めんどくせぇことばかり 『ラストレシピ』 加藤経一

『ラストレシピ』 加藤経一

2014年6月刊行の、『麒麟の舌を持つ男』の改題バージョンだそうです。もう、2年も前に出てた本なんだ。
第二次世界対戦中に、天才料理人直太朗が完成させたという究極の料理を蘇らせてほしいと依頼された“最後の料理請負人”の佐々木充。彼はそれを再現する過程で、そのレシピが怖ろしい陰謀をはらんでいたことに気づく。直太朗が料理に人生をかける背景で、歴史を揺るがすある計画が動いていたのだ。料理に導かれ、70年越しの謎に迫る、感動の傑作ミステリー。
・・・、というのが、裏表紙に書かれたふれ込みなんだけど、ちょっともったいない感じ。

著者は、田中経一さん。フジテレビで、《料理の鉄人》のディレクターをしてた人だって。その番組のなかで、田中さんは出場する料理人の人生に触れる経験をされたそうだ。この本にも登場する料理人の習性や、パトロンとの付き合い、リアルな人間関係は、それらの料理人との深い関わりのなかで体得されたことのようだ。


幻冬舎文庫  ¥ 745

絶対味覚を持つ佐々木充。ひょんなことから歴史をも揺るがす、ある計画に関わる

さっき、裏表紙のふれ込みにケチを付けた。少し安売りし過ぎかなって感じたからで、もちろんそれを目にしたのは読み終えたあとなんだけど、この内容の物語なら、“満州”と、あえてその名を出すだけで、言わなくても伝わる数々のことがある。“満州”を扱いながら、もったいないと感じたことは、物語の中にも、実はあった。

“満州”とまでいかなくても、この時代の日本人であれば、誰でも共通する気負いのようなものがあって、おそらく今より、遥かに物語になりやすい題材にあふれていた。ましてや、膨れ上がった気負いを世界中から袋叩きにされて、潰された。・・・物語の宝庫だ。にも関わらず、ほとんど書かれていない。ひとえに、あの時代がいまだに消化されていないことに原因がある。みんな、なにも語らなかった。周辺に、よく語る人たちがいる。彼らがあそこまで語るのは、日本人が一切語らないからだ。

だから、語ろうとすると、ついつい大上段に振りかぶって構えてしまう。大上段に振りかぶられて書かれた“満州”を読むのは、正直なところ、疲れるのだ。

あえて言ってしまえば、《歴史認識》に関しても、恐れなくていい。どんどん書いてもらいたい。どんどん書いていくなかで、問題にもなり、習性もされていくだろう。かと言って、責任を問うような真似はやめよう。表に出してくれたことを評価しよう。重ねていうが、あの時代はまだ、消化されていないのだ。

この本だって、ひどいもんだった。満州は中国人の国土で、日本は他人の地で好き勝手なことをして、中国人にひどいことをしたって。日本人にとって他人の地なら、シナ人にとってだって他人の土地。ひどいことなら、日本人も我慢に我慢を重ねた。あまつさえ、ストーリーに、取り立てて関係ないのに石井部隊の話を持ち出してくる始末。

でも、物語として面白かったし、そういった“認識”も、・・・大歓迎だ。口をつぐんでいるよりも、よっぽどいい。あの、“物語の宝庫”をもっともっと、表舞台に立たせることこそ、今はもっとも大事なことだと思う。

ぜひ、多くの方に、この本を読んでもらいたい。大変価値のある本だと思う。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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