東ティモール(覚書)『変見自在 オバマ大統領は黒人か』 高山正之
時事通信 2017/03/25 新大統領にルオロ氏=独立闘争の戦士-東ティモール http://www.jiji.com/jc/article?k=2017032500629&g=int (抜粋) 【ジャカルタ時事】東ティモールで20日行われた大統領選で、同国選挙管理委員会は25日、国会第2党東ティモール独立革命戦線(フレティリン)のフランシスコ・グテレス(通称ルオロ)党首(62)が当選したと発表した。 (続きを読む)に全文 |
最初に植民地化したのはポルトガルだった。あとからオランダがやってきて、ティモール島の西半分をポルトガルから奪った。オランダ領となった地域とポルトガル領となった地域、いったいどっちがマシだったろう。まあ、大差はないだろうが、ポルトガルの支配が最低で、かついい加減であったことは間違いない。
20世紀になると、本国ポルトガルの経済的苦境を補うために、東ティモールにおける収奪はさらに強化されたという。ポルトガルは第二次世界大戦には中立を表明したが、開戦早々、オランダとオーストラリアに保障占領されてしまう。ポルトガルはイギリスに講義するものの、結局このあと、日本がティモール島全体を占領する。
第二次世界大戦後、西ティモールを含むオランダ領東インドは、独立戦争を経てインドネシアとして独立する。ポルトガル領ティモールは1975年に、本国ポルトガルの政変に合わせて独立話が立ち上がるが、時を合わせてインドネシアが占領する。
上の記事にある“独立闘争の戦士”ってのは、インドネシアに対する独立闘争ということになる。
記事には、フランシスコ・グレテスというポルトガル人の名を持つ男の顔写真が乗っているから見てみてね。彼がクリオーリョであることがわかる。ポルトガル人は、ティモール島を支配下に置くと、言質の女を強姦して子を産ませ、生まれた子たちにポルトガル人の名と武器を与えて、現地人を支配させたという。母を強姦されて生まれた子達にとって、そのポルトガル人風の名前はティモール島ででかい顔をするための証明であったそうだ。
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以下は、本書からの抜粋
昭和16年11月、大日本航空は東チモールのディリに定期運行を始めた。しかし、翌月大東亜戦争が始まると、豪州軍1500がディリに上陸。中立国ポルトガル領での違法な軍事行動で大日本航空社員を捕虜とした。昭和17年2月、ポルトガルの許可のもとに日本軍が上陸すると、豪州軍は蜘蛛の子を散らすように逃げた。日本軍は西チモールを制圧してオランダ軍を追い払い、現地人は白人の支配から解放された。 東チモールには3種類の人がいた。現地人が46万人。ポルトガル人が510人。ポルトガル人が現地の女に産ませた混血が3000人。混血児は父の名と容貌をもらい、銃を持ってポルトガル人を守った。 西チモールのように自由を勝ち取りたい現地人はポルトガル人と混血児を狙うようになった。ポルトガル人から保護を求められた日本軍は、現地人を縛ってきた塩税などを廃止して現地人をなだめた。 戦後日本軍が去ると、ポルトガルは財政事情から島を去り、西チモールと同じようにインドネシアに併合された。白人が消え、多数の現地人と少数の混血児がにらみ合ったころ島の沖に海底油田が見つかった。 豪州の白人が再び登場し、混血児と組んで「島民はインドネシアの圧政からの独立を望んでいる」とウソを並べた。混血児のラモス・ホルタにノーベル平和賞が与えられ、東チモールは晴れて独立した。今、海底油田の利益は混血児と豪州が山分けしている。 |
2002年の独立後も、たびたび治安維持が不可能となり、オーストラリアが、自分の利権を守るために治安維持軍を覇権している。


時事通信 2017/03/25 新大統領にルオロ氏=独立闘争の戦士-東ティモール http://www.jiji.com/jc/article?k=2017032500629&g=int (全文) 【ジャカルタ時事】東ティモールで20日行われた大統領選で、同国選挙管理委員会は25日、国会第2党東ティモール独立革命戦線(フレティリン)のフランシスコ・グテレス(通称ルオロ)党首(62)が当選したと発表した。 大統領の就任式は5月20日に行われる。任期は5年。 選管集計によると、ルオロ氏の得票率は57%と過半数を上回り、2位のアントニオ・ダコンセイソン社会調整相兼教育相の32%を引き離した。 ルオロ氏は独立闘争を戦った元ゲリラ兵で、独立後の初代国会議長。過去2回の大統領選でフレティリンの候補として出馬し落選したが、今回は第1党の東ティモール再建国民会議(CNRT)の支援を受けて優位に選挙戦を展開、「経済と教育を最優先する」と訴えていた。 |
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