『北京レポート 腐食する中国経済』 大越匡洋
シナは怖いよ。そりゃ、アメリカとは違う。アメリカだって怖ろしい。あの戦争だって、その背景を煎じつめれば“人種差別”に行き当たる。敗戦後の占領にしたって、白を黒と押し付けられた。飢餓に直面し、家畜の餌まで回された。だけど、時間をかけて、徐々に洗練され、民主政治を標榜する以上、国家はそれなりの対応を求められた。アメリカも、いろいろな裏があったとしても、民主国家のリーダーとしての体裁は繕わないわけに行かない。
シナは、それをしようともしない。民主国家じゃないから、求めること自体が無茶だと、周りが思っちゃってる。怖いよ、シナは。東トルキスタンやチベット、内モンゴルの人たちがどんな目にあってるか。わずかながらに漏れ伝わってくる部分もあるから、よけいに怖いよ。油断すりゃ、あんな目に合わされる。尖閣一つからそれが始まる。
経済成長のなかで、国内に大きな矛盾を抱えてしまったシナは、痛みを伴う経済の構造改革に着手しなければならない。経済成長のなかで生み出された貧富の格差への不満は、高度な成長が続いている間はどうにかその成長分に吸収されていた。成長が止まれば、残るのは放置された不満と、新たに生まれる痛みだけだ。不満と痛みを原因とする怒りが、正当に、政治責任を追うべき中国共産党に向けられること。それが何よりも、シナ政府が恐れるところである。
中国共産党が、その支配の正当性を国民に納得させる方法が、もう一つある。他国に対して、中国共産党が主張するシナの領土を確保してみせることである。具体的に言えば、東トルキスタン、チベット、内モンゴルを押さえつけ、東南アジアや日本を軍事力で脅しつけ、際どい行動でアメリカを沈黙させ、金でヨーロッパを飼いならすことだ。
実は、経済は完全に破綻した。残されたのはも一つの方法だけになってしまった。それが、今のシナの状況だ。


そこまで切羽詰ったようには見えないけど、日本人の目にもつきやすいシナ人は中間層で、すでに豊かさを得た人たちである。彼らは、口では愛国を唱えながら、自分の子供や財産をいち早く国外に脱出させている。
一方、一生をバブル崩壊後の国内で過ごすしかない人たち、なかなか日本人の目にはつきにくいシナ人たちは、すでにちょくちょく暴れている。痛みを伴う改革は、もう始まっている。“鉄”の過剰は、世界にデフレを輸出した。『迅速に具体的な対策を取らなければ根本問題は解決されず、各国は中国に対して通商措置を取らざるを得なくなる』という発言は、16年4月、OECDで米国が中国を名指しで批判したものである。その状況は、10月を迎えた今も変わらない。
シナの経済統計が疑わしいことは、今では常識である。公表される数字より、遥かに現在のシナが直面する経済状況は深刻である。・・・それも、言い尽くされたことだ。
「中国共産党の支配体制は、外から見る以上にきしみ、歪んでいる」と著者は言っている。同時に、「庶民の強かさや底力、くじけないしなやかさには、ハードランディング論や崩壊論に違和感を抱かされる」とも言っている。たしかに、シナ人の強かさには、底の知れない部分さえある。だけど、おそらくそれは、中国共産党支配が動揺した時に発揮されるものだろう。そして、すでにその動揺は始まってるんじゃないかな。
いろいろと、要人の発言を細かくチェックして、経済指標と見比べて、それもシナのものは信用出来ないので、いろいろと検証して、これだけのものを書くのは大変だったろうと思う。著者は、日本経済新聞の中国総局にいて、シナの経済を正面から取材したんだそうです。資料に基づいた坦々とした展開は好感のもてるところだけど、やっぱり勤め人の悲しさか。ここまで書いたんだったら、当然の帰結と、シナに進出している企業への何らかの示唆があってしかるべきかと・・・。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
シナは、それをしようともしない。民主国家じゃないから、求めること自体が無茶だと、周りが思っちゃってる。怖いよ、シナは。東トルキスタンやチベット、内モンゴルの人たちがどんな目にあってるか。わずかながらに漏れ伝わってくる部分もあるから、よけいに怖いよ。油断すりゃ、あんな目に合わされる。尖閣一つからそれが始まる。
経済成長のなかで、国内に大きな矛盾を抱えてしまったシナは、痛みを伴う経済の構造改革に着手しなければならない。経済成長のなかで生み出された貧富の格差への不満は、高度な成長が続いている間はどうにかその成長分に吸収されていた。成長が止まれば、残るのは放置された不満と、新たに生まれる痛みだけだ。不満と痛みを原因とする怒りが、正当に、政治責任を追うべき中国共産党に向けられること。それが何よりも、シナ政府が恐れるところである。
中国共産党が、その支配の正当性を国民に納得させる方法が、もう一つある。他国に対して、中国共産党が主張するシナの領土を確保してみせることである。具体的に言えば、東トルキスタン、チベット、内モンゴルを押さえつけ、東南アジアや日本を軍事力で脅しつけ、際どい行動でアメリカを沈黙させ、金でヨーロッパを飼いならすことだ。
実は、経済は完全に破綻した。残されたのはも一つの方法だけになってしまった。それが、今のシナの状況だ。
『北京レポート 腐食する中国経済』 大越匡洋 日本経済新聞出版社 ¥ 1,728穏やかに、だが確実に、体制の矛盾が国を蝕む |
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そこまで切羽詰ったようには見えないけど、日本人の目にもつきやすいシナ人は中間層で、すでに豊かさを得た人たちである。彼らは、口では愛国を唱えながら、自分の子供や財産をいち早く国外に脱出させている。
一方、一生をバブル崩壊後の国内で過ごすしかない人たち、なかなか日本人の目にはつきにくいシナ人たちは、すでにちょくちょく暴れている。痛みを伴う改革は、もう始まっている。“鉄”の過剰は、世界にデフレを輸出した。『迅速に具体的な対策を取らなければ根本問題は解決されず、各国は中国に対して通商措置を取らざるを得なくなる』という発言は、16年4月、OECDで米国が中国を名指しで批判したものである。その状況は、10月を迎えた今も変わらない。
シナの経済統計が疑わしいことは、今では常識である。公表される数字より、遥かに現在のシナが直面する経済状況は深刻である。・・・それも、言い尽くされたことだ。
「中国共産党の支配体制は、外から見る以上にきしみ、歪んでいる」と著者は言っている。同時に、「庶民の強かさや底力、くじけないしなやかさには、ハードランディング論や崩壊論に違和感を抱かされる」とも言っている。たしかに、シナ人の強かさには、底の知れない部分さえある。だけど、おそらくそれは、中国共産党支配が動揺した時に発揮されるものだろう。そして、すでにその動揺は始まってるんじゃないかな。
いろいろと、要人の発言を細かくチェックして、経済指標と見比べて、それもシナのものは信用出来ないので、いろいろと検証して、これだけのものを書くのは大変だったろうと思う。著者は、日本経済新聞の中国総局にいて、シナの経済を正面から取材したんだそうです。資料に基づいた坦々とした展開は好感のもてるところだけど、やっぱり勤め人の悲しさか。ここまで書いたんだったら、当然の帰結と、シナに進出している企業への何らかの示唆があってしかるべきかと・・・。


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