めんどくせぇことばかり 『ほかほか蕗ご飯-居酒屋ぜんや』 坂井希久子

『ほかほか蕗ご飯-居酒屋ぜんや』 坂井希久子

ずいぶんと遠ざけておいたけど、やっぱり時代ものは肌に合う。私は、口もそうだけど、頭の方も雑食性で、なんでも読む。地図帳や時刻表なんか与えられた日にゃあ、それこそ時間を忘れてしまう。地図帳、時刻表に近づくときは、最初から用心が肝要です。

だけど、雑食性と言いながら、もとを正せば歴史なんだよね。商売に関連しているしね。真正面から歴史研究に取り組んだ労作もそうだけど、古今東西、時の流れの中に埋もれた歴史を手間ひまかけて発掘したものとかを好んで読んだね。発掘ものとまで行かなくても、広く知られていないことに取り組んだり、一般に知られているものでも見方や視点を変えた新解釈で新装開店なんて、胸が躍るよね。

たとえお話に走ったものであっても、商売に反映できるように、より歴史に根差した話の方が都合がいい。その程度は守って行かないと、自分の読書はただの暇つぶしとは違うから・・・。恰好つけて、ずいぶん長い間そう思っていた。苦労もしたけど、それはそれで得るものも多かった。おかげで、人の知らない変なことまで知ってるし。もちろん程度問題だけどね。実際、背景に裏付けのない話に偏見を持っていたのは確か。だけど、案外そうでもないんだよね。

それがこの手の時代もの。歴史的事実がどうのこうのって話じゃないけど、考証がしっかりしていれば、知らず知らずのうちに時代が身の内に染み込んでくるって言うか。馴染んでくるって言うか。まなじ、歴史と大上段から組み合ってみても、机にかじりついたっきりの学者肌の先生じゃ、人間通の作家さんには敵わない。所詮、歴史は人の営み。
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美味しい料理と癒しに満ちた連作時代小説、新シリーズ開幕

『ほかほか蕗ご飯-居酒屋ぜんや』という題名が、私にとってはすでに卑怯。時代もので、なおかつ料理ものときては、私は手にせざるを得ない。話の中心にいるのが、〈居酒屋ぜんや〉の女将。この女将が、謎めいている割には可愛げたっぷりの若後家という設定。これまた卑怯。それを卑怯と口にした段階で、こちらはすでに虜にされている。作家さんの手のうちで転がされるのを快感とするようじゃ、今後は“変態おやじ”を看板に加えないと。

読むものに多少の変化があっても、受け取る側の私の肌が時代ものになじみやすい傾向にあるのか。それとも、作家の坂井希久子さんの書いたものだからそう思うのか。

ぜひ作家さんの腕に責任を押し付けたいところ。でなきゃ、この手の本を片っ端から読む羽目に追い込まれることになる。

〈ぜんや〉の常連の一人に又三がいる。本書最終章で語られる、又三の生い立ちが痛ましい。貧乏ゆえに、摘み菜をして飢えをしのいだ幼少期。それが理由の摘み菜嫌い。なかでも蕗はダメ。ま~るい葉をかき分けて摘み取ろうとすると、その茎に毛虫がびっしり。それ以来、蕗はどうも・・・。という又三。・・・それはまったく私のこと。何故か同じ記憶。蕗はまさしく毛虫の味。これを知ってるって、作家の坂井希久子さん、いったいおいくつなんだろう。

*青菜のお浸し
小松菜、春菊、三つ葉をさっと茹で、しょうゆで洗って、しょうが汁と柚子皮の風味でまとめる。

*のっぺい汁
かつお節の出汁で、大根、人参、里芋、ごぼう、油揚げ、干椎茸と戻し汁を入れてぐつぐつ煮込む。しょうゆで味を調え、葛でとろみをつける。わさびを添えて、溶かしながら・・・。

*蕗飯
蕗の茎を細かく刻んで炊き込む。胡麻塩で




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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