めんどくせぇことばかり アフリカ(覚書)『恐怖の地政学』 T・マーシャル

アフリカ(覚書)『恐怖の地政学』 T・マーシャル

アフリカのとある一地点を相手に伝えるときに、ついつい、頭蓋骨に例えちゃうことってない?「そうそう、ナイジェリアは後頭部の一番くぼんだあたり」とか、「ビクトリア湖は目玉の位置」とか、「喜望峰はあごだよ」とかさ。あれって良くないよね。なんとなく、“死”のイメージにつながりそうでさ。

それはそうと、アフリカを、地政学的にとらえるという考えを持ったことがなかった。それだけでも、この本を読んだ甲斐があった。

たしかに近現代史におけるアフリカは、大変だったよね。いまでこそ、「最後のフロンティア」なんて言われているけどさ。まだまだ、圧倒的に“困難”の方がでかい顔をしていますよね。そこにもやはり、地政学から解釈できる要素が多いらしい。そんな点を、覚書としてまとめさせてもらうことにしました。

そうそう、現生人類の発生については、ほぼ結論と言っていいでしょうね。多地域発生型よりも、アフリカ単一起源説が有力なようですね。つまり、現生人類も、アフリカで発生したご先祖様から世界中に拡散していったという説ね。ご先祖様はアフリカで生まれたんだから、私もアフリカ系日本人。

そんなことはともかく、アフリカはほかに先んじて発展を遂げるだけの時間的優位を持っていた。にもかかわらず、その優位はそれ以上の“困難”によって相殺され、それでも余って、さらにアフリカの足を引っ張り続けた。

さて、そこまでアフリカの足を引っ張り続けた“困難”とは、いったいどのようなことか。


『恐怖の地政学』    T・マーシャル

さくら舎 ¥ 1,944

地図と地形でわかる戦争・紛争の構図 物理的環境に突き動かされる世界 
第一章 中国 自然の巨大要塞と十四億の巨大不安
第二章 ロシア 果てしない大地と凍り続ける港
第三章 日本と朝鮮半島 侵略されたことのない国と虚勢を張る弱虫
第四章 アメリカ 地形によって運命づけられた史上最強の国
第五章 西ヨーロッパ 位置と地形に恵まれた楽園を脅かすほころび
第六章 アフリカ 天然資源と人為的国境線に苦しめられてきた人類の生誕地
第七章 中東 引かれたばかりの脆い国境線と血にまみれた道のり
第八章 インドとパキスタン 三千キロに及ぶ国境線と永遠に続く敵意
第九章 ラテンアメリカ 北アメリカと対照的な地形の不運
第十章 北極圏 新たな戦場となるか、強欲に打ち勝てるのか

アフリカの足を引っ張り続けた地政学的要因の一つ目は、病気。・・・これも地政学的要因として取り上げていいよね。蚊やツェツェバエが広く生育している環境や地域固有の風土病も多く、暑さや劣悪な住環境、不十分な医療インフラと、二次的原因もプラスして、今でもアフリカの足を引っ張り続けている。マラリア、黄熱病って野口英世が研究を進めた病気だよね。そうそう、おととしだっけ、ノーベル賞を取った大村智先生は、失明に至る風土病の特効薬を開発したんだよね。

サハラ以南では、エイズ被害はかなり深刻だってね。たとえば、マウライ。頭蓋骨でいえば、鼻、小鼻のあたり。そんなに危ない国じゃないけど、平均寿命が低い。55歳くらい。どうもエイズの蔓延が原因らしい。

昨年は、エボラ出血熱が話題になりましたよね。西ナイル熱は日本脳炎と似たような病気だそうですね。最近、よく聞くのがアフリカ睡眠病。サハラ以南の風土病で、ツェツェバエが病原虫を運ぶらしいですね。体と精神のバランスが崩れて昼夜が逆転し、朦朧とした状態から、やがて昏睡し、死に至る。病気の克服なしに、「最後のフロンティア」なんて意味を成さないね。

続いて川。これは知らなかった。「アフリカの河川は水源が高地にあり、険しい斜面を流れ落ちてくるので、船が航行することができない」っていうんですね。ナイル下流みたいな場所なら、文明が栄えもするけど、他は交易ルートとして使えないということらしい。たとえば、ザンベジ川は、「白く泡立つ激流やビクトリア滝で人々を引き付ける」が、交易ルートとしては使えない。使えないとなると、逆に大河は地域を分断する役目を果たすことになる。川が、砂漠とともに地域を分断して交流を妨げ、経済発展を阻害する要因だったわけだ。

ここまでは地政学的視点ね。これに加えて、アラブ人やヨーロッパ人による、人も含めた資源の略奪ね。特にヨーロッパ人は、アフリカに不幸以外の何にももたらさずに、徹底的に持ち去った。

しかもヨーロッパ人は、勝手にアフリカを分け合って線を引き、民族や部族をバラバラにした。ヨーロッパ諸国が引き合得た後も、それが原因で、アフリカは“混乱”から立ち上がることもできないでいる。
NHKニュース 2017/03/02
市民デモ弾圧で40人以上死亡 国連がコンゴ政府を非難
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170302/k10010896581000.html
(抜粋)
混乱が続くアフリカ中部のコンゴ民主共和国で去年12月、大統領に抗議する市民のデモが治安部隊によって弾圧された問題について、国連が報告書をまとめ、少なくとも40人が死亡したことを明らかにし、政府の対応を厳しく非難しました。

