めんどくせぇことばかり ブルキニ禁止(覚書)『となりのイスラム』 内藤正典

ブルキニ禁止(覚書)『となりのイスラム』 内藤正典

中田考さんの本は、今までこのブログでも何度か取り上げさせてもらった。中田さんは1960年生まれだから、私と同じだ。イスラム教に入信した歴としたムスリムでイスラーム学者。カリフ制の復活が持論で、アメリカからは危険視されている人物でもある。
右の二冊を紹介したのはそんなに前のことじゃあないんだけど、なんだかずい分前のことのような気がしてしまう。それくらい、イスラム世界は揺れ動いているということか。

左の『イスラーム 生と死と聖戦』は、日本人のイスラム学者である中田さんが、ムスリムとしての立場からイスラム教をわかりやすく解説する入門書。それでもイスラム教はわかりにくい。この本よりも、今紹介している『となりのイスラム』の方が分かりやすい。『クルアーンを読む』は中田さんと、宗教学者の橋爪大三郎さんの対談物。現代世界におけるイスラムのあり方を当内容だけど、橋爪さんの発問によって中田さんが〈現代世界におけるイスラム〉という認識を再確認し、確立していく過程が読めて、とてもおもしろい内容になっている。

序章に書かれているんだけど、その中田さんが次のように言ったそうだ。
《エルドアン(現トルコ共和国大統領)がカリフ(ムハンマドの代理人としてイスラム共同体を率いる人)になったらいい》

そして著者は、『これだけぐちゃぐちゃになって中東の秩序が崩壊しているときに、なにかひとつ秩序のもとになる国がないと、イスラム圏が本当に崩壊しかねないという危機感は、かなりのイスラム教徒に共有されている』と言っている。

この間読んだ、中田さんの発言の中には、そういうものはなかった。内藤正典さんの発言も合わせ、それ以来、イスラムの状況は、かなり悪化しているんだろうな。

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世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代

2001年9月11日以来、全く関係なかったのに、イスラム教徒というだけで、ヨーロッパに移民したイスラム教徒は理不尽な差別にさらされてきた。昨年(2015年)11月に起きたパリのテロ事件でも、被害を受けたフランスを始め欧米社会は、イスラム教徒に対する危険視を強めた。すでに1月に「シャルリ-・エブド」がテロに遭っていた。

背景にイスラム国の問題があるとはいえ、ちょっと、イスラムいじめが過ぎやしないか。フランスがイスラム教徒のブルカを禁止を持ちだしたのはサルコジの時で、2009年のこと。2010年に圧倒的多数で可決されたブルカ禁止法では、学校、一般道路など公共の場でのブルカ着用を全面的に禁止している。ブルカ着用を当然としてきたイスラム教徒の女性にすれば、顔はもちろん髪でさえ、人に晒すのは恥ずかしいことなんだそうだ。フランスは恥ずかしがる女性から、身につけているものを無理やり剥ぎ取ろうとしているわけだ。
2016/08/26 ニューズウィーク日本版ウェブ
フランス警官、イスラム女性にブルキニを「脱げ」
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/08/post-5721.php
(抜粋)
フランス・ニースの海岸で警官がイスラム女性を取り囲み、服を脱がせる写真が話題になっている。今フランスでは、顔と手足以外の全身を覆うイスラム風の水着ブルキニの着用を禁止する自治体が相次ぎ、20カ所以上にのぼっている。ニースもそうした海岸の一つだ。だが、何も悪いことをしていない女性が武装した警官に命じられて服を脱ぐ光景は、まさにブルキニ禁止の理不尽さを象徴する光景。ロンドンのフランス大使館前ではブルキニ禁止に抗議するデモも行われた。

フランスの理念は自由・平等・博愛。フランス革命によって提唱され、ナポレオンによってヨーロッパに拡散された理念。この理念に反するものは許しゃしない。ぶん殴って、蹴っ飛ばして、縛り上げてでも受け入れさせる。それでも嫌がるようなら、男は殺し、女は犯すことも、あえて避けることはない。

イスラム教徒なんだろうが、見た目にはキリスト教徒のフランス人と変わりない。だけど、ブルカなんかつけて、ことさらイスラム教徒であることを表現されるのは、自分のイスラム教を拒否する自由を奪われた用で気分が悪い。

『ヴェールで覆うよりも胸を露わにする方がよりフランスの精神にふさわしい』って言ったのは、色情狂の痴漢常習犯というわけじゃなくて、フランスの首相という要職にあるマニュエル・ヴァルスさん。
2016/09/01 The Huffington Post
フランス首相、ブルキニ論争で暴言「女性はヘッドスカーフよりも胸を出した方がよりフランス的だ」
http://www.huffingtonpost.jp/2016/09/01/manuel-valls-_n_11811336.html
(抜粋)
フランスのマニュエル・ヴァルス首相が8月29日、イスラム教徒の女性用に全身を覆い隠す「ブルキニ」をめぐる論争を新たなレベルへ発展させた。自国の国民的シンボル「マリアンヌ像」を持ち出して、「ヴェールで覆うよりも胸を露わにする方がよりフランスの精神にふさわしい」と発言した。

