めんどくせぇことばかり 最後の審判・予定説・民主主義(覚書)『日本人の武器としての世界史講座』 茂木誠

最後の審判・予定説・民主主義(覚書)『日本人の武器としての世界史講座』 茂木誠

『ヨハネ黙示録』によれば、最後の審判が起こる前に、千年間、キリストが地上を支配する。・・・それってなんか、仏教の末世思想が入ってるよね。最初の千年が正法の時代ってやつ。その、千年支配の終わりに異民族の侵入が始まり、やがて最後の審判が始まるってことになってるんだって。

最後の審判が1000年頃にあると、そういう捉え方があったってことを前提にすると、900年頃からノルマン人、ヴァイキングの活動が激しくなって、ヨーロッパを荒らし回るよね。実際、この世の終わりが訪れちゃった人もたくさんいた。東方からは、遊牧系マジャール人の侵攻が始まり、現在のハンガリーの地域に住み着いていて、黙示録の予言が成就に向かっていることが、キリスト教徒を震え上がらせていた。

教皇グレゴリウス7世と皇帝ハインリヒ4世の聖職叙任権闘争に決着がついたカノッサの屈辱が1077年。教皇の破門という武器が大きな効力を発揮した背景には、こうした事情もあった。その20年後、十字軍が始まったのも、同様。

ところが、最後の審判は始まらない。ローマ教皇から破門で脅された国王、諸侯たちは、大きな犠牲を払って十字軍の遠征に出かけ、得るものもなく帰ってきた。時には命を落とす場合もあった。次第に教皇に対する反発が高まった。1300年を過ぎ、最初に反逆したのは、フランス王フィリップ4世だった。

フィリップ4世は、教皇の、フランス国内の教会への課税を禁止し、フランス王が徴税した。教皇はフィリップ4世を破門するが、フィリップ4世は事前に、最初の三部会を招集し、聖職者、貴族、市民の支持を取り付けていた。逆に、フランス軍がローマに派遣され、逃げ回る教皇をアナーニで取り押さえた。教皇は憤死したという。アナーニ事件である。

これは、1000年頃のキリスト教世界に、世界の終わりが訪れ、最後の審判が行われるという“実感”があったということを考え合わせると、非常に理解が容易い。末法思想にとらわれた日本で浄土信仰が広がった平安時代も同じことのように思える。

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マックス・ヴェーバーは、カルヴァンの予定説は、結果として資本主義を準備したという説を展開した。すんなり受け入れるのは、そう簡単でもない。

こんな言葉を前提にしたらどうだろう。「神は一方的に裁く」
 
救うか、救わないか、そんなことはすでに定められたことであり、善行にしろ、信仰にしろ、神が人間の影響を受けるなどということはありえない。人間が、もし自分が救われることに望みを託すとすれば、常に善行を尽くし、常に信仰を厚くすることだ。一度たりとも、罪を犯してはいけない。その後で取り返すことは、できないからだ。

一度、犯した罪に対する裁きを、人間の善行や信仰で、神が変更することはない。最初から罪を侵さない。それしかない。人を殺さない。盗まない、贅沢をしない。食欲や性欲に身を任せるようなことはしない。SEXも静かにやる。

禁欲して一生懸命働いたら、お金がたまってしまった。・・・どうしよう。お金を貯めるなんて、とんでもない罪である。そうに教会から言われてきた。カルヴァンは「お金を自分の欲望のために使わず、さらに仕事に投資せよ」と勧めたことから、資本主義に結びついた。

言葉として成り立たないわけでもないけど、資本の蓄積と、投資による事業の拡大ということ自体が欲望の発露である。“結果としての蓄積”、“結果としての事業拡大”という事自体が、本来はありえないこと。神さまは、その欲望にだけは目をつぶったか。SEXの快楽に身を任せることさえ我慢したご褒美か。

だけど、カルヴァン派の教えが民主主義のもとになったっていうのは、まだ理解できる。カトリックは、ローマ教皇が教会を支配した。ルターは教会を支配するのは選帝侯たち、世俗権力でいいと考えた。イギリス国教会は、国王が教会の首長を兼ねた。カルヴァンは、教会を支配できるのは神だけと考えた。ただ、儀式の主催者として、長老を信徒の代表として選出した。牧師は、長老を補佐する聖書の専門家に過ぎない。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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