めんどくせぇことばかり ユダヤ教誕生(覚書)『日本人が教えたい新しい世界史』 宮脇淳子

ユダヤ教誕生(覚書)『日本人が教えたい新しい世界史』 宮脇淳子

素直な性質なもんだからねえ。ついつい、「はい、神さまが、こうして世界を創りました。そして、・・・」って進められる、ついつい、本当に、そういう成り行きがあったかのように受け止めてしまう。困ったもんだな。そな風に考えちゃあ、何にもわからなくなる。わからない方がいいっていう人が、誤魔化しやすくていいって人が、世の中には結構いから、喜ばれてしまいますね。

そうじゃあなくて、前7世紀の苦難こそが、ユダヤ教成立の契機となった。そう考えれば、ようやく見えてくるものの数は、結構たくさんある。

『旧約聖書』の主要部分は、前7世紀末、パレスティナのユダ王国で生まれた。しかし、ユダヤ人の歴史はそれよりも古い。紀元前11世紀末、ヘブライ人の12部族が統一されてイスラエル王国が建国される。このとき、12部族が結んだ同盟の契約を監視する神として選ばれたのがヤハウェ。この時のヤハウェは、まだ唯一神ではなく、イスラエル人もまだ一神教徒ではなかった。

そのあと、ユダ部族のダヴィデがイスラエル王となり、ペリシテ人を撃破してイェルサレムに都を定め、息子のソロモン王はヤハウェの大神殿を建設した。ソロモン王の死後、王国はダヴィデの家系に忠実な南部のユダ王国と、北部のイスラエル王国に分裂。200年後の前720年、イスラエル王国がアッシリアに滅ぼされ、北部10部族は帝国の各地に移住を強制されて消滅する。

前627年、アッシリアが滅ぶと、ユダ王国のヨシア王は北部を奪い返す。そして、ヨシア王の時代に、契約を前提としたヤハウェに対する一神教が登場する。イスラエルは、神に背いたがゆえに滅びた。それが一つの物語として、ユダ王国の人たちの心をとらえたからだ。そして彼らは、ヤハウェ以外の神々の神殿を破壊した。

『旧約聖書』の“創世記”に書かれたイスラエル人の始祖アブラハムの物語、出エジプト記におけるモーゼの活躍は、すべてあとから作られたものだった。

ともかく、そのヨシア王の一神教改革からわずか35年後、新バビロニアのネブカドネザル2世がイスラエルを攻め落としヤハウェの神殿を破壊して、ユダ王国の民をバビロニアに連れ去った。バビロン捕囚だな。さらに48年後の前538年、新バビロニアを滅ぼしたアケメネス朝ペルシャによっのキュロス王がユダ王国の遺民を解放した。この間、彼らがユダヤ人としてのアイデンティティによって強い紐帯で結ばれるのは、バビロン捕囚が大きなきっかけとなった。

アケメネス朝ペルシャの支配下に暮らすことになったユダヤ人は、おそらく、この時期にゾロアスター教の影響を受けていったのだろう。アレクサンダー大王時代以降はマケドニア人による支配の時代があり、その後、前140年に独立を達成。しかし、前63年にはローマの属国となる。紀元44年にはユダヤ王国は廃止されて、ユダヤはローマの属州となる。

ユダヤ人は何度も何度も反乱を起こし、紀元70年、ローマ軍がイェルサレムを占領、ヤハウェ神殿を破壊する。132年にユダヤ人が一斉蜂起。ローマは、3年かかってこの反乱を鎮圧したあと、ユダヤ人のイェルサレム立ち入りを禁止する。戦闘で、58万人のユダヤ人が殺され、無数の人々が飢餓や火災で死に、残ったユダヤ人は奴隷として海外に売られた。属州ユダヤは、その名称さえ奪われ、パレスティナに変更された。ペリシテ人の土地という意味である。

ようやく、ユダヤ人に対する組織的迫害が停止され、ラビの努力で蜂起解釈の集大成「ミシュナ」が完成。200年後、1年に1度だけ、ユダヤ人がイェルサレムの城壁の前に集まることが許された。


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歴史に「善悪二元論」を持ち込んではならない


最後の審判をおどろおどろしくあらわしたヨハネ黙示録の原型となった善悪二元論は、ユダヤ人がバビロンにとらわれていた時代からペルシャの支配下に生きた時代にかけて、ゾロアスター教の影響のもとに形作られた。

アッシリアによるイスラエル王国の滅亡と、新バビロニアによるバビロン捕囚の経験というのが、ユダヤ人に非常に大きな転機を与えたわけですね。さらに、体系化されたゾロアスター教の教えに触れて、それに強く感化された。大国のあいだにあって翻弄され、その狭間でしか存在し得なかった民族性を背景に、強烈な引力を持つ光明の神に対する信仰が再構築された。

それまで、ユダヤ12部族同盟契約の立会人のような立場に過ぎなかったヤハウェが、唯一の神となり、ユダヤ人は選ばれし民となる。周辺に次々と登場する大国は、メソポタミアの開放的な地形ゆえだが、大国に翻弄されるユダヤの民は、神によって試されているとこじつけた。

この時、おそらくヤハウェは、それまでとはまったく性質の違う神になったのだろう。
また私は、大きな白い御座と、そこに着座しておられる方を見た。地も天もその御前から逃げ去って、あとかたもなくなった。また私は、死んだ人々が、大きい者も、小さい者も御座の前に立っているのを見た。そして 、数々の書物が開かれた。また別の一つの書物も開かれたが、それはいのちの書であった。死んだ人々は、これらの書物に書き記されているところに従って、自分の行いに応じて裁かれた。審判
海はその中にいる死者を出し、死もハデスも、その中にいる死者を出した。そして人々はおのおの自分の行いに応じてさばかれた。それから、死とハデスとは、火の池に投げ込まれた。これが第二の死である。いのちの書に名の記されていない者はみな、この火の池に投げ込まれた。



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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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