めんどくせぇことばかり 『戦争の発明』 熊谷充晃

『戦争の発明』 熊谷充晃

戦争が世界をリードしてきたことは、当然といえば当然。そこから新しいものが生み出される。そこからしか生み出されないとは言わないが、必死さが違う。なにしろ生きるか死ぬか。負ければ、・・・悪くすれば根絶やしにされる。それも一族郎党。・・・で済めばまだしも、場合によっては民族の名が消える。必死になるのは当然だろう。

一義的に戦争のために生み出されたものではないとしても、戦争にともなって画期的に進化を遂げたって言うタイプのものも数知れない。同様に、最初から人を殺すこと以外には使いみちがないはずの毒ガスから抗癌剤が生み出されたという事実もある。だからといって、自分を危険に身を晒すことなく相手を確実に殺すような、毒ガスのような卑怯この上ない兵器の開発は許せるものではないが・・・。

それでも、そういった発明が人々の生活を潤したように、人間の歴史は戦争とともにあった。戦争も発明も、全てひっくるめて人間の歴史なわけだな。
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あなたが使っているアレも、戦争が生んだ発明品だった❢
CHAPTER 1  戦争が発明したテクノロジー
CHAPTER 2  戦争をルーツに持つ日用品
CHAPTER 3  戦争によって生まれたシステム
CHAPTER 4  戦争と偉大な発明者たち

人間の歴史は、常に戦争と、それを動機の大きな要因とする発明とともにあったのは間違いない。ただ、この本を呼んでいて思ったんだけど、ある時点を境に、その傾向に、ちょっとした変化が見られるような気がする。やたらとこの本に、名前が出てくる奴がいるんだ。つまり、いろいろな発明に絡んでいる人物ね。

そう、ナポレオン・ボナパルト。

電信の原型となった光学式テレグラフ。情報の早い伝達が戦争にも外交にも有利に働くという勘働は、やはり天才的だな。負傷者を戦場から迅速に離脱させることに目をつけたのもナポレオン。“ワゴン”と呼ばれる負傷者搬送専用の台車が救急車の原型だという。実際に考えだしたのは、ナポレオンのもとで軍医長を務めたジーン・ラリーという人物。ナポレオンの軍団に、勝利への要諦が「兵力の集中」にこそあることが徹底されていたからこその思いつきだろう。

その考えは軍の手足まで及んでいたようで、パン焼き専用の窯を備えた台車を馬に引かせていたそうが。ナポレオンの兵団の足の速さは有名だが、輜重隊もその移動について言ったようだ。日本はごはんだからね。第二次世界大戦で97式炊事自動車というのが登場するらしい。瓶詰めや缶詰も、ナポレオンの軍から生まれた。生み出したのは料理人のニコラ・アペールという人物だそうだ。背景は、やはり同じだね。

戦術においても、やはりナポレオンだ。散兵縦陣という陣形。ヨーロッパに伝統的な密集陣形を踏襲しつつも、アメリカ独立戦争で独立軍がとった散兵式の戦い方。これってゲリラ戦か。ゲリラに敵の陣形をかき回させて、密集陣形を前に押し出すってやり方らしい。

そして何より、「国民軍」という軍の形。ナショナリズムに裏打ちされた軍のまとまりが、周辺国の国王軍、皇帝軍をねじ伏せていった。今もその延長線上にあるわけだからね。第一次大戦以降の総力戦も、基本的にナポレオンの始めた“国民戦争”にその始まりがあると言っていいだろう。・・・やはり、あそこがターニングポイントになってるな。
最後に、もう一つナポレオン軍の発明。それが点字。点字は、実は目の不自由な人のために発明されたのではなく、暗闇でも命令を読める暗号として戦場に取り入れられたんだってさ。明かりを付ければ・・・?敵にやられちゃうでしょ。実際の発明者の砲兵シャルル・バルビエは、戦後、この《夜間読字》を携えて、パリ盲学校を訪れたんだって。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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