めんどくせぇことばかり 『不屈の日本人』 関厚夫

『不屈の日本人』 関厚夫

著者は、産経新聞の編集委員で、私と同じ世代だな。高度経済成長真っただ中に生まれ、過去の日本の挫折と、その後の日本の挫折に挟み撃ちにされて、もがき苦しんだ世代。どうやら、もがき苦しんだ時代を抜けて、本当の自分を探すべく、長い旅に出たようだ。

自分探しの旅は、本当の日本人にせまるたび。そこで彼が出会うのは・・・?

岡本太郎、棟方志功、藤沢周平、清川八郎、成田亨、園井恵子、阿弖流為、坂上田村麻呂、斉藤実、後藤新平、大谷翔平、吉田松陰、柴五郎、円谷幸吉、円谷英二、田中路子、メキシコ五輪銅メダルイレブン、幸田文、安藤昌益、宮沢賢治、新渡戸稲造、石川啄木。

最初は戸惑った。著者は、いったい何を言おうとしているのか。意図を図りかねた。東北がどうした、縄文がどうしたと、そのこだわりに辟易としかけた。

《不屈》であるためには、誰もが屈するような経験に耐え抜かなければならない。かすり傷の一つや二つじゃ、人は決して屈しない。でも、住むところを失い、蓄えた富を失い、愛する者を失ったとしたらどうだ。東北の人々は、多くの人が、そんな体験をした。ほんの6年前に。だから東北なんだろうね。「ほら、君たちの先人は、不屈の人であった」と。

『不屈の日本人』    関厚夫

イースト・プレス  ¥ 1,620

震災後、東北特派員を志願した産経新聞編集委員、渾身の健筆 
第一章  独立自尊のロマン
第二章  悲運を越えて
第三章  忘れじの日本人
第四章  日本の原風景
第五章  寄り添う心
屈してはいられなかった。たとえ、どんなにつらいことがあっても。
この本も、そんな日本人をとらえたものだった。天明三年の浅間山大噴火時の実話を背景に書かれたもので、あんまり切なくて、涙をおさえることができなかった。ぜひ、読んでみてね。
不屈の人になるべく、何かがなされたわけじゃない。ただ、不屈でなければ、生きていくことができなかっただけ。壊れたら、また作ればいい。死んだ者も、また生まれてくる。残された者は、生きなければならない。ただ、それだけのこと。

それを受け入れたものだけが、この島で生きてきた。

ちなみに、天明3年は、西暦でいえば1783年。同じ年にアイルランドのラキ火山も噴火して、世界は寒冷化する。ベルサイユ行進で、パリの女将さんたちが求めたのは、家族に食わせるためのパンだった。天明の大噴火は、フランス革命にも関係している。

弥生人は、縄文人を排斥してこの島を奪ったのではない。インディアンに対する白人だったわけではない。縄文人は弥生人を受け入れて、新たな技法を学んだ。混血が進むことは、弥生の血が濃くなっていくことを意味したが、この島で一万年受け継がれた縄文の記憶は、薄まることなく、心の基礎部分として受け継がれていった。

だから、縄文なんだな。東北であり、そして縄文である。おまけに地理的に、弥生が遅れて入った東国人は、エミシと呼ばれて、より強く縄文を香らせていたわけだ。

日本と言う国の物語は受け継がれてきた。それは、敗戦という経験で書き換えられてしまった。しかし、決して屈することのない人々によって、誤りは正されつつある。震災から6年、私たちは復興途上の人として、この物語に加わっていくことになる。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
関連記事

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください
人気ブログランキングへ にほんブログ村 政治ブログへ


言葉は人の心をあらわします。
「歌は世につれ世は歌につれ」と言いますが、言葉についても同じことが言えるでしょう。
これから出る本


































当ブログ内人気図書 
















































カウンター
カテゴリ
ブロとも一覧
アジシオ次郎の時事原論
はりこのはやしや 
ハシビロコウ
素足のアイドル達
うさぎ屋の四方山話
わくわく株式投資
プロモデラー林哲平のジャンクロボット創作ブログ『ケルバーダイン』
大好き!グラビアアイドル!
伊織のブログ
Re:BAD TASTE♥
QWERT 5w1h
「伝わる技術」オトデザイナーズ・坂本真一
歌と知恵でハッピーライフ^^
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
最新記事
応援して下さい