めんどくせぇことばかり 男と女(覚書)『言ってはいけない残酷すぎる真実』 橘玲

男と女(覚書)『言ってはいけない残酷すぎる真実』 橘玲

この本の中で、エディプス・コンプレックスが話題に取り上げられている。「男の子は母親との性交を望むが、父親によってその欲望を禁じられ、去勢の恐怖に怯える。」 この間、ギリシャ神話にかかわる本を読んだばかりだから、まだまだ新鮮だな。

オイディプスは、それと知らずに父を殺してしまい、さらにスフィンクスを退治したことからテーベの人々に歓迎され、王の未亡人と結婚して子まで成す。しかし、殺したのが自分の父親であり、子まで成した妻は自分の母だったことを知る。オイディプスは、罰として自ら両目を潰し、放浪の旅に出て無残な死を迎える。

ここから、「男の子が母親との性交を望み、父親によってその欲望を禁じられ」てうっ屈することをエディプス・コンプレックスと呼んだわけだ。〈読んだわけだ〉とは言っても、本来ギリシャ神話は、古代ギリシャ人の激しい部族抗争を開放的な性の倫理になぞらえて表現しただけだと思うんだけどな。「和姦、強姦、輪姦、不倫、近親相姦、獣姦、おまけに同性愛まで、なんでも来い」ってところで、フロイトは考えすぎ。

やっぱり、近親婚は繁殖を考えれば不利で、人はそれを避けてきた。この本によれば、人間は、「幼年時代を共有した異性には性的関心を抱かない」という本性があるらしい。そのような結婚の場合、離婚は平均の3倍、子どもの数は40%減で、不倫も増えるんだそうだ。

でも、さすがフロイト。人間は「性」にとらわれて生きている。そのことを見逃さなかった。
新潮新書  ¥ 842

遺伝、見た目、教育にかかわる「不愉快な真実」 気安く口外しないでください


自分の子孫を残す。人間も、男も女も、そのことから自由ではない。フロイトの言うとおり、とらわれている。面白い見方が紹介されている。《生殖における投資額》という言葉なんだけど、結局、「人が生殖に、どんだけ費用を費やし、どんだけの便益を手に入れているか」という視点。

男はできるだけ多くの女と交尾し、女を妊娠させ、少しでも多く自分の子を産ませたい。精子は、それこそ無数に排出される。奇跡的な命中弾以外は、すべて無駄玉であることは承知の上。女は違う。貴重な卵子を最大限有効利用するために生殖相手をより好みする。

他の哺乳類では、上記の理由から一夫多妻が多くみられる。雌にとって、なにも劣った雄と交尾する理由はない。ところが人間の場合、ちょっと事情が違ってくる。乳幼児の独り立ちに長期の養育が必要なことから、遺伝子の優劣だけで相手を選ぶわけにいかなくなる。他の女と相手を共有することで、相手から十分な保護を受けられなくなる恐れがある。その、長期間の保護を確保するために、人間の場合、一夫一妻という形態が生まれたようだ。

よくわかる。男だって、女だって、本当は分かってる。分かった上で、すったもんだと駆け引きして、時には修羅場を演じたりする。男が、より多くの女を妊娠させたがるのは、遺伝子的な本性だもんね。

さて、この話の怖いところは、ここから先。

一夫一妻制社会における女にとっての悩みどころは、優秀な男ほどライバルは多く、独占可能な男ほど劣等であることだ。まさしく、「あちらを立てればこちらが立たず」という状況。ところが、この難題をいとも簡単に克服する方法が、女にはあるっていうんだ。しかも、少なからざる女たちが、現にそれを実行していると。

それは、優秀な男の子供を、遺伝子的には劣等ゆえに独占可能で、献身的に子育てする男に育てさせる。・・・え~なんてことでしょうか。そんなことがありえるんでしょうか。と思ったら、けっこうあるんだってさ。イギリスの学者先生の調べで、平均的に男の10%は他人の子供を育てている。しかも、低所得者層に限れば、その数字は30%に跳ね上がる。

・・・ど・ど、どうしよう。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
関連記事

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください
人気ブログランキングへ にほんブログ村 政治ブログへ


言葉は人の心をあらわします。
「歌は世につれ世は歌につれ」と言いますが、言葉についても同じことが言えるでしょう。
これから出る本


































当ブログ内人気図書 
















































カウンター
カテゴリ
ブロとも一覧
アジシオ次郎の時事原論
はりこのはやしや 
ハシビロコウ
素足のアイドル達
うさぎ屋の四方山話
わくわく株式投資
プロモデラー林哲平のジャンクロボット創作ブログ『ケルバーダイン』
大好き!グラビアアイドル!
伊織のブログ
Re:BAD TASTE♥
QWERT 5w1h
「伝わる技術」オトデザイナーズ・坂本真一
歌と知恵でハッピーライフ^^
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
最新記事
応援して下さい