こんなことがまかり通るようじゃ、まだまだなんかありそうですね。



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2016/08/26 ニューズウィーク日本版ウェブ
フランス警官、イスラム女性にブルキニを「脱げ」
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/08/post-5721.php
(全文)
フランス・ニースの海岸で警官がイスラム女性を取り囲み、服を脱がせる写真が話題になっている。今フランスでは、顔と手足以外の全身を覆うイスラム風の水着ブルキニの着用を禁止する自治体が相次ぎ、20カ所以上にのぼっている。ニースもそうした海岸の一つだ。だが、何も悪いことをしていない女性が武装した警官に命じられて服を脱ぐ光景は、まさにブルキニ禁止の理不尽さを象徴する光景。ロンドンのフランス大使館前ではブルキニ禁止に抗議するデモも行われた。

そもそもなぜブルキニがだめなのか? フランスが既に禁じているイスラム女性のスカーフ、ブルカやニカブと違い、ブルキニは顔を覆わない。ブルキニがだめならダイビングスーツもだめになる。尼僧はどうなんだ、という声もある。

ブルキニは、公の場で肌や髪を出せないイスラム女性のために考え出された水着に過ぎない。「フランスの価値観に反する」(バルス首相)、「公共の秩序を乱す」(ニース市長)などと理屈をいくら言われても、イスラム差別の口実ではないか、と思う。警官の写真で、それが確信に変わった人も多かったのではないか。



2016/09/01 The Huffington Post
フランス首相、ブルキニ論争で暴言「女性はヘッドスカーフよりも胸を出した方がよりフランス的だ」
http://www.huffingtonpost.jp/2016/09/01/manuel-valls-_n_11811336.html
(全文)
フランスのマニュエル・ヴァルス首相が8月29日、イスラム教徒の女性用に全身を覆い隠す「ブルキニ」をめぐる論争を新たなレベルへ発展させた。自国の国民的シンボル「マリアンヌ像」を持ち出して、「ヴェールで覆うよりも胸を露わにする方がよりフランスの精神にふさわしい」と発言した。

「マリアンヌが胸を露わにしているのは、国民に授乳しているからなのです!」とヴァルス首相は演説で叫んだ。「マリアンヌはヴェールで覆われてはいません。マリアンヌは自由だからです。それが共和国の精神です!」

マリアンヌ像は1848年のフランス専制国家崩壊後、自由の象徴となった。国家文書やフランス貨幣にはマリアンヌの姿が使われている。最も有名なのは、1830年にユージン・ドラクロワによって描かれた「民衆を導く自由の女神」で、マリアンヌが片方の乳房を露出し、フランス国旗をかざしている。

マチルダ・ ラルール氏などフランス歴史学者の中には、マリアンヌはいつも胸を露わにしているわけではないと反論する人もいる。また、マリアンヌは美術的にはより保守的に描かれていることが多く、髪をきっちり結び、胸元は完全に覆われ、立っているよりも座っている姿が多い。

マリアンヌの露出した胸は「特段の意味を持っているわけではありません。単に芸術上の構図に過ぎないのです」とラルール氏はツイートした。「マリアンヌが胸を露わにしているのは寓話上の人物だからでしょ、バカバカしい!」

ブルキニを着る女性をめぐる論争から、ヴァルス首相のヴェールに関するコメントが飛び出し、この論争はここ数週間フランスの政界に物議をかもしてきた。

フランスの多くの市町村でブルキニを公の場で着用している女性たちに罰金が科されていたが、フランスの行政裁判の最高裁にあたる国務院は26日、ブルキニ禁止令の凍結を命じる判決を下した。

ブルキニ禁止令を擁護するヴァルス首相は、ブルキニは「フランス共和国の価値観と相いれない」と考え、ブルキニは「女性の奴隷化」を表すものだと主張する。

この論争はフランスの政界に大きな政治的亀裂をもたらした。ナジャット・ヴァロー=ベルカセム教育相は、ブルキニ禁止令の支持者たちは民族論議を焚きつけ、禁止令を政治目的で利用しようとしていると非難した。

2017年の大統領選挙に立候補を表明したニコラ・サルコジ前大統領は、自分が再選された場合はブルキニを禁止するべく憲法を改正するとまで公約した。

フランスの大統領選は2017年4〜5月に行われる。
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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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