めんどくせぇことばかり 『「美術的に正しい」仏像の見方』 布施英利

『「美術的に正しい」仏像の見方』 布施英利

 今日は過去記事です。2015年の5月、1年以上前だな。
私の好きな仏像は、東大寺南大門の金剛力士像です。中学校の修学旅行で奈良に行って、最初に見たのがこれだった。最初に心を震わせられた仏像が、私の一番好きな仏像になった。

私のふるさとは埼玉秩父で札所でも知られてるくらいだから仏さまはまわりにいくらでもいたけど、それだけにまったく意識したことがなかった。・・・そうでもないな。うちの前の子安地蔵には手を合わせてたしね。親からの言いつけでね。

完全に信仰の世界での話。お地蔵様のお陰で私は生まれてこれたらしいので、感謝せざるをえないよね。でもあのお地蔵様は、なんていうのかな、私にとっては“誰かが作った仏像”ってのとは、ちょっと違う感じなんだよな。
仁王・・・というわけで、最初の仏像体験が、一番好きな仏像体験になった。あの筋肉にはどうしたってかなわない。あの威嚇にはどうやったって抵抗できない。その手のひらで弾き飛ばされたら・・・。その足で踏みつけられたら・・・。いったい何でそんなに怒ってるの。ん
なんせ、信心深い人間なもんですからね。こういうの見ると、恐れいっちゃうんですよね。

中学生の時に、修学旅行ではじめて奈良に行って仏像を見た。以来、ほんの何度か行ったけど、別に“研究”とか、“味わう”とかですらなく、もののついでに久しぶりの顔を見に行っただけのこと。「ゆっくりと、時間をかけて幾つもの寺をまわり、」・・・そんなのは、私なんかには夢の間た夢。・・・でも、仏像は好き・・・

著者は、美術批評家さんだそうです。中でも人体像を解剖学の視点から研究しておられるとか・・・。そんな視点からでしょう。《日本の仏像は子供だ》と・・・。
・・・たしかに。「大きさの違いだけでなく、子供は頭の比率が大きく、それにくらべて口が小さい。そして目と鼻と口が近くに集まっている」なんていうのは、そんな視点からの真骨頂。

右は東京国立博物館の如来立像の後ろ姿。・・・私には一歳半の孫がいるんだけど、この後姿を見ると、孫の笑顔を思い出す。正面から見る以上に、この姿は子どもだ。

なぜ、子どもなのか・・・?
子ども
そこにあるのは、無垢への憧れか。著者は“仏のやさしさ、親しみやすさ、本来の智恵”と言っているが・・・。


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なぜか30歳を過ぎたあたりから好きになるのが仏像・・・私はその倍


多くの仏像ファンには、特定の思い入れがあって、戒壇院の四天王像がいいとか、興福寺の阿修羅像がいいとか、法隆寺の百済観音や救世観音を挙げる人も多い。私は・・・といえば、そうそうたくさんの仏像に出会ったわけでもなく、たまたま拝ませていただいた仏像を、いつでもありがたがってるだけのこと。道の傍のお地蔵さんでもありがたい。でもやっぱりみんながいいという仏像はいいと思うし、教えてもらえば、深さを味わえる。
著者がページを割いている仏像の一つに、高尾山神護寺の薬師如来像がある。写真ではあるが、見てみるとすごい。他を睥睨するかのような強い目力。高く通った鼻は小鼻を張り出し、口をへの字にひき締める。ちょっとおっかない。

すごい重量感で、何よりもぶっとい足。著者の表現がいい。
それは私たちの生きている、この重量感のある地球、その「大地の感じ」をあらためて意識させます。たとえば、樹木は大地に根を張り、そこから太い幹を天に向かって伸ばしますが、そんな樹木にも似た、大地に根を生やしている仏像であるかのようにすら見えてくるほどに「重量感」のある仏像が、この時代のものには多いのです。

神護寺の始まりは、和気清麻呂にあるとか。和気清麻呂の作った河内の神願寺に山城の高尾山寺。後に両寺が合わされて神護寺となったらしい。どうして“神を護る寺”なのか。
だったら本尊の薬師如来こそが神を護るのか。

神護寺
怨霊にまみれた平城京が、もやはもたないことを渡っていた和気清麻呂ならば、平安遷都の推進者になるのもわかる。引きちぎるようにしてでも新都を造営しなければどうにもならなかったはず。ましてや、長岡京が怨霊に飲み込まれたなら、平安京まで二の舞を踏むことだけは避けたかったはず。

著者によれば、清麿は八幡神への崇敬も厚かったという。そう言えば、道鏡がらみで清麿が神託をもらったのも宇佐八幡だったよね。清麿が最初に作った神願寺にしても、やっぱりここには“神”が入り込んでるね。著者の言うとおり、神仏習合だろうね。

あっと。だったら薬師如来のたくましい足は、冗談じゃなく、大地に根を張る樹木なんだ。薬師如来立像が安置される神護寺金堂は霊気を帯びた森そのものなんだな。

人はなぜ、仏像がすきになるのか
第Ⅰ章 あの仏像はどこにある?ー仏像を巡るたび
(1)奈良Ⅰ・・・まずは「奈良公園」
(2)奈良Ⅱ・・・西ノ京と斑鳩あたり
(3)奈良Ⅲ・・・奈良県の南部・山間の寺
(4)京都府と京都市
(5)日本から西へ・・・韓国・インドの仏像
第Ⅱ章 仏像をめぐる歴史
(1)飛鳥・白凰・奈良・・・日本への伝来
(2)平安時代・・・仏像の日本化
(3)鎌倉時代・・・運慶のリアル
(4)江戸時代・・・美術としての仏像の終りと始まり
 (5)仏像と「子どもの心」

目次を紹介したけど、それよりも、この本の中で特別に取り上げられている仏像を紹介しとくね。その方が、著者が関心をもつ仏像の傾向がわかるし、著者の人となりも見えてくるかもしれない。・・・私なんかには分かんないけどね。
百済観音像(法隆寺)広目天像(戒壇院)薬師如来立像(神護寺)毘沙門天像(願成就院)
婆藪仙人像(妙法院)木喰の仁王像(真福寺)木喰の十二神将像(西光寺)如来立像(東京国立博物館)
如来三尊像(東京国立博物館)金銅弥勒菩薩半跏思惟像
(韓国国立中央博物館)
釈迦如来座像(蟹満寺)十一面観音菩薩像(聖林寺)
不動明王(願成就院)阿修羅像(興福寺)如来立像(東京国立博物館)菩薩立像(東京国立博物館)
百済20110816140748770.jpg阿修羅如来 




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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