めんどくせぇことばかり 朱子学・封建制(覚書)『日本人の武器としての世界史講座』 茂木誠

朱子学・封建制(覚書)『日本人の武器としての世界史講座』 茂木誠

ちょっと、表紙と、それから題名自体が、硬すぎる。たしかに最近、“世界史”がもてはやされているような感じがある。実質的には、“地政学としての世界史”なんだけどね。だからといって、油断してはいけない。一般の方々は、できれば、世界史とは一生関わりを持たずに生きていこうとしている。“地政学”がどうの、“世界史”がどうのって少しでも食指を動かしているのは、もともとが、かつて世界史をかじった人だろうと思う。

だから、そんなに自信を持ってはいけない。少しでも食指を動かしているお客さんを逃してはいけないし、今はまだ、そこまでいかなくても、国際ニュースには関心を持っているって人たちを惹きつけなければならない。それなのに、この四角四面の表紙の図柄。それに題名。題名に“世界史”なんて言葉を入れちゃあダメだよ。お客さんが逃げちゃうよ。“世界のできごと”とかさ。“海外のあれこれ”とかさ。

でも、内容は分かりやすいよ。構成もいい。私たち日本人の、世界に関わる関心を軸に構成されている。シナ、おまけに韓国は、どうしてあんなに偉そうなのか。イスラム世界はどうしたあんなにも混乱しているのか。欧米がリードする社会とは、どのようにしてできあがり、今後はどうなっていくのか。アメリカをリーダーとする世界は、このあとも続くのか。今、日本人が関心を持っていることって、そんなところですよね。そこから離れた余分なことには触れないで、多くの人の疑問に答えるために書かれている。

だから、読んでもらえば大丈夫。だけど、この表紙と題名じゃ、もしかしたら手に持ってもらえないんじゃないか。私の不安は、まさにそこにある。

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世界史の知識があると、ニュースがこんなに面白くなる
第1章  日中・日韓関係史を理解する
第2章  一神教を理解する
第3章  ヨーロッパ文明の源を理解する
第4章  近代ヨーロッパを理解する
第5章  アメリカ合衆国を理解する


日本列島に稲作が伝来したのは、紀元前5世紀。それは、呉王夫差が越王勾践に滅ぼされた時期に当たる。この呉越の動乱で発生した難民が、東シナ海を越えて日本に稲作を伝えたと考えられる。実際、日本で作られている稲のDNAを調べた結果、その起源は長江下流域、呉越の存在した地方であることが確認されている。そういえば、日本には、呉もあれば、越もある。魏志倭人伝のに書かれる邪馬台国の黥面・文身の風習は、まさしく呉越の人の風習であるという。

日本列島にとっては、きわめて大きな影響があったろうが、日本列島にはその根底に、縄文という分厚い歴史がある。日本列島がそれを受け入れたのであって、その逆ではないということだ。それは元来、この列島に備わった能力なのだろう。

大きな影響を及ぼしたということでは、朱子学もそうだ。世界は物質(気)から発する感情(情)を、宇宙の法則(理)から発する理性がコントロールして人となる。ゆえに、森羅万象について、理と気の割合によって上下の序列をつけることができる。上位のものが下位のものを、支配指導すると考えるのが大義名分論である。

はてさて、なんでシナや韓国が、日本に対してあんなにも偉そうなのか。なんか、そのへんに関係がありそうですね。ピンポーン、その通り。

宇宙の秩序の一番下が木や石。木や石には理性がないからね。・・・もうこのへんから、日本の考え方とは根本的に違うんだよね。次が禽獣。鳥や動物は自分の意志で動くものの、理性ではなく、食欲や性欲に支配されている。その上が人間。だけど、人間にも序列があって、一番上が聖人で、完全に理性だけに従っていて、感情をコントロールしている。次の君子は聖人をめざしている人。・・・この関係は、仏と菩薩の関係と一緒だな。知識人や、科挙受験生、インテリがこれに当たる。その下が小人。読み書きもできず、日々の生活に追われる一般庶民。その彼らでも、聖人の教えを守れば、君子を目指せる。その下が夷狄。そもそも漢字も知らない異民族。この連中は日本足で歩く禽獣のようなもの。

小人以上が中華で、夷狄は禽獣のようなもの。日本人はここに属する。文明人と野蛮人の区別(華夷の別)をはっきりし、夷狄が中華を圧迫するようなことがあってはならないという教え。


単に、封建制度と言っても、シナ古代のものもあり、ヨーロッパ中世封建制度、江戸時代の幕藩体制も封建制度と言われる。ここで取り上げられるのは、シナ古代、周王朝時代から春秋戦国時代の封建制度に関して。

日本の江戸時代や、ヨーロッパ中世の封建制度に比べて、土地支配の認可を媒介とする主従関係という意味では同じだが、シナの特殊性は、主君と地方支配を任された臣下との間にも、基本的には血族の関係が働いているという点にある。とにかく、血のつながりっていうのが、なにを差し置いても重要なのね。

“封”は、領地の周りに目印として巡らせた盛り土のことだそうだ。いわば、国境線ですね。中国の都市国家、“邑”は、周りを城壁に囲まれていて、南側に門がある。邑の住民は城壁の外側に土地を持っていて、昼間は農作業に出かけ、夜は邑に戻る。

原則的に、同じ邑に住むものは血縁により結ばれた大家族。これを宗族といい、同じ祖先を祭り、同じ姓を名のる男系血族集団。

その邑に暮らす女は、未婚か、他の邑から嫁いできた女で、女は嫁いでも、自分の親と同じ姓を名のる。つまり嫁いだ女は嫁ぎ先の一族に入れてもらえず、その産んだ子から、一族の一員になる。嫁いだ女は、嫁ぎ先にとっては、人質の役割も果たしていた。

だから嫁いだ女にとって、嫁ぎ先の一族とは、名目的には死ぬまで溶け合わないし、自分の父の一族との紐帯のほうが強い。漢の呂后、唐の則天武后、清の西太后のように、国を簒奪するような女が現れる理由もそこにある。




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「歴史修正主義」とは、戦前の日独をことさら評価する史観ではない。
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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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