めんどくせぇことばかり 『世界大地殻変動でどうなる日本経済』 宮崎正弘・渡邉哲

『世界大地殻変動でどうなる日本経済』 宮崎正弘・渡邉哲

昨年6月におけるアメリカの失業率は4.9%。日本の昨年12月段階における失業率が3.1%。就業には、常に流動性があるので、日米のこの失業率は、どちらも完全雇用の状態を意味するんだそうです。まあ、日本よりもアメリカの労働者の方が流動性が高いということですね。

いずれにしても、悪い数字ではない。だけど、両国ともに、問題を抱えていないわけじゃない。

日本は、やはり消費税率を8%に上げたことで、“アベノミクスでアクセルを踏みながら急ブレーキをかけたために、スピンした状態”と、この本は面白い表現をしている。本書の両氏は、“いまだにスピン状態”と、先行きもどちらかといえば悲観的に見ておられる様子。でも、失われた20年による委縮は大きいが、そこで生み出されたものが新しい武器にもなっているところがある。

心配なのは、両氏も触れておられるが、経済そのものよりも、戦後知識人、マスコミ、教育界の、いまだに大きな社会への影響力じゃないかな。何をするにしたってそれらの人たちが立ちはだかって、日本社会は身動きが取れない。日本社会の問題の本質は、経済ではなく、経済にまで悪質な影響を与える、それらの存在じゃないかな。

さて、アメリカ。トランプががなり立てるけど、アメリカ経済は悪いようには見えない。「雇用が、雇用が」ってうるさいけど、雇用はある。さっき言ったように、実質完全雇用状態。経済を見ても決して悪くない。パナマ文書問題をきっかけに低所得層の就業率も向上し、賃金も上昇する兆候が表れているという。

問題となるのは、ラテン・アメリカ諸国の経済状態。ちょっと前の資源の高騰で潤った国々が、今、青息吐息。ここでアメリカが利上げをすると、ラテン・アメリカに入っていた資金が引き上げられて、アメリカに還流する。泣きっ面にハチ状態になるのが、本書によれば、ベネズエラ・ブラジルを皮切りに、アルゼンチン・パラグアイ・ウルグアイ・チリ・ボリビア・エクアドル。・・・みんな?

ところが、これらの国の経済状況が悪くなると、アメリカで多いラテン系の移民が、さらに増える。トランプは、メキシコとの国境に壁を作って、金はメキシコから巻き上げるって言ってるけど、そこはもともとアメリカの裏庭じゃん。裏庭とは言っても、地盤のうちでしょ。

経済が好調ってことと裏腹で、アメリカはインフレが進行中。ほとんどバブル状態。アメリカって、ちょっと良くなると、すぐ悪乗りするんだな。日本なんか、一度の失敗で、いまだに委縮が続いてるのに。だからどうしても、利上げをして経済の引き締めたい。けどそれをやると、裏庭からにぎやかな連中がやってくる。・・・悩ましい状態なんだな。


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瀕死の欧州と米国、無理心中する中国と韓国
はじめに  貧者の一票が世界を変え始めた 渡邉哲也
第一章  プレグジットで英国よりも瀕死の欧州
第二章  米国経済の病理と利上げショック
第三章  トルコ政変で世界はゲームチェンジ
第四章  世界から嫌われ権力闘争激変で戦争に向かう習近平
第五章  経済大崩壊で無理心中する中国と韓国
第六章  世界大地殻変動でどうなる日本経済
終章  グローバリズムで衰退する世界、ナショナリズムで復活する日本
あとがき  文明(グローバリズム)から文化(ナショナリズム)へ 宮崎正弘


グローバリズムの本質は、・・・?

渡邉哲也さんは、「国家がない人々=反国家主義者」。宮崎正弘さんは、「アナーキズム」。いずれにせよ、国家への憎悪、国家で生きる者たちへの敵意を感じさせられる。愛国心が希薄で、国家という枠を憎んでいる人。ユダヤ人、中国人、・・・そして戦後の日本に大きな影響を与え続けてきた人たち。たしかに、渡邉さんが言う通り、リベラルとグローバリズムは、とても親和性が高い。

そんなもののために、日本は、日本に根ざしたいろいろないいものを、たくさん捨て去ってきた。今も、たくさん捨て去ろうとしている。

でも、グローバル化というアメリカ化を推し進めてきたアメリカは、そしてヨーロッパは、それを新興国に押し付けることで吸い上げてきた利益が、今はもう入ってこない。今や新興国から入ってくるのは安い労働力だけで、それが先進国の人々の雇用を奪う。今世界では、貧しい人々がグローバル化を先進国に求めている。

もはや、アメリカは、これまで通りのグローバル化という名のアメリカ化を、日本に求めることはなくなる。変化の兆しは明確だよね。働く人たちが会社を育て、その会社に勤めることで生活を維持し、その会社で働くこと自体を喜びとする人たちによって、会社の利益が社会に還元されていく。そんな会社、アメリカ人にすれば以上に見えるんだろうけど、日本人には真っ当に思える、そんな会社。

もう一度、取り戻したいもんですね。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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