ヨーロッパ危機(覚書)『「世界大波乱」でも日本の優位は続く』 長谷川慶太郎
世界の様相が、なんだかとてつもなく際どいよね、この頃。良いにしろ、悪いにしろ、どこかゆとりがなくてさ。そういう状況が世界をリードしなきゃいけない国々においても常態化している。国連安保理常任理事国を考えてみてよ。シナがあのざま。ロシアがこのザマ。フランスがアップアップ。英国はどんぶらこ。・・・アメリカ?・・・アメリカはヒラリーとトランプで、やっぱりトランプの方がほんの少しだけマシだったんかな。
日本は“失われた20年”なんて言われながら、厳しい時代だったのは間違いないけど、世界と比べれば最低じゃないし、なんというか、悪いと言っても逃げ場がないじゃなかった。
でも、シナやロシアの現状って、逃げ場がないもんね。どこにもね。イギリスやフランスがグローバル化の行き過ぎに首を傾げたって、あそこまで行っちゃあ、戻るたって、戻ることのほうが流れる血の量が多いだろう。アメリカ?アメリカは、だってねえ。難民が目指すほどの魅力が、まだアメリカにあるってだけで見っけもんだと思うけどな。
だから景気が良いとか悪いとか、そういうことの前に、その国の国民がどういう世の中を作ってきたか。本当の問題は、そこにしかない。
イギリスって国には、働く者が2種類いて、一方はサラリーマンって呼ばれて毎月1回、前払いの月給を受け取る。一方はワーカーって呼ばれて毎週金曜日に、後払いの週休を受け取る。大英帝国時代なら、不満があっても吸収できたろうけど、今は移民たちに、ワーカーたちだけじゃなく、サラリーマンたちまで仕事を食い荒らされてるからね。
そういう国を作ってきたんだな、イギリス人は・・・。

EUで問題なのは、スペインでもギリシャでもなくて、今、ドイツや、イギリス・フランスの銀行の経営状態が悪いんだそうだ。ヨーロッパの危機は、イギリスのEU離脱よりも、主要国の銀行の経営状態にある。現状は、そんな危機的状況に、イギリスのEU離脱が加わったという状況である。
イギリス国民がEU離脱を決めたことで、ポンドは大きく下落した。ポンドの価値が下がれば、ポンド建て債権も下がる。それだけイギリス金融界は不良債権を抱えることになる。
ここ数年、イギリス産業界をリードしたのは、タタやタミルなどのインド系企業であるが、これが今、シナのダンピングで不振に陥っている。そこへ金融不況が重なれば、イギリスは持たない。焦ってシナに頼ろうとAIIBにも手を伸ばす醜態を晒したが、AIIBは長期債を発行できなかったので、もうシナにも頼れない。
ヨーロッパのデフレは始まっており、不動産価格の下落が続けば、金融機関の不良債権はもっと膨らむ。イギリスのEU離脱選択でポンド建て債権が下落しており、そちらからの不良債権が重なってイギリスの銀行は厳しい。もし1行でも潰れればどうなるか。イギリス発の金融危機が起これば、たとえば現状でも経営が苦しいドイチュバンクが無事でいられるか。どうにも、自体は深刻のようだ。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
日本は“失われた20年”なんて言われながら、厳しい時代だったのは間違いないけど、世界と比べれば最低じゃないし、なんというか、悪いと言っても逃げ場がないじゃなかった。
でも、シナやロシアの現状って、逃げ場がないもんね。どこにもね。イギリスやフランスがグローバル化の行き過ぎに首を傾げたって、あそこまで行っちゃあ、戻るたって、戻ることのほうが流れる血の量が多いだろう。アメリカ?アメリカは、だってねえ。難民が目指すほどの魅力が、まだアメリカにあるってだけで見っけもんだと思うけどな。
だから景気が良いとか悪いとか、そういうことの前に、その国の国民がどういう世の中を作ってきたか。本当の問題は、そこにしかない。
イギリスって国には、働く者が2種類いて、一方はサラリーマンって呼ばれて毎月1回、前払いの月給を受け取る。一方はワーカーって呼ばれて毎週金曜日に、後払いの週休を受け取る。大英帝国時代なら、不満があっても吸収できたろうけど、今は移民たちに、ワーカーたちだけじゃなく、サラリーマンたちまで仕事を食い荒らされてるからね。
そういう国を作ってきたんだな、イギリス人は・・・。
『「世界大波乱」でも日本の優位は続く』 長谷川慶太郎 PHP研究所 ¥ 1,620英EU離脱ショック、チャイナ・バブル崩壊、ロシア・北朝鮮の暴走。それでも安泰な日本 |
EUで問題なのは、スペインでもギリシャでもなくて、今、ドイツや、イギリス・フランスの銀行の経営状態が悪いんだそうだ。ヨーロッパの危機は、イギリスのEU離脱よりも、主要国の銀行の経営状態にある。現状は、そんな危機的状況に、イギリスのEU離脱が加わったという状況である。
イギリス国民がEU離脱を決めたことで、ポンドは大きく下落した。ポンドの価値が下がれば、ポンド建て債権も下がる。それだけイギリス金融界は不良債権を抱えることになる。
ここ数年、イギリス産業界をリードしたのは、タタやタミルなどのインド系企業であるが、これが今、シナのダンピングで不振に陥っている。そこへ金融不況が重なれば、イギリスは持たない。焦ってシナに頼ろうとAIIBにも手を伸ばす醜態を晒したが、AIIBは長期債を発行できなかったので、もうシナにも頼れない。
ヨーロッパのデフレは始まっており、不動産価格の下落が続けば、金融機関の不良債権はもっと膨らむ。イギリスのEU離脱選択でポンド建て債権が下落しており、そちらからの不良債権が重なってイギリスの銀行は厳しい。もし1行でも潰れればどうなるか。イギリス発の金融危機が起これば、たとえば現状でも経営が苦しいドイチュバンクが無事でいられるか。どうにも、自体は深刻のようだ。


- 関連記事
-
- ドイツとチェコ(覚書)『「世界大波乱」でも日本の優位は続く』 長谷川慶太郎 (2016/11/23)
- 踊らされる日米(覚書)『アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄』 江崎道朗 (2016/11/20)
- ヨーロッパ危機(覚書)『「世界大波乱」でも日本の優位は続く』 長谷川慶太郎 (2016/11/19)
- レーニンの想定(覚書)『アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄』 江崎道朗 (2016/11/18)
- 『アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄』 江崎道朗 (2016/11/15)