めんどくせぇことばかり 残酷(覚書)『孔子を捨てた国』 福島香織

残酷(覚書)『孔子を捨てた国』 福島香織

実は、こういうのは、あまり得意じゃない。

チャイナの神話の中に女媧という半人半蛇の女神がいる。伏羲・神農・と並んで、三皇の一つに数えられることもある重要な女神である。なにせこの女神、人間を創造した。女媧は黄土をこねて人間を創った。一生懸命創った。いい人間ができあがったのだが、そのうちめんどくさくなって、縄で泥水をはね飛ばし、その飛沫が固まって残りの人間が創られた。だから人間には、数は少ないができのいい高貴なものと、数は多いができの悪い下等なものが生まれたという。

神話は人の出自を語るものであり、語り継いだものたちは、もちろん彼らが生きていた時代を語り継いだのである。だから、女媧が語られた時、支那の祖先は、「人間には我々のように、女媧によって大切に創られたものある。同時に、何人死のうが関係のない、どうでもいい連中がある」という認識を持っていたわけである。

チャイナというのは、“場”、あるいは“領域”である。南から入った者たちが興隆し、東から入った者たちが抗争し、西から入った者たちが跋扈して、北から入った者たちが入れ替わった。いかに人が入れ替わっても、チャイナという領域が、そこに入ってきた者たちを洗脳する。そして、かつてと同じように、女媧を伝説とする。

そこにはいつも、大切に作られた数少ない高貴な人間と、大多数の、いい加減に作られたどうでもいい人間が存在するのである。誰が高貴な人間で、誰がそうでないものかは、その時最も力を持っているものが決める。そう、今でいえば、中国共産党が決めるのだ。

『孔子を捨てた国』    福島香織

飛鳥新社  ¥ 1,300

副題は《現代中国残酷物語》 シナ人が孔子を捨てると、どんな国が出来上がるのか
第1章  虐げられる女性と子ども、高齢者の人権
第2章  司法が人民に牙を剥く
第3章  政治権力闘争がすべて
第4章  環境汚染とマスメディアの暗黒
第5章  凶悪事件・重大事故続発の酷薄社会


そんなチャイナで、中国共産党が、さらに油を注ぐ、反右派、大躍進、文化大革命、・・・批林批孔なんてのもあった。現代においては一人っ子政策か。・・・そのやり方の残酷なこと。

かつて、定時制高校に関わっていた時に、チャイニーズの生徒に出会った。彼は、日本に働きに来た母とともに来日し、私が出会った段階で4年を経ていた。母には日本人の夫がいるという建前になっていた。しかし、その生徒に日本人の父親の気配は全くなかった。おそらく方便だったのだろう。

時々、実の父親のところに帰ることがあった。ハルビンである。ハルビンには、彼の姉もいた。しかも二人も。いったい、どこが“一人っ子政策”なんだ。

ごちそうを食べるのは、いつも、弟の彼が先だったそうだ。彼がたくさん食べた後、残ったものを姉たちがたべた「・・・らしい」と彼が言ってた。学校には、姉たちは通っていなかった「・・・らしい」と彼は言ってた。

場合によっては、生まれたことになっていなかったりして・・・。そんなこともあると、なんかの本で読んだ。
一気に、第1章、第2章と読んで、息苦しくなって、本を離して、間を置いた。・・・呼吸が小さくなってたらしい。残酷な話は、読んでいてつらい。どうしてそこまで残酷になれるのか。おそらく、その人たちも、それに見合う分くらい残酷に取り扱われたからだ。それは長い時間に培われたもので、残酷であることが、すでに処世術になってしまった。そうなると、下に深く、上に高いらせん階段みたいなもんで、始まりも終わりもない。それがチャイナか。

残酷の一端でも紹介して、この本の何たるかをお伝えしようとも思ったが、周辺をうろうろするだけで、あらためて私は、こういう話が苦手だ。ただ、この間も書いたけど、目を背けても、いずれ、向こうから私の目の前にやってくる。気を取り直して、第3章から第5章を読もう。

・・・明日あたりね。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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