『偶然短歌』 いなにわ・せきしろ
本屋でなにげなくペラペラめくってて、吹き出しちゃった。周囲には人もいたのに・・・。だって、これ、・・・面白いよ!
《偶然短歌》というのは、“いなにわ”さんが作り出した短歌のジャンルです。もちろん、勝手に。もとはと言えば、一見、何の変哲もない普通の文章の中に、偶然57577のリズムが含まれているのを発見したところから始まったようです。
“はじめに”に紹介されているのは、ウィキペディアの中の、[盆踊り]を解説した、こんな文章。
この中に、57577を見つけた“いなにわ”さんは、そこに短歌に匹敵する詩的な趣を感じ取ったんだそうです。・・・わかりました? ども部分が詩的な57577か。
「念仏で 救済される 喜びに 衣服もはだけ 激しく踊り」・・・ですね。
なんと・・・、プログラマーである著者は、文章中から「偶然短歌」を見つけ出すプログラムを作り、ウィキペディアのすべての文章から「偶然短歌」を探させたんだそうです。・・・なんと卑怯な。これまで、何気ない文章の中に隠れ、人目にさらされることのなかった「偶然短歌」さんは、突然、舞台に引っ張り出され、スポットライトを当てられて、「わたし、そんなつもりじゃ」と拒むのも無視して、意図もしない意味を与えられてしまったのでした。


どうにも、心地よいですよね、57577の語感は・・・。やはり、日本人ならではのリズム感なのでしょうね。おそらく、まったく「偶然短歌」を意識しないで文章を読んでる段階から、私たちはこの文章に、心地よい語感を感じていたでしょうね。
もしやと思って、自分がブログに残した駄文を検証してみた。そうしたらね。ありました。見たのは、ちょっと前に紹介した『世界のへんな肉』って本を紹介したときの文章。
“私事ながら 若かりし日に 山小屋に 入り浸って いたことがあり”
“サバンナの 天使インパラ に近づく しかも近くの 茂みに隠れ”
惜しいのはもっともっとあったけど、それらを無理やり57577に当てはめちゃうのはずるい話。字足らずは勘弁してもらって、二つだけ残った。なんか、歌を詠もうとして無理やりにひねり出したものよりも、遥かに出来がいいのはなぜだろう。
この本に掲載されている「偶然短歌」を選んだのは、作家の“せきしろ”さんだそうです。“いなにわ”さんが「偶然短歌」さんをお座敷に呼び出して、“せきしろ”さん裸にひんむいて、ご堪能という感じでしょうか。
“いなにわ”さんが越後屋で、“せきしろ”さんがご家老様ということですね。・・・えっ、そんなとらえ方しかできないのかって? ごめんなさい、根が下衆にできてるもんですから。
最後に、本書に掲載されている「偶然短歌」の中で、一番感銘を受けたものを紹介して、終わりにします。
“アルメニア アゼルバイジャン ウクライナ 中央アジア およびシベリア”

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
《偶然短歌》というのは、“いなにわ”さんが作り出した短歌のジャンルです。もちろん、勝手に。もとはと言えば、一見、何の変哲もない普通の文章の中に、偶然57577のリズムが含まれているのを発見したところから始まったようです。
“はじめに”に紹介されているのは、ウィキペディアの中の、[盆踊り]を解説した、こんな文章。
踊念仏は、鎌倉時代に一遍上人が全国に広めたが、一遍や同行の尼僧らは念仏で救済される喜びに衣服もはだけ激しく踊り狂い、法悦境へと庶民を巻き込んで大ブームを引き起こした。 |
「念仏で 救済される 喜びに 衣服もはだけ 激しく踊り」・・・ですね。
なんと・・・、プログラマーである著者は、文章中から「偶然短歌」を見つけ出すプログラムを作り、ウィキペディアのすべての文章から「偶然短歌」を探させたんだそうです。・・・なんと卑怯な。これまで、何気ない文章の中に隠れ、人目にさらされることのなかった「偶然短歌」さんは、突然、舞台に引っ張り出され、スポットライトを当てられて、「わたし、そんなつもりじゃ」と拒むのも無視して、意図もしない意味を与えられてしまったのでした。
『偶然短歌』 いなにわ・せきしろ 飛鳥新社 ¥ 1,200 “偶然”は 異常なまでに 面白い 言葉に神が 宿っています |
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どうにも、心地よいですよね、57577の語感は・・・。やはり、日本人ならではのリズム感なのでしょうね。おそらく、まったく「偶然短歌」を意識しないで文章を読んでる段階から、私たちはこの文章に、心地よい語感を感じていたでしょうね。
もしやと思って、自分がブログに残した駄文を検証してみた。そうしたらね。ありました。見たのは、ちょっと前に紹介した『世界のへんな肉』って本を紹介したときの文章。
“私事ながら 若かりし日に 山小屋に 入り浸って いたことがあり”
“サバンナの 天使インパラ に近づく しかも近くの 茂みに隠れ”
惜しいのはもっともっとあったけど、それらを無理やり57577に当てはめちゃうのはずるい話。字足らずは勘弁してもらって、二つだけ残った。なんか、歌を詠もうとして無理やりにひねり出したものよりも、遥かに出来がいいのはなぜだろう。
この本に掲載されている「偶然短歌」を選んだのは、作家の“せきしろ”さんだそうです。“いなにわ”さんが「偶然短歌」さんをお座敷に呼び出して、“せきしろ”さん裸にひんむいて、ご堪能という感じでしょうか。
“いなにわ”さんが越後屋で、“せきしろ”さんがご家老様ということですね。・・・えっ、そんなとらえ方しかできないのかって? ごめんなさい、根が下衆にできてるもんですから。
最後に、本書に掲載されている「偶然短歌」の中で、一番感銘を受けたものを紹介して、終わりにします。
“アルメニア アゼルバイジャン ウクライナ 中央アジア およびシベリア”


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