めんどくせぇことばかり 『赤いヤッケの男』 安曇潤平

『赤いヤッケの男』 安曇潤平

一人で歩いていると、もう、神経が研ぎ澄まされちゃって、ちょっとした風の鳴き声、木と木のこすれる音、木漏れ日の揺らぎ、そんな小さな音や動きに、なぜか心がとらえられてしまう。いつも、いつもというわけじゃない。なんか、そういう場所があるんだよね。そんなこと、思いもよらないで歩いていることもあるのに、通るたびに研ぎ澄まされる、そんな場所。

ザックを後ろに引かれたことがある。ずいぶん前のこと。土曜日、半日仕事して、それから土合に向かう電車に飛び乗った。徐々に暗くなる中、1時間程度の避難小屋に向かう途中。1度じゃないよ。何度も、何度も、何度も・・・。こわかった~。

これはもっと前の話。どっか適当な場所にテント張ろうかなって、夕方から夜にかけて林道を歩いているとき、両側から木が茂っていたが、明るい月の木漏れ日で足元は不自由しない状態。・・・前方から月の木漏れ日が・・・。そう思ったら、月に照らされた自分の影は前に伸びている。じゃあ、前方の月あかりは・・・? そう思って見上げると、・・・木の葉の陰にうすぼんやり浮かんだ人の顔。

雲取に向かうお清平。茂みから聞こえる女に人の声。

いずれも、私は一人。いずれも、夕方から夜、そしてとっぷりと暮れたころ。やはり、“逢魔が時”はあやういね。


『赤いヤッケの男』    安曇潤平
MF文庫 ダ・ヴィンチ     ¥ 669

山の怪談の第一人者・安曇潤平が放つ、“山の霊異記”
八号道標
赤いヤッケの男
孔雀

笑う登山者
J岳駐車場
もう一人の客
残雪のK沢岳
クライマーズ・センス
銀のライター
ゾンデ
霧の梯子
牧美温泉
アタックザック
山小屋の掟
急行アルプス
究極の美食
追悼山行
カラビナ
鎌策婆
ハーケンは歌わない
荒峰旅館
暴風夜
N岳の夜
猿ぼぼ
八号道標とか、アタックザック、笑う登山者とか、山で死んだ人が登山者にたたるのはよくないよね。死んだんだったら、あきらめて成仏してほしいよね。山に関係なく殺されてさ。そんで、山に死体遺棄されたっていうのなら、化けて出るのは仕方ないけどさ。自分で山に行っといて、死んじゃったのはかわいそうだけど、そこに来た登山者にたたるってのは、そりゃ理屈が通らない。霧の梯子の女に人はかわいそうだけどね。あの場合は祟って出ても仕方がないか。

そうそう、死体遺棄するんだったら、秩父の山はやめてね。東京の人は、すぐ「“秩父”なら・・・」って思うのかな。よくないよ、そういうの。

・・・?「怖いんだろ」って? ・・・そうだよ、怖いんだよ。何か出てわけでもないのに、もう怖くて、怖くて仕方がなくて、どう気持ちを奮い立たせようと思っても、ぐぐぐぐぅって、引き込まれるように、嫌な予感に取り込まれていくことって、山ではあるんだよね。そんなときは、人里に降りた方がいい。ろくな目に合わないから。

でも、一番怖かったのは、山の中で野犬に遭遇したとき。これは怖かった。前足たたんでさ。野犬に戦闘態勢とられると、かなり怖いよ。あの時は、本当に危機を感じたもの。いろいろなものを投げて撃退することができたけどね。

急行アルプスとか、カラビナとか、猿ぼぼとか、牧美温泉とかさ、亡くなった方の温かい気持ちがしのばれるような話はいいね。やっぱりお化けでも、そういう話が好きよ。

読み終わっちゃったことが残念。もっと読みたいな。ちょっと怖い話でもいいからさ。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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