めんどくせぇことばかり 第一次大戦(覚書)『戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実』 渡辺惣樹

第一次大戦(覚書)『戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実』 渡辺惣樹

1914年
6月28日 
サラエボ事件発生
7月23日
墺がセルビアに最後通牒を発する。暗殺事件の調査要求と墺も調査に参加することを要求。セルビアは墺の参加を拒否。この時点で墺は独の、セルビアは露の支援を取り付けていた。
7月28日
墺、セルビアに宣戦布告
7月29日
墺、ベオグラード攻撃開始
7月30日
露、全軍に動員命令
7月31日
独、露に対して動員解除を求める最後通牒
8月1日
独、露に宣戦布告。仏に対して中立を要求するが、仏は拒絶
8月3日
独、仏に宣戦布告
8月4日
独が仏攻撃のためにベルギー領の通過を求めるが、ベルギーが拒否。独軍、ベルギー侵攻。ベルギーの中立保障条約を根拠に英が対独宣戦布告
イギリスがベルギーの中立を保証する条約は、この時から70年も前のもので、対ドイツ戦争を始める根拠とするには的外れとは言わないが、教条主義に過ぎるとは言っていいだろう。

イギリスの参戦は、学校の授業でも、セルビアを支援するロシアとオーストリアの戦いが始まったことで、独墺同盟対三国協商の関係からそのまま巻き込まれたように扱われている。だけど、確かに協商は軍事同盟じゃないんだから、それだけを根拠に戦争しなきゃならないってのはおかしいよね。

そこで、念のため、“協商”っていうのが何なのか調べた。もとは、Ententeっていうつづりで、そのまま協商って言葉が出てくるけど、「親善関係を結んで協力しようという約束」っていう程度で、Treaty=条約というほどでもない場合に使う言葉らしい。ということなら、なおさらそれだけで巻き込まれるわけじゃないんだな。戦争するなら、それなりの根拠が必要。それが、70年前の中立保障条約くらいじゃ根拠つしてはふさわしくないってことね。

じゃあ、ドイツの攻撃を受ける立場にないイギリスが、わざわざ大陸のいざこざに首を突っ込んだ本当の理由はいったい何なのか。

例えば英仏協商は、その根拠にはならないとは言っても、ドイツの強大化の前に、英仏で喧嘩してる場合じゃないねってことだよね。ロシアやフランスがドイツと戦争を始めたから、この機に乗じてドイツをやっちまえと。ナポレオンの時もそうだったけど、大陸に強国が登場すると、その反対に回ってつぶしてしまう。それがイギリス外交の国是だというんだな。つまり、イギリスの参戦はパクス・ブリタニカを守るため、ひとえにイギリスの国益のための戦争だった。

そして、この時は誰も知らないけど、結果として、イギリスはじめ、ヨーロッパ全体の地盤沈下につながるドイツとの戦争を、最も強烈に主張していったのが、若き日のウィンストン・チャーチルだったそうだ。


文春新書  ¥ 1,188

チャーチルとルーズベルトがいなければ、第二次世界大戦は起こらなかった
第一章  第一次世界大戦の真実
第二章  第一次世界大戦後の歴史解釈に勝利した歴史修正主義
第三章  ドイツ再建とアメリカ国際法務事務所の台頭
第四章  ルーズベルト政権の誕生と対ソ宥和外交の始まり
第五章  イギリスの思惑とヒトラー
第六章  ヒトラーの攻勢とルーズベルト、チェンバレン、そしてチャーチル
第七章  ヒトラーのギャンブル


そして、第一次世界大戦と言えば、なんといってもウッドロー・ウィルソンの登場ですね。通常、一騎打ちになる米大統領選が、このとき共和党内の問題から人気のあるセオドア・ルーズベルトが新政党を作って立候補して、三つ巴の戦いになったんだそうだ。結局は、共和党の票が割れて、あっとびっくり、ウィルソン大統領の登場なんだって。
20130921113013808.jpgこのときウィルソンを熱烈に支援していたのがサンフランシスコ市長を務めたジェイムズ・フェラン。日本人の子供が学校で白人の子供と一緒に学ぶのを嫌って、日本人の子供をチャイナタウンのシナ人の学校に隔離した人物だ。

右は、フェランが使った1920年に使った選挙ポスターで、ほら、菊の御紋が入ってる。方や星条旗。

ウィルソンは人種差別主義者で、財務長官に抜擢された娘婿も、造幣局に黒人隔離を持ち込んだような奴だったらしい。
この、ウィルソンの時に、アメリカは第一次世界大戦に、わざわざイギリス以上に広い海を越えて参戦していったわけだ。よく言われるのは、客船ルシアタニア号を沈められたことが原因ということ。でも、イギリスへの武器の輸送は貨物船だけでなく、客船も使われていて、ルシタニア号にもレミントン社製の弾丸400万発が積まれていたことが、2008年の調査で分かった。

結局は、イギリスへの武器輸出をやめないアメリカに業を煮やしたドイツが、無制限潜水艦作戦を公言したことが大きいわけだけど、ロシアの退場で《民主主義国家対専制国家》という決めつけができるようになったことも大きい。

以下、本書に掲載されている、議会に対独宣戦布告の容認を求めるウィルソン大統領の、1917年4月2日の演説の一部を紹介する。
われわれに課せられた使命を遂行するためには命も財産も捧げることができる。すべてを投げ出すことができる。我が国がいかにして生まれ、そして幸福と安寧をどう作り上げてきたか。そのことを知る者は高い誇りを持っている。我が国はその誇りを持っているからこそ、理念のために戦い、血を流せる特別な国なのである。われわれにほかに取るべき道はない。神の加護あれ。

本当のことを知ってるものなら、唖然とするしかないような演説だけど、議会は一瞬の静寂ののち万雷の拍手に包まれたそうだ。・・・呆れ返る。ともあれ、混乱したヨーロッパにウィルソンがさらなる混乱をもたらす。そしてそれこそが、第二次世界大戦の原因となる。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
関連記事

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください
人気ブログランキングへ にほんブログ村 政治ブログへ


言葉は人の心をあらわします。
「歌は世につれ世は歌につれ」と言いますが、言葉についても同じことが言えるでしょう。
これから出る本


































当ブログ内人気図書 
















































カウンター
カテゴリ
ブロとも一覧
アジシオ次郎の時事原論
はりこのはやしや 
ハシビロコウ
素足のアイドル達
うさぎ屋の四方山話
わくわく株式投資
プロモデラー林哲平のジャンクロボット創作ブログ『ケルバーダイン』
大好き!グラビアアイドル!
伊織のブログ
Re:BAD TASTE♥
QWERT 5w1h
「伝わる技術」オトデザイナーズ・坂本真一
歌と知恵でハッピーライフ^^
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
最新記事
応援して下さい