めんどくせぇことばかり 女とゾルゲ(覚書)『汝の名はスパイ、裏切り者、あるいは詐欺師』 手島龍一

女とゾルゲ(覚書)『汝の名はスパイ、裏切り者、あるいは詐欺師』 手島龍一

女性はスパイ活動には適さないので、あまり利用しなかった。とくに日本の女性は、政治、経済、社会に関する教養が少なく、夫の職業についても関心がないので、政治家の夫人でも夫の仕事を知らないから、情報源としてほとんど利用価値がない。
本書p198
取り調べに対して、ゾルゲが語ったところだそうだ。ゾルゲは、関係した女たちに取り調べが及ばないように、担当の取調官に匂わせていたようなので、特に日本女性に対しては、あえてそう語った部分もあるだろうけどね。

だけど、逆に言えば、「身体だけが目的でした」ということで、それはそれで考えものだと思うんだけどな。

バクー油田をもとに、コミンテルンは潤沢な資金を諜報活動に費やした。スターリンにその“目”があったということだって考え方もあるかもしれないが、けっこうこの部分、共産主義者に共通していることを考えると、共産主義ってものが、そういう能力の裏付けを持っている。つまり、資本主義という、強力な力を持った絶対悪を倒すためには、あらゆる手段が正当化される。そういう、マルクス以来の信念が、共産主義にそういう力を持たせている。

金はある。共産主義者としての、マルクス以来の信念もある。だけど、おそらくそれだけでは、まったく足りなかったはずだ。もう一つが、人間としての魅力。国土を焦土化され、300万を超える死者を出して戦争に負けたんだから、できれば自分の手で八つ裂きにしてやりたいくらいだけど、その魅力だけは、認めざるをえないだろう。

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磁力のようなスパイの魅力に抗えず、人はいつか、秘密を語り始まる
第一章  「パナマ文書」の紳士録
第二章  「パナマの仕立屋」の世界
第三章  パーフェクト・スパイの迷宮
第四章  伝説のスパイの現像
第五章  裏切りの風土ーダブル・エージェントとは何者か
第六章  銀座を愛したスパイ
第七章  サイバースペースの反逆者
 

旧伯爵家のご令嬢なんていうから誰のことかと思ったら、ただの山本権兵衛の孫娘だけど、「何も引き出せる情報はなかった」とゾルゲが言うとおり、ただの身体だけの付き合いか。終戦直後、焼け跡の銀座通りをさっそうと闊歩していた山本権兵衛の孫娘を見かけたと美輪明宏が言っているという。すこし、足りなかったんだろうか。

ドイツ大使館月の武官オイゲン・オット将軍の妻ヘルマ夫人の寝室に、ゾルゲは出入り自由だったそうだ。日本夫人と違ってドイツ人婦人は、夫の仕事に関心があり、政治、経済、社会的教養も豊かな存在であったらしい。

ゾルゲを取り巻く日本女性の一人に石井花子という女がいる。彼女の手による『人間ゾルゲ』が角川文庫から出ているそうだが、ゾルゲが借りる日本家屋に週に二度のペースで通っていたという。

ゾルゲは、女に利用価値があるなら、多少、作りがだいたいな女でも抱いてやる。精神的不安定から秘密を保てない恐れがあるなら、精神的な安定をもたらすために、その女を抱いてやる。それは、彼にとっての、共産主義者としての正義を貫くための“仕事”なのだ。

ただ、日本女性は違う。

リヒャルト・ゾルゲだの、尾崎秀実だの、いまだに持ち上げる風潮で取り上げる人がいるのには驚いてしまう。




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「歴史修正主義」とは、戦前の日独をことさら評価する史観ではない。
米英両国の外交に過ちはなかったのか。
あったとすればそれは何だったのか。
それを真摯に探ろうとする歴史観だ。
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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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