めんどくせぇことばかり 『戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実』 渡辺惣樹

『戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実』 渡辺惣樹

アメリカの歴史家シドニー・フェイは、以下のように語っているそうだ。
「ベルサイユ条約では、あの戦争の責任はドイツとその同盟国にあると断罪した。今明らかになった証拠を鑑みれば、その判断は間違っている。従って、その解釈は修正されるべきだ」
「ドイツ単独責任論は連合国内に広く浸透している。関係諸国がその公式見解、あるいは法的解釈を変えるかと言えば、そう簡単ではなかろう。従って、まず歴史研究者の手によって歴史修正がなされなければならない。そしてそれを世論に訴えることが必要だ」

アメリカやイギリスでは、安倍首相は、すでに歴史修正主義者というレッテルを張られているそうだ。シナや韓国のゆがんだ努力もあるが、アメリカやイギリス自体にも、同様の“歪み”が存在する。なにしろ、しなくてもいい戦争に世界を引きずって、地獄の底に叩き込んだ張本人は、チャーチルでありFDRであるからだ。

しかし、上記、シドニー・フェイらの努力によって、第一次世界大戦の、ベルサイユ条約にかかわる間違った認識は、修正されつつある。そしてこの本も、その流れの中にある。

第二次世界大戦は不必要な戦争であった。最も大きな責任を負わなければならないのは、FDRとチャーチルである。


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チャーチルとルーズベルトがいなければ、第二次世界大戦は起こらなかった
第一章  第一次世界大戦の真実
第二章  第一次世界大戦後の歴史解釈に勝利した歴史修正主義
第三章  ドイツ再建とアメリカ国際法務事務所の台頭
第四章  ルーズベルト政権の誕生と対ソ宥和外交の始まり
第五章  イギリスの思惑とヒトラー
第六章  ヒトラーの攻勢とルーズベルト、チェンバレン、そしてチャーチル
第七章  ヒトラーのギャンブル

1914年に始まった、ヨーロッパの戦争。イギリスがこれに参加する大義名分はなかった。三国同盟対三国協商とか言われるが、英仏ロの間に、軍事的な約束事はなく、協商ゆえに参戦するというものではなかった。それを強引に参戦に引きずったのはチャーチルだった。チャーチルは大戦間においても対ドイツ強硬姿勢を貫いた。

ベルサイユ条約の過ちは、次第に認識されつつあった。ヒトラーはその修正に動き始めた。戦争の惨禍を避ける努力は行われていた。そのすべてをぶち壊したのが、FDRやチャーチルの不明である。

とくに、FDR。最も戦争を必要としていたのは、彼だ。彼の政権の下でアメリカが陥った経済的苦境は、もはや戦争によってしか取り戻すことのできない状況にあった。

FDRは、フーバー大統領がおそるおそる始めたケインズ的経済運営を批判して票を稼いだが、当選後は選挙公約を裏切ってケインズ的経済運営手法を積極的に導入し、国家財政を火の車とした。以下は、FDR政権下の失業率である。
1933年―24.9%1934年-21.7%1935年―20.1%
1936年―16.9%1937年―14.3%1938年―19.0%
1939年―17.2%1940年―14.6%
彼の実施したニューディール政策は、フーバー時代よりももっとアメリカ経済を混迷に落としただけだった。1936年で失業率が改善したのは復員兵へのボーナスが消費を刺激したからで、1938年には社会保障のための所得税で購買力が低下し、失業率が上がっている。1939年以降の改善は、ヨーロッパの戦争がようやく始まってくれたおかげである。

戦争をけしかけてきたFDRやチャーチルの“大間違い”を正当化する方法がたった一つある。ドイツと日本を極悪国として断罪すること。まあ、この本の中でも、戦争の原因をクリアにするために、ドイツの行ったユダヤ人差別は切り離されている。でも実際あったわけで、その分だけ極悪度に厚みが増すよね。ドイツと日本を世界制覇をたくらむ民主主義の敵に仕立てることで、自分たちの悪行を多い隠した。

「そりゃあ、ねぇじゃねぇか」なんて声を上げれば、歴史修正主義者として学問の世界から遠ざけられた。

とても読み応えのある、いい本でした。私、今日から、“歴史修正主義者”を名のることにいたします。
 



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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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