(続きを読む)に全文

コンゴは、「なにかを開発するそぶりさえ見せていない」状況だという。アフリカで2番目に広い国で、人口は7千5百万。200以上の民族集団に分かれ、言語も数百。言語間の橋渡しは仏語。仏語は、ここがベルギーの植民地だった時代の名残。最初はベルギー王レオポルドの私領。あんまりひどいので、英仏の植民地支配が慈悲深く見えたという。

ベルギーは奪うだけで、インフラ一つ整備しなかった。それだけじゃなく、200以上の民族集団が一致団結するチャンス一つ残さなかった。独立直後に内戦が始まり、それに米ソ冷戦が絡んでひと悶着。

ぐちゃぐちゃな国でも、天然資源は豊富だった。それがこの国の不幸の一つ。誰もが今後を利用して甘い汁を吸おうとした。

ルワンダにおけるジェノサイドの余波が今後を襲い、ルワンダ軍、ブルンジ軍が今後に侵攻、コンゴ政府を転覆して天然資源にも手を出した。コンゴ政府軍残党はアンゴラ・ナミビア・ジンバブエの支援を受けて戦いを続けた。戦いには20を超える民族集団が関わった。戦闘での死者は数万、それに続く疫病や栄養失調で600万人が死んだ。

現在は、戦闘自体は鎮まってきた。国連が平和維持活動を展開しているが、できるのは現状維持だけだという。ベルギーに何か頼んでみたらどうだろうか。




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NHKニュース 2017/03/02
市民デモ弾圧で40人以上死亡 国連がコンゴ政府を非難
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170302/k10010896581000.html
(全文)
混乱が続くアフリカ中部のコンゴ民主共和国で去年12月、大統領に抗議する市民のデモが治安部隊によって弾圧された問題について、国連が報告書をまとめ、少なくとも40人が死亡したことを明らかにし、政府の対応を厳しく非難しました。

コンゴでは去年12月、カビラ大統領が任期が切れたあとも退任せず、後任を選ぶ大統領選挙も延期したことから、野党や市民による抗議デモが相次ぎ、これを治安部隊が武力で弾圧して多くの死傷者が出ました。

この問題について調査してきた国連は1日、報告書をまとめ、政府の治安部隊がデモの参加者に向けて銃を発砲するなどして、少なくとも40人が死亡、150人がけがをしたことを明らかにしました。
そのうえで、こうした弾圧が個人の自由や人権を不当に制限し、国際法やコンゴの憲法に違反していると厳しく非難し、コンゴ政府に対して、対応を改善するよう強く求めています。

報告書はさらに、デモ参加者のうち、現在も少なくとも50人近くが当局に拘束されていて、非人道的な扱いを受けているおそれがあるとして、懸念を示しています。

カビラ大統領はことし中には大統領選挙を実施するとしていますが、国際社会の懸念にもかかわらず、コンゴでは今も治安部隊と反政府勢力の衝突や部族間の対立が続いていて、混乱が収拾に向かう見通しは立っていません。

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No title

おはようございます。

世界史において最も「困難」がつきまとうアフリカ、奴隷貿易に始まり植民地政策による蹂躙、大半がヨーロッパ人によるものだが「暗黒大陸」と呼んで見下して、自分たちの利益の為に搾取しまくってそれは現在も続いているわけだが、とりわけ国境、アラブにも当てはまる話で勝手に線を引いて部族バランスを滅茶苦茶にして、これが独立後の混乱を招くわけで、言うなればヨーロッパ人による「横暴」がもたらした混沌でしかない。

独立以降常に混沌ばかりのコンゴ民主共和国、独立直後の動乱に始まったことで現在もそれが続いていることは、まさに大国に虐げられるアフリカを象徴するものと言えます。19世紀にコンゴを植民地支配したベルギー、当時の国王レオポルド2世は「コンゴ自由国」なるものを作ったが、自由と名ばかりで現地の人間を容赦なく抑圧すると言う残虐な統治でヨーロッパで問題になったのは有名だが、考えてみればレオポルド2世ってヒトラーよりも残虐だったんじゃないのか。

貧困・飢餓・内戦・伝染病・汚職と腐敗ばかりの政治。アフリカ情勢を語る上で欠かすことが出来ないこのキーワード、世界史において最も「被害者」と言うべき地域はアフリカ大陸ではないでしょうか。ユダヤよりも不幸で困難な歴史を持っていることもそうだけど。

アジシオ次郎 さま

暴虐極まりない英仏の植民地政策をうらやむほど、レオポルドの私領支配はひどかったっていうからね。言語に絶するものだったんでしょうね。

本当にアフリカは可哀そう。可哀そうだけど、じゃあ、誰かが助けてくれるのを待てばいいのかって言ったら、今のあり様。自分の足で立つしかないわけですよね。それすら邪魔する奴らが、今もアフリカを食い物にし続けているってのが、最大の問題ね。

誰でしょうね。・・・わたし、知らないあるよ。

ありがとうございました



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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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