・カパックだっけ。ピサロはそんな自分の行動を恥じるどころか、その正義を確信していた。それはやはり、一神教徒であるが故、神を冒涜する《無神の徒》は、退治するのが正義なんだな。おかげで中南米は、キリスト教とが最も多い土地に変わりましたとさ。・・・これで、めでたし、めでたし、・・・かよ。



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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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