めんどくせぇことばかり 『鴨川食堂 おかわり』 柏井壽

『鴨川食堂 おかわり』 柏井壽

NHKのドラマで見ました。面白かったです。ショーケンが食堂の主、流役をやってました。まだまだ元気で、とても嬉しかったです。・・・で、「いまさら、なんでこの本?」と思われるでしょうが、特別わけはありません。ちょっと、気持ちが疲れていたんでしょう。人情の世界に触れてみたかったんです。

ドラマを見たのも、たまたまのことなんですが、この本を読んだら、ドラマの元になったお話がここにありました。内容は、下の目次に示した6編なんですが、冗漫になることを避け、脂身を削ぎ落として、淡白な味に仕上がってますね。その点は、ドラマ以上と言っていいでしょう。

他の本と一緒に積んでおきましたが、先程言ったとおり、世界情勢の本とか読んでたら、ちょっと気持ちが滅入って、この本を取ってペラペラめくってたら、1日、他の本に戻ることができなくなりました。日曜のお休み。孫が遊びに来ていましたが、テレビに釘付けになっている間、お昼寝の間に読みました。とてもいい休日を過ごすことができたような、ありがたい本でした。



小学館文庫  ¥ 616

お気持ちに見おうた分を、こちらに振り込んでもらえますか

第一話  海苔弁
第二話  ハンバーグ
第三話  クリスマスケーキ
第四話  焼飯
第五話  中華そば
第六話  天丼


《食を探す》、そうこの本では言っているけど、《思い出の味を再現する》っていうことですよね。鴨川食堂の主人である鴨川流は、料理人としての力量と、かつての職業である刑事としての犯罪捜査の経験、何より持ち前の人間味で依頼人の期待以上の料理を提供する。

“いついつ、どこどこの店で食べた”という話であれば、依頼人本人がそこへ行けばいい。“すでに店を閉じてしまっている”って言う時に、はじめて元犯罪捜査員の腕が意味を持つことになる。とは言え、これってかなり難しい捜査だよね。本当に見つけられるだろうか。さらに、“昔、死んだ母が作ってくれた”ってレベルの話になるとね。・・・そんなこと、考える必要ないか。ただただ、人情話に心を潤すことができればね。

幼いころの思い出の味の多くは、試行錯誤しながら、自分で再現した。って言ったって、土台が大した料理じゃない。ポテト、きゅうりもみ、ねぎみそ、たらし焼き、しゃくし菜炒め。素材+一手間だけだな。そういうの作って、しんみりしながら一杯やるのっていいよね。そういや最近、やってないな。ここ数年、心の余裕をなくしてたかな。

ただねぇ。本当に切なくなるほど再現したい味って、それとはまた違うんだよね。「野球の試合の日、ニワトリ小屋の前で、祖母に飲ませてもらった産みたて生卵」とか、「日曜日の昼に、母親が作って、家族みんなで食べたカレー」とか、「大学受験前日の夜に、井の頭公園に下宿してた兄貴が食わしてくれたとんかつ屋のとんかつ定食」とかって、その状況自体が“味”なんだよね。

その状況は、二度と再現することはできない。だから、切なくて涙が出る。

鴨川流は、それをやるわけだよね。そうそう、で、その味が、食べた依頼人に、実は本人でさえ忘れていたその時の状況を思い出させるわけだ。その時、依頼人が感じる切なさは、それは絶対に取り戻せないってことを思い知らされるから。・・・でも、だからこそ、人生は素晴らしい。

その仕事に応えようとする依頼人に流れが放つセリフが、「お気持ちに見おうた分を、こちらに振り込んでもらえますか」ということになる。そこまで言っちゃあ、カッコつけ過ぎってもんでしょう。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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