めんどくせぇことばかり 『縄文の神』 戸矢学

『縄文の神』 戸矢学

日本固有の民族信仰、つまり古神道から神社神道へ移り変わっていく信仰は、自然信仰が原則であって、偶像を持たなかった。山や岩や木を拝み、特定の姿を求めなかった。

しかし、仏教が伝来するに及び、寺院に似せて神社が作られるようになり、本殿には「御神体」が祀られた。御神体は鏡が最も多く、他に剣や勾玉があり、それが神の依代となる。それでも御神体に依ります神は、姿はなく、神威のみの存在である。

縄文の信仰形態は各地に残される。熊野信仰は三社よりなる。家都御子大神を祀る熊野本宮大社。熊野速玉大神を祀る熊野速玉大社。熊野夫須美大神を祀る熊野那智大社。いずれの神も記紀には登場しない。

「ケツミコ」の「ミコ」は巫女。「ケツ」は御饌津神・御食津神の「ケツ」。「御」は尊称。「ケ」を現すのは「饌」「食」で食べ物をさす。「ツ」を現す「津」は、“~の”という意味で、全体では食物神ということ。古事記では大宜津比売神、おそらく大食津比売は殺されることで、そこから様々な食物を生み出した。死体から農作物が生まれるとするのは神話のパターンで、「ハイヌウェレ型神話」という。この食物起源神話は弥生より古く、つまり、縄文の神である。

『縄文の神』    戸矢学
河出書房新社  ¥ 1,944

よみがえる精霊信仰 縄文の名残の中にこそ、日本人の原点がある
第一章  ヒモロギ信仰 縄文人の森
第二章  イワクラ信仰 縄文人の岩
第三章  カンナビ信仰 縄文人の山
第四章  コトダマ信仰 縄文人の言葉
第五章  ムスヒ信仰  縄文人の霊

殺すと、その死体から“生まれる”と言えば、縄文の遺物である土偶は、みんなわざと壊された状態で発見されるんだそうだ。土偶に災いを肩代わりしてもらうことためというのが理由らしい。・・・流し雛みたいなもんかな。そう言えば、月山山頂に入るときは、人形(ひとがた)に穢を移して水に流すとか。月山信仰は縄文由来だな。著者は、御食津神を「ミケツカミ」と書いて、「ミキツネカミ(三狐神)」と変化し、狐は神の使いという俗信が生まれたとしている。・・・とてもおもしろい。

名前って大事なんだね。その転化っていうの? 移り変わってるんだね。そう言えば、熊野。「クマ」は「コモリ(隠)」とする説や、「クマノ」は「カミノ(神野)」とする説があって、いずれにしても、《あの世》なんだってさ。で、「コモリノ(隠り野)」が「クマノ(熊野)」になったらしいってさ。

それから、火山。浅間神社っていうのがあっちこっちにあるじゃないですか。うちは埼玉の東松山だけど、うちの近所にもあるもの。火山はないけど。火山はないけど、空気が澄んでる日には、北西の方角に浅間山が見える。

この本によれば、火山はすべて「あさま」だったって。「あさま」は「あそま」から転化した言葉で、「あそま」は「あそ(阿蘇)」のことだってさ。「あそ+やま」→「あそやま」→「あさま」に変わったんだ。

富士山の神様の名前は浅間大神で、古い縄文の神。多くの場合、縄文の神は弥生の神に取って代わられるか、隠されるらしい。そう言えば、富士本宮浅間大社のHPを見ると、祭神は「木花之佐久夜毘売命 別称 浅間大神」とある。こういうふうに置き換えられていったんかな。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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