めんどくせぇことばかり 『げんきな日本論』 橋爪大三郎・大澤真幸

『げんきな日本論』 橋爪大三郎・大澤真幸

ずい分前の話だけど、哲学の専門の方から、「世界史にしろ、日本史にしろ、歴史っていうのは学問として成立しているのか」って言われたことがある。そん時は悔しくて、なんのかんのと言い返したくらいの記憶しかないんだけど、なんか、言われてみれば、たしかにその通り。《明日を生きる糧》なんてところから、あんまりにも遠くかけ離れて、それこそ《学者や教科書業者の給料》のための学問かと疑うばかり。それも、戦後民主主義教育における既得権益の中での話で、韓国や、シナの様子を見れば、戦後日本の歴史教育というのが、そっちの人のために存在していたのがよくわかる。それはそれで、哲学はもっと罪深いと思うけどね。

この本は、“日本論”として、日本の歴史を語っている本。どういうもんなんでしょうね。橋爪大三郎さんも大澤真幸さんも社会学の人ですね。社会学も、詰めていけば、歴史に言及してくるのは当然でしょうけど、門外漢の方の書いたもののほうが、遥かに面白いってのは、困ったもんですね。

視点の新鮮さに驚いて、すでに二度ほど覚書を書いてしまいましたが、読んでいて、つくづく思いました。私は何も、玄人ぶっているつもりはないのですが、こうやって、人から“疑問”として提示されるまで、決まりきった事のように思ってたんですからね。“新鮮な視点”に関しては、のちほど下にある目次で確認してください。


『元気な日本論』    橋爪大三郎・大沢真幸
講談社現代新書  ¥ 994

日本列島で起こったあれこれの出来事が、人類史の中でどういう意味を持つのか
第一部 はじまりの日本
 1 なぜ日本の土器は、世界で一番古いのか
 2 なぜ日本には、青銅器時代がないのか
 3 なぜ日本では、大きな古墳が作られたのか
 4 なぜ日本には、天皇がいるのか
 5 なぜ日本人は、仏教を受け入れたのか
 6 なぜ日本は、律令制を受け入れたのか
第二部 なかほどの日本
 7 なぜ日本には、貴族なるものが存在するのか
 8 なぜ日本には、源氏物語が存在するのか
 9 なぜ日本では、院政なるものが生まれるのか
 10 なぜ日本には、武士なるものが存在するのか
 11 なぜ日本には、幕府なるものが存在するのか
 12 なぜ日本人は、一揆なるものを結ぶのか 
第三部 たけなわの日本
 13 なぜ信長は、安土城をつくったのか
 14 なぜ秀吉は、朝鮮に攻め込んだのか
 15 なぜ鉄砲は、市民社会を生まなかったか
 16 なぜ江戸時代に、儒-国-蘭学が学ばれたか
 17 なぜ武士は、尊王思想に取り込まれたか
 18 なぜ攘夷のはずが、開国になるのか 

こうして目次を見てみると、日本人の特性を考えるにおいて、歴史は素材の宝庫であることがわかりますね。項目によって、薄い、厚いはありますが、それぞれいずれも新鮮であることは間違いありません。“新鮮”っていうのは、「そんな話聞いたことが無い」って意味じゃなくて、これまでにもいろいろな方のアプローチがあります。そういうものであっても、味付けは全然違ってますから、新鮮味に変わりありません。

井沢元彦さんの本には強い影響を受けました。読んでいる人も多いと思いますが、『逆説の日本史』ね。井沢さんは日本人の心情や宗教心まで、もっともっと踏み込んで書いている。それに比べるとこの本は、とても新鮮な問題提起であるにも関わらず、多くの場合、それ以上に踏み込んではいません。

世界と同じような条件下にあって、なぜか日本では世界と違う現象が現れる。そういうことがあれば、それは日本の特性ですね。もしも、そこになにか共通するものがあると知れば、それには日本人の“芯”なのかもしれないですよね。

鉄砲がどのように社会を変えたか。それをめぐって、面白い言葉が登場した。『鉄砲史観』。日本は鉄砲を導入したものの、武士は刀にこだわった。だから、鉄砲を足軽に持たせた。足軽の鉄砲は武士を一発で殺すことができるのに、日本では、最後まで鉄砲を使う者が軽視された。

ヨーロッパでは、鉄砲によって社会に集団化、平等化の圧力がかかっていき、絶対君主に抵抗する鉄砲を持った市民階級が登場する。しかし日本では、鉄砲の登場が戦国を終わらせ、幕藩体制が確立して鉄砲が廃れることになる。鉄砲の登場が、身分制を確立させる方向への圧力となる。

面白そうでしょ。一項目一項目、読むこと自体が新鮮です。ぜひ・・・!




